ウシジマくんの人間性

ウシジマくんは債務者に対して容赦がない。

だが、その姿は猟師が獲物を丁寧に解体するのに似ている。

決して、ぞんざいに扱ったりしない。

 

債務者の血の一滴まで、丁寧に搾り取る

ウシジマくんは怖いのか? 優しいのか?

ウシジマくんの人格形成

ウシジマくんの暴力や冷徹の印象の奥には、優しさがある。

債務者の苦痛を長引かせるような事はしない。

そんな奥深い人間性を考察する。

 

家族構成

ウシジマくんの実家は、狭いアパートだ。

母親は早くに亡くなっているが、代わりに母親が大切に飼っていたウサギがいる。

父親は酒浸りで、中学生のウシジマくんに世話をしてもらっていた。

 

母親はこの人の妾として、ウシジマくんを産んだ

父親はそういう素行からか経済的に貧窮したからか、本妻の家族と縁遠くなっている。

 

寝たきりで起きられないのか不明だが、基本的に生活は酒を飲んで寝てばかりだ。

父親の劣等感を刺激してしまうため、ウシジマくんはあまり家に居ないようにしている

それでも帰った時は食事を作り、布団を干すなどして父親の世話をしている。

 

遺伝を考える

母親はウサギを大事に飼っていた。

ウシジマくんの母親のウサギ

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん35巻」小学館

もしも壊れた女だったら、小動物さえまともに飼う事ができない。

 

貧しい生活の中でもウサギを飼うというのは、相当に心の優しい人だったのだろう。

この母親から受け継いだ優しさがあるから、ウシジマくんはあんな父親の面倒を見ていられるのだ。

優しいという事は受け身で流されやすく、不幸な境遇に飲み込まれてしまうところがある。

 

経済的に恵まれず、妾に身を落としてしまったのだろう。

その優しさから苦労を背負いこむ所があり、結局は気苦労で早逝してしまう

ここまで強い優しさという事は、かなり強い特性としてウシジマくんに遺伝しているだろう。

 

父親は本妻の他に、妾を持つほどの経済力があった事を物語っている。

経済的に成功するには、強い意志と、それを実行する能力が必要だ。

実行力には論理性と、行動力が必要だ。

 

普通は論理型と行動型に分かれてしまうが、成功する者はこの二つを同時に満たしている。

論理がなければ行動は行き当たりばったりとなり、経済的な成功などできない。

ウシジマくんは闇金だけでなく、不動産運用や風俗店の裏オーナーなどもやっている。

 

裏で操作をするだけで上がりが入る仕組み作りは、頭が良くなければできない

こういう所は父親から継いだ能力と思われる。

父親が後に没落した要因はわからない。

そんな男を見捨てない母親は、やはり優しかったのだろう。

父親の世話と母親の死

酔った父親の排泄の世話など、なかなか出来るものではない。

その行動は非常に優しいが、一向に報われない。

父親は食事もまともにとらず、常に酒を飲んでいる。

 

全てを失い、身体の自由も利かなくなった現実を酒で忘れようとしている。

その姿は、一刻も早く人生を終わらせたいかのようだ

ウシジマくんの父親

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん35巻」小学館

ウシジマくんは自分が世話をする事で、父親の苦痛を長引かせてしまったのではないか。

そういう後悔があったのかも知れない。

闇金を始めてからは、救いようのない者に対して一切容赦しない。

 

自分で終わらせる勇気のないものの苦痛を、介錯して楽にしてやっているかのようだ

母親は優しく、他人に尽くす人だった。

自分より他人を優先させ、早逝してしまった理不尽さ。

 

残されたウシジマくんの怒りをぶつけようにも、父親は弱い存在でぶつけられない

ケンカで発散するしかなかった。

後に一緒に闇金をやる柄崎と共に、地元の不良とケンカした時

 

「柄崎、やる時は徹底的にやれ!!」

バットを振るウシジマくん

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん35巻」小学館

「じゃねェーと、全部 奪られちまうぞ!!」

と言う。

子供時代から理不尽に、普通の生活も母親も奪われた自分への言葉かのようだ。

ウシジマくんが闇金を始めた理由

育った周辺環境が荒れていたことが大きい。

家賃や賃料が安い地域には、問題があって稼げない人が集まりやすい。

そういう家の子供は外に出て、荒んだコミュニティを作らなければ居場所はない。

暴走族やヤクザになる者も多い。

 

荒んだ世界でも頭角をあらわせないと、コンビニ前にタムロして他人を威嚇する、貧乏くさい負け犬になる。

そういう連中がコンビニが大好きなのは、高級店では白眼視されるが、コンビニはバカでも平等に客扱いしてくれるからだ。

ウシジマくんが少年院を出ると、地元の仲間は周囲に流されて闇金をやっていた。

ウシジマくんと加納と柄崎

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん40巻」小学館

その立場は都合よく使われるだけで、負け犬に近い身分だった。

ウシジマくんは闇金の誘いを断って、亡くなった母親の知り合いの社長の下で働く。

土木作業をするウシジマくん

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん40巻」小学館

少年院に面会に来たり、親身になって世話をしてくれた人だ。

ちゃんとした知り合いがいる事からも、母親の人柄がわかる。

 

壊れた女には、同じカテゴリの知り合いしかいない。

仕事をして、ウサギと一緒に狭いながらも自分の部屋を持った。

ウサギと暮らす

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん40巻」小学館

給料で布団やカーテンを買って、少しずつ自分の城を作っていく。

平穏無事な毎日を送るはずだった。

ケータイをかぱかぱさせる

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん40巻」小学館

一人の部屋で、ケータイを何度もぱかぱかするウシジマくん。

誰からも連絡はこないし、自分からする用事もない。

平穏な日々によって、自分の人生の静けさに強い孤独を感じる。

その結果、ウシジマくんは闇金をやる事を選んだ。

 

お金の力に負ける家族に容赦はしない。

中途半端にその場をしのいでも、ダメな家は破綻するから、キッチリとトドメを刺す。

お金の力に負ける家族もいれば、どん底から再生していく者もいる。

子供がいても、取り立ての容赦はしない。

借金をしている家族

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん40巻」小学館

だが、部下を使ってコンビニが弁当を廃棄する時間を教えたりする。

子供たちが苦難から這い上がれなかったら、生きていてもしょうがない負け犬の人生が待っている。

子供たちに、生まれる環境を選べなかった自分自身を重ね合わせて見ている。

ウシジマくんはお金の力を使って他人の家族に関与して、深く他人に交わっているかのようだ。

そうやって集めた金には、色々な人の人生が詰まっている。

ダンボールに入った1万円札

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん40巻」小学館

金持ちが持つ1万円はただの1万円だが、貧乏人にはそれが全財産のこともある。

1万円の濃さが違うのだ。

ウシジマくんは、今日も闇金でそういうお金を集めている。

ウシジマくんと違う、異常人格者

腐れ外道、滑皮秀信

肉蝮という最強原始人