大人になり切れない板橋【切るべき友達】

おじさん
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

サラリーマンくん編より

 

見た目は大人、頭脳は子供 サラリーマン板橋。

結婚も育児も経験せず、ぬるっと33歳を迎えた板橋の感覚は中高生のままだ。

 

やがて重荷になる、切るべき友達の基準。

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サラリーマン板橋

 

同じ会社の部署違いの同期、板橋と小堀が屋台で飲んでいる。

仕事に苦しむ小堀が弱音を吐く。

 

『俺達、なんのために働いてるのかな?』

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「アホ。小堀!

お前は家族がいンだろ?

家族のためとか言っとけよ。」

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「小堀、お前、本当に大丈夫か?

えらい落ち込んでるな。」

 

そんな小堀に気分転換を勧める板橋。

ここまでなら板橋は友達思いで優しい男に見えるが、小堀を変なところに誘う。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「違法なんだけどな……

高レートで打てる深夜のパチスロ屋が今、流行ってるンだよ。

一晩で50万円くらい稼げるぜ!!」

 

ギャンブルにハマる人は何でも自分に都合よく考えるから、「稼げる」と言う。

だが妻子持ちの小堀は

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『いや、今日は帰るよ…』

 

と言って一人で帰ってしまう。

 

「チッ。」

舌打ちをする板橋。

 

彼が小堀と闇スロに行きたがった理由は、後にわかる。

後日、あらためて小堀を怪しい雑居ビルの闇スロットに連れてくる板橋

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『板橋ィ…… 看板も無い店で本当に大丈夫なのか?

ボッタクリじゃないのか?』

 

「大丈夫 大丈夫 うへへ―――」

 

33歳の男が、“うへへへ―――” である。

 

大人とは思えない、変な笑い方が特徴的。

なぜ人を見抜くために、小さな事を気にするのか?

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

大人子供は感情が声の抑揚(急に大きな声)に出たり、『うひひ』『ぇえーっ!』など心の声をそのまま出す特徴がある。

 

これは子供のように感情が優位なためで、様々な局面で論理的思考より感情が前に出る。

この『自由な子供性』を軸に板橋の行動を観察して、おもしろい友達がやがて地雷化する理由を説明する。

 

子供っぽい板橋

 

闇スロットのように危険な場所に出入りしている板橋は、大人の危機感を持ち合わせていない。

 

怪しい店内に入るだけで、期待値が上がって脳汁が出る板橋

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「この1万が一晩で50万円になるかもよ!?

うひひひひひ……」

 

ねるねるねるねのCMの魔女みたいだ。

小堀は板橋の金銭感覚に驚き

 

(最初に1万円も使うのかよ!? もったいねェ……)

 

と思う。

 

子供は報酬が努力に比例するものだという経験が少ないから、1万が50万になるといった魔法を信じる。

 

お金がないのにギャンブルをやってしまう人が子供っぽく見えるのは、脳が幼いままだからだ。

ギャンブルで脳汁が出る人は、1%でも当たる確率があると当たった気になって興奮してしまう。

 

ここで板橋が、小堀を闇スロに連れてきたかった理由がわかる。

闇スロットの店長が板橋に話しかける。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『新規のお客様を紹介して頂いたので、1万円分サービスします。』

 

「ああ…… どうもです……」

 

真横で聞いていた小堀が冷める。

 

(コイツ…… だから俺を誘ったのかよ。)

 

落ち込んだ小堀を慰めるために誘ったのならサービスの1万円は小堀に回すものだが、包容力のない板橋は全部自分のものにする。

 

板橋は1万分サービスされても軍資金が足りず、その場で闇金に電話をして金を持ってきてもらう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「マサルくん(闇金) どーもー。

5万ばかし融資してよ…‥‥」

 

闇金をUber Eats感覚で呼び出し、サクッと5万円借りる板橋。

物怖じしない板橋は、豪胆なのではなくリスク計算ができないのだ。

 

行動力があるように見える人の中には、単に衝動が抑えられないだけの人も多い。

 

板橋は返済時の苦労が想像できず、お金を手にする時に出る脳汁が快感だから、中毒のように借金をする。

 

『ギャンブル+借金』をする人の雰囲気が似ているのは、脳汁こと脳内麻薬ドーパミンの中毒者だからだ。

 

報酬系のバグ:酒とギャンブルと性

 

遊び上手?な板橋

 

小堀が闇スロットで大勝ちしたのを不良に見られて、後をつけられてカツアゲにあう二人。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

こんな所もゲーセンでカツアゲされる中高生みたいだ。

ちなみに闇スロットが設定をいじって新規の客を勝たせるのは、脳汁の快楽を教えて客をギャンブル中毒にするためだ。

 

板橋の悪所通いは他にもある

気持ち悪いおじさんの御用達、出会いカフェに小堀を連れていく板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「向こうからこっちは見えないから、安心して女を物色出来るだろ?

街中じゃこんな若い娘をじっくり見られないからなぁ…

くふふぅ。

 

こんな風に板橋みたいな男は、いろいろな遊びを知っているから一緒に居て楽しい面がある。

 

だがそれは宿題そっちのけで夏休みをエンジョイする小学生と同じで、やるべきことを後回しにした遊び方だ。

だから『面白い人』と結婚する女性は生活力の無さに泣かされる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

独身の板橋に泣かされるのは、友人の小堀だ。

 

タカる板橋

 

板橋は小堀に金を借りて闇金に返済した帰り、そのまま二人で牛丼を食べる事になった。

妻子がいて小遣い制の小堀は、券売機を前に悩む。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

(牛丼350円か……

一番安い豚丼330円のヤツにしよ…

タマゴ50円とサラダ100円はガマンしとくか……)

 

小堀は子供の教育費が必要だし、板橋に金を貸してしまったために節約が必要なのだ。

小堀が自分の食券を買っても、板橋は券売機の前で固まったままだ。

 

何か嫌な予感がする。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

『どうした? 板橋。買わないの?』

 

「…………」

 

『ああ… 金ないのか……』

 

板橋は自分から飯に誘ったのに、数百円の金さえないのだ。

その事を口に出さずに、小堀が察するまで待っていた。

 

こういう時に板橋のメガネはシールドのように曇り、どんな目がわからなくなる。

券売機に黙ってお金を投入する小堀。

 

券売機に千円札が入ると、途端に息を吹き返す板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「悪ィなコボリ。 立て替えてくれて…

ナニ食おーかなァ…

ヘヘ―――」

 

“立て替え” なら奢りと違って卑屈にならなくて済む。

だがこの立て替えもあいまいにしておけば、いずれ帳消しにできると思っているのだろう。

 

彼らは時間を逃げの道具として使う。

 

板橋は330円の豚丼を選んだ小堀の前で、遠慮なく高いカルビ焼肉定食や小堀が我慢したサラダなどのボタンをポチポチ押す。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

ポチッ ポチッ

 

(あ……)

 

当然、小堀のひんしゅくを買うが立て替えてもらった金は自分のものだと思っているので、何が悪いかわからない。

 

「どうしたコボリ?」

 

『いや、別に。』

 

板橋に見えているのは自分にとって都合のいい事だけで、他は目に入らないから平気でカルビ焼肉定食を選べるのだ。

この視点の乏しさから、板橋が仕事がデキるとは思えない。

 

板橋の生きるテクニック

 

板橋は闇金のウシジマくんに返済するため、小堀に5万円の借金を申し込んだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『え? 5万円!?』

 

「3万円でもイイ……

今日、必要なんだ。」

 

一旦5万円という額を提示しておいて、3万円に引き下げる。

 

これはドア・イン・ザ・フェイスという営業テクニックで、板橋が要求額を下げたのだから、返報性(お互い様)の原理で小堀が言う事を聞かないといけない空気にする。

 

だが板橋は3万円を借りただけでは済まず、なぜか小堀を借金の返済に付き合わせた。

歌舞伎町の路上でウシジマくんらに金を渡すが、今日の返済分に足りない。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『で? お前、金はどうする気?』

※ウシジマくんは20代

 

ここで板橋は、先ほど小堀に借りられなかった残り2万円のお願いをする。

 

「小堀頼む… たった2万円だ!

絶対絶対返すから!

 

板橋が言う【絶対】は気質的に使わないはずの言葉なので、信用してはいけない。

人を見抜く時には、その人物の言葉にも注目をする。

 

板橋は自分でも説得力がないとわかっているので、「絶対絶対返す」と連呼する。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「すぐすぐすぐすぐ。

給料出たらすぐ返すよォ~~」

 

『困るよ。俺だって金なんてないよ。』

 

目の前で押し問答をする二人にウシジマくんが言う。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

『おい!!

外でもめてっと目立つだろ?

事務所来いよ。』

 

板橋はこうしてウシジマくんの恫喝も使って、小堀に残り2万円を出させた。

腹立たしいのは、小堀がいるのにダシにしてウシジマくんにへつらうところだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「へへへ お手数かけました~~~

あいつが渋りましてね――― へへへ。

これからはちゃんと返済しますよォ~~~」

 

ウシジマくんは板橋の言葉ではなく人格を見ているから、板橋の言う

 

「これからはちゃんと返済します」

を信用していない。

 

この見立てが正しい事は、板橋にあぶく銭の10万が入った時にすぐに証明された。

部署内の付き合いで金が必要になった小堀から、金を返して欲しいというメールが入る。

 

それを見た板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「チッ。」

(コボリのヤロウ、もう催促かよ せこいヤロウだ。)

 

感謝もしないで、どの口がせこいと言うのだろう?

懐に10万円が入っているのに板橋は、返す刀でこう返信している。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館


ゴメンな…小堀
来月の給料まで待ってくれ!
絶対なんとかするし、お前優先で返済します!
いつも感謝してるぜ。

 

お前優先と言っておきながら、懐の10万円は自分の遊びに費やしてしまう。

人を見抜く時、上辺の言葉はあまり参考にしない。

 

それよりもメールにやたら『!』という感嘆符がついているのに着目したい。

自由な子供性が高い人は、メールにまで感情優位な所が出る。

 

例えば営業職は自由な子供性が強い者が多い。

その中でもすぐに電話したり直接会うのを好むテンションの高い営業マンは、『!』をよく使うのでメールを受け取る人はチェックしてみてほしい。

 

板橋33歳の娯楽

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

帰宅途中に地元のレンタル店で、AVを選ぶ板橋。

※かつて一般的だったDVDレンタル

 

店内にはアダルトトイのコーナーもある。

 

「お! 姫口真理のダッチワイフだ!」

(欲しいなァ… 今度買お)

 

空気で膨らませるような安っぽいダッチワイフさえ買えない板橋。

ワイフを見てうずいたのか、近くにあるオナホールの販売機で一つ買ってしまう。

 

e-Ne(イーネ)というオナホールの品名を見て

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「なんだよ。オナカップ”e-Ne”って ケンさんか?

うっかり買っちまったよォ…はは。」

※クレージーケンバンドの横山剣の決め台詞が「イーネ!」

 

33歳にして好奇心旺盛な板橋は、修学旅行生みたいに目についたお土産を買ってしまう。

AVとオナホを持って、ホクホクで3階建てハイツの家に帰る板橋。

 

郵便ボックスは板橋のところだけ郵便物がたまって、ゴミ箱のようになっている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

ドアについてる郵便受けも放置されていて、督促などがそのままになっている。

ダルい事は全て後回しだから、ダメな人のエピソードには未払いで電気や水道を止められる経験談が多い。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「あれ? あれ?

電気が止まりやがった……

クソ!! せっかく坂口真理の新作、借りてきたのに見れねーし!」

 

普通の大人なら、まず公共料金の支払いを優先する。

だがお使いを頼まれたのにお菓子を買ってしまう子供のように、板橋はAVとオナホールを買ってしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

板橋の部屋はこんな風に、何でもやりっぱなしの生活。

 

例えば洗った服は洗濯ハンガーから取り外さずに、洗濯ハンガーごと床に放置している。

部屋でやる事が一杯あるのに、買ってきたオナホールを使う板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

板橋は暗い部屋でオナホールを引いた時の『スカーッ』という空気音を聞く時、何を考えているのだろう?

⇒何も考えていない

 

こういう人は薬物中毒者のように、現実逃避のために自慰行為をする。

 

帰宅部の男子中学生が毎日テレビゲームとオナニーをするように、板橋はスロットと自慰行為をしている。

オナカップ”e-Ne”(イーネ)に吐精して満足した板橋は、別の心配が浮ぶ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「メシも食えねェし……

でもそれ以上に退屈に耐えられねェ。」

 

板橋のように子供性が優位な男は、自立していないから一人の時間の過ごし方が下手だ。

 

自由で寂しい板橋

 

金に困った板橋はウシジマくんが持ち掛けた怪しい案件を受けて、10万円を手に入れてしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

『ほら!10万。』

 

こんなリスキーなお金でも、手にすると恐怖よりワクワクが勝ってしまう板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「フフフ 10万円か‥‥

今夜はハメ外すぜ!!」

 

彼が貧困から脱する事が出来ないのは、問題に向き合わずに気晴らしだけにお金を使うからだ。

貧しい人はストレスが溜まるほど働いていないのに、いつもストレス解消と言って金を使う。

 

貧困は社会のせいではなく、板橋のせい。

 

お金の使い方がわからない人たち

 

案の定、スロットで一瞬でお金を溶かす。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「クソッ だめだ!

もう5万飲まれた…… 調子悪ィな……

女でも買いに行くか……」

 

スロットで金を失ったストレスを、更なる浪費で解消するのが板橋。

出会いカフェで、ソコソコだけど安っぽい援交女を拾ってホテルに行く。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

平日の援交だけでなく、休日の過ごし方もロクなものではない。

ダメなおじさんのコロシアム、後楽園の場外馬券場に行くため駅に向かう板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

路地裏を歩きながら、窓の外に干してある女性の下着を見つめる板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

ジッと見て、高齢者用の色気のないブラとわかると

(チッ、ババァのか!)

 

もうこの段階でロクな休日でないのがわかる。

場外馬券場で自由を謳歌し、一人語る板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「サラリーマンの3大不良債権、

家・子供・女房を持たない男の集いの場だぜ!

俺は小堀と違って、自分の人生を自分で選択できる自由人だぜ!!」

 

板橋の子供っぽさは、独身である事も関係している。

大人になってから人格が変わるイベントは、結婚で夫になる事や子が生まれて親になる事だ。

 

父親の役割を与えられると、責任・厳格・規律という人格がいやがおうにも必要になる。

板橋のようにイベントがないと、中高生のままの人格でぬるっと大人になってしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

競馬でも負けて、またお金を失う。

板橋みたいな男ほど、結婚して小遣い制になったほうがいい。

 

お金がなくなると、寂しい定年退職者みたいにハトにエサをやり時間を潰す板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

たまにハトのエサやりに固執する人が、注意されて激昂する事件が起こる。

論文は無いが、ハトにエサをやるのは何らかの症候群の入り口かも知れない。

 

寂しい老後 金子のババア

 

家に上がらせたくない

 

借金を返さない内に、追加で金を借りようと小堀の家にあがって待っていた板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

小堀の嫁の結子とも顔見知りだ。

板橋の足元を見て、靴下にガッツリ穴が開いているのに気が付く小堀。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

(……)

 

金に困った人は、目につくところは気を配るが足元はケチる。

だから靴や足元は、昔から人を見るチェック項目になっている。

 

ペンをクルクル回して、小堀の子供をてなづける板橋。

板橋は大人には相手にされないが、自分が子供ゆえに子供とは波長が合う。

 

だが大人の小堀の目には、板橋のしょうもなさばかりが映る。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

板橋はかゆいのか、足の指の間に手を入れてゴシゴシこする。

そして床に、角質だか水虫の皮かわからないものをボロボロ落とす。

 

それを見ている小堀。

(汚ねーコイツ、ひとン家で何やってんだ?)

 

廊下のコンセントでは、コッソリと板橋がケータイを充電している。

それも見られて

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

 

(板橋のケータイ……

どこまでもセコイ野郎だ……)

 

成長が止まった友人は、いつしか友情から依存という名の重荷に変わる。

極めつけは、板橋が使ったトイレだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

スリッパは脱ぎ捨てたままだし、便器の周りにオシッコをこぼしまくっている。

 

それを見た小堀は

『うう~~~』

と唸る。

 

その割にトイレットペーパーが三角折にされていて、それはそれで小堀の神経を逆なでる。

板橋のオシッコを拭きとる小堀。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「汚ねーなァ――― もぉ―――

変なトコ几帳面だし……」

 

こうしてどんどん、大人に嫌われる板橋。

若い頃は小堀にも少なからず自由な子供性があったから、板橋とも波長が合った。

 

だが妻子を持って父性の気質が発達すると、小堀と板橋は父と子と言えるくらいギャップが生まれた。

友人でも夫婦でも、人格のギャップが広がることで合わなくなっていく。

 

板橋の外見

 

ちなみに板橋はいつもヒゲが目につく。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

人をイラつかせる男はヒゲが青かったり直毛だったり、えり足がモジャモジャしていたり、身体的特徴でもイラつかせる。

直毛はバカで天パーはトロいと思われがちだが、それらは人格と関係ない。

 

坊主憎けりゃ袈裟まで憎いという心理で、その人がムカつくから指の毛がモジャモジャしてるなど、細部が目につくのだ。

 

外見で見るべきは髪の栄養状態や床屋に行く頻度、ヒゲ剃りの習慣などだ。

床屋とヒゲ剃りが習慣化されていない板橋は、規律・規則の概念が薄いとわかる。

 

会社の板橋

 

私生活がボロボロな板橋は、会社で一体どんな仕事をしているのだろうか?

その姿がコレ

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

一日中なにもない机に座らされて、部署内のさらし者にされている。

自分から退職を切り出すよう、いわゆる追い出しをされている。

 

そんな中、部署の内勤女性が退職日を迎えた。

 

『今日までお世話になったお礼に、皆さんに甘いものを買ってきました!』

 

女性がケーキ屋で買った、ちょっといいプリン・アラモードなどを配って回った。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

女性が社員らと言葉を交わし、いよいよ板橋の席の方にくる。

板橋を横目で視界に入れる女性。

 

それを感じる板橋。

だが女性は、板橋の存在を無視してしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

プイッ

 

板橋と女性の間に何があったかわからない。

 

だが板橋が小堀にやった事を考えると経費精算の期日を守らないとか、定時ギリギリに依頼して内勤に残業をさせるとか、そういった事だろう。

 

それに女はお金を稼げない男の事を、病原菌のように嫌悪する所がある。

だから板橋にスイーツなどやりたくもない。

 

それは薄々、板橋も察しているので無言でやりすごす。

だが、板橋の上司の課長は残酷だ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『ゴメーン 俺、甘いの苦手なんだ……

板橋ィ――― 俺のやるわ!』

 

女性が板橋に食べてほしくないオーラを出し、それを感じる板橋。

いつも都合の良い板橋がここまで察するのは、この女性との関係が普段から険悪だったのだろう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「いえ、僕も、甘いの苦手なんで……」

 

『嘘ォーん! お前よく小倉マーガリンのコッペパンとかシュークリーム食ってるじゃん!

遠慮するなよ! ほら―――っ!!』

 

課長はわざとか無神経か知らないが、女性の目の前でスイーツをしつこく押し付けようとする。

板挟みになる板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「ダ… ダイエット始めたんで……」

 

課長と女性の板挟みで、苦し紛れのウソをつく板橋。

それが気に食わない課長は、今度はダイエットに噛みつく。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『ダイエットだ? ナニ目的?

容姿気にしてるなら、まずはシャツ洗えよ!

お前、水の腐った臭いがするぞ!

自分で嗅いでみろよ!ほら!』

 

「えー? えー?(クンクン)」

 

そして課長は今日でやめる女性に、最後の仕事として板橋が臭いから空気清浄機5台注文してと言って笑った。

それに合わせて愛想笑いをする板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「ハハハハハ。 ハハハハハハ。

ハハハハハ。」

 

板橋が笑うのが気に食わない課長。

 

『お前、ナニ笑ってるの?』

 

「い…いえ……」

 

『自分のコト客観視してみろよ!

俺がお前ならハズかしくって会社に来れねーぞ!!』

 

板橋はどんな顔をしていいかわからず、愛想笑いが張り付いたままでいたら課長が追い打ちをかける。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『だからナニ笑ってンの?

こっちが忙しく外回りしてる時に、お前ずーっと机に座ってるだけだろ?

お前食わすために仕事したくねーよ! 会社辞めてくれない?』

 

神妙になる板橋。

 

この場面だけを切り取ると課長にいじめられる可哀そうな板橋だが、相応の理由がある。

『会社辞めて』はパワハラに抵触するので、ギャグとしてゴマかしつつ、板橋の罪を思い起こさせる課長。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『遅刻やミスが多くてほとんどの病院(営業先)から出禁くらってるから、

仕事がないのはしゃーないやろー!

とか言ってみろよ、板橋!!』

 

これまでに課長は板橋のせいで何度も頭を下げたり、課の営業成績のフォローもしたのだろう。

20代は伸びしろがあるから子供っぽいミスも愛嬌で許される。

 

だが30代は周囲から大人としての行動を求められるので、板橋の子供性は許されなくなった。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

会社は家庭のようにゆっくりと板橋を育てる時間などないから、板橋に反省の強要をする毎日だった。

問題の原因である人格気質に焦点を当てずに、ただ反省させると人はどうなるか?

 

人格を否定された反発で、大人でもグレる。

 

グレる板橋

 

課長に怒鳴られた帰り、コンビニに立ち寄る板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

レジに若い女の客が居て、少しだけテンションが上がる。

 

女性に軽自動車のようなバックモニターがついていればわかるが、男は必ず前に立つ女性の後ろ姿をチェックしている。

関連:まいたんの体型

 

エロい目線とは、男が無意識の内に自分の子を産ませるのに適したメスかを見る本能だ。

だが板橋が近くで女の顔を見ると、服装に反して若い女ではなかった。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『あれ? あれ?

サイフ サイフ。』

 

レジでなかなかサイフが出せない女性に、大声でキレる板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「うらぁ!! 遅ーよォ!!」

 

(ビクッ)

 

「サイフ用意してからレジ並べ! バカ!!」

 

板橋のグレかたは雑食動物みたいに、自分がケガをしないよう弱そうな相手に強く当たる。

コンビニや役所で騒ぐ奴は、大体板橋みたいなのが多い。

 

『ナニよォ~~~』

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「若ー(わけー)のかババァなのか紛らわしい恰好してんじゃねェーぞ!! ババァ!!

お前はババァだ!! ババァ!!」

 

自分が勝手に若い女と思っていたくせに、期待を裏切られた不満もぶつける板橋。

ただの罵詈雑言なので、コンビニの店員に注意される。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『お客さん! ほかのお客様の迷惑なので

大声出さないでください』

 

「ナニっ!?」

 

『ナニ?』

 

自分より大きくて目が座った店員に威圧されると、途端に弱くなる板橋。

商品を買わずに出ていってしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「ううう。

こんなクソコンビニ二度と来るか――!! バカ!!」

 

別に板橋のような客が来なくても、コンビニに打撃はない。

むしろ板橋のような底辺が、生活圏内で行けるコンビニが減るダメージの方が大きい。

 

インフラが乏しい底辺の人間こそ、キレてはいけない。

ヤンキーは心が狭い

 

精神が壊れている?

 

板橋が小堀と駅の券売機に並んでいると、モタつくおばあさんに遭遇する。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

ノロノロ

『あれ? あれ?』

 

おばあさんが券売機にお札をいれても、戻ってきてしまった。

誰にでもある事だが、板橋はそれを見てブツブツ言う。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「バカか? 死ね!!

遅ェよ!

とっととどけよ! ババァ!!」

 

小堀が板橋のひとり言に気が付く。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

『え?ナニ?』

 

「え?何が?」

 

板橋は自分のひとり言を認識していなかったようだ。

無意識に出るひとり言は、統合失調症の前兆の可能性がある。

 

子供の板橋は大人の社会のストレスに耐えられず、精神が崩壊しつつある。

 

グレた子は家出の発想をする

 

板橋は、何だかんだ面倒見がいい小堀を居酒屋に呼び出す。

営業成績で悩む小堀が少し弱音を吐くが、板橋は子供だから受け止めない。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「小堀。お前はいつも自分の話ばっかだな……」

 

『えっ! ゴメン!

お前、話があるって言ってたな! ナニ?』

 

板橋の方が自分の話ばかりなのだが、大人の小堀は飲み込む。

すると、板橋が突飛な事を言い出す。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「俺、会社辞めて小説家目指すわ!」

 

『は?』

 

「イソップって作家知ってるだろ?

あいつ、ギリシャの奴隷で、金貯めて自分を解放して本を書いたんだ。

俺もサラリーマン辞めて、自由を手に入れて本を書くぜ!」

 

板橋は医療機器メーカーの営業で、今まで本を書くような前歴は何もない。

第一、板橋は行動を抑えられない気質だからチマチマ文字など書けない。

 

板橋が客観的な視点で自分を見れば、気質やキャリアの延長線上にある仕事に転職するはずだ。

だが子供性が高い人は思考回路が分断されているから、飛躍した発想をする。

 

だから板橋タイプの男は、職歴がデタラメなほどに転々としている者が多い。

下積み無しで、いきなりラーメン屋をはじめて3ヶ月で潰すタイプだ。

 

心の声が止まらない

 

板橋が出会いカフェで買った援交女が、整形の話をしている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

『先週顔いじった! 稼いだ金 全部整形に注ぎ込んじゃったよォ!!

目も、もう1回いじろう。』

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「改造人間め!」 ボソ…

 

これは幸い聞かれずに済んだが、女がホテル前に来て

 

『じゃあ、先に2万ちょーだい。』

 

と言うと、板橋は思わず心の声が出てしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「やだね。」

 

『え?』

 

ふと我に返り、慌てて冗談という事にしてゴマかした。

発達障害や統合失調症は言葉を抑制できないから、不用意な一言で問題を起こしやすい。

 

こうして板橋はどんどん、社会性を失っていく。

 

駅で叫ぶ人

 

無意識の暴言はエスカレートしていき、小堀と電話で話している途中

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「お前のくだらねー愚痴を聞いてると、

ますます自分が無意味な人間に思えてくるぜ。」

 

『え? ナニ?』

 

ついコントロールできずに本音が出てしまい、正気に戻る板橋。

 

「ゴメン ゴメン。 なんでもない!!

今度また飲みに行こうぜ。」

 

板橋は段階的に気が触れていく途中で、こういう暴言で数少ない味方さえ失っていく。

孤独を恐れる子供の板橋は、人が離れていくといよいよ壊れていく。

 

朝の通勤時間に人身事故で電車が止まった駅で、小堀が板橋を見かける。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん12巻」小学館

 

「お――――い!! お――――い!!

ふざけるな―――!! バカヤロ―――ッ!!」

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん12巻」小学館

 

「F・U・Z・A・K・E・R・U・N・A

ふざけるなァー!!!」

 

と、駅員に暴言をぶちまける板橋。

 

「俺の時間どうしてくれるの!?

大切な商談に遅刻したら数億円分の損害だよォ!? え!?

今すぐ電車出せよ!? 出来ねーならタクシー代よこせ!! コラッ!!」

 

板橋は自分が課長に言われた事を、駅員にぶつけて解消している。

大人にあるはずのうっぷんを溜める袋が無い板橋は、自分がされた事を誰かに転嫁しないと処理できない。

 

小堀は他の乗客たちが板橋を嘲るのを聞きながら、遠巻きに見ている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん12巻」小学館

 

『あーゆーバカも最近多いよな。』

『あんな小汚い奴が数億円の商談って… 盛り過ぎだろ。』

 

(板橋……)

 

自由な子供性とは何なのか?

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

自由な子供性の話はまだ続く。

 

板橋の一部を見て、なぜ行動や先の人生がわかるのか?

先ほどから『自由な子供性』『父性』という軸で板橋を見ているが、これは気質を診断するエゴグラムというテストからきている。

 

本来は本人にテストをさせて診断をするが、本サイトでは行動を読む事で診断を行っている。

この手法は、実務での実績がある。

 

 

5つの気質の内、板橋の行動から顕著な特徴として読み取れるのが、『自由な子供性』の高さと、『厳格な父性』の低さだ。

 

『自由な子供性』が高いと、行動力・好奇心・わがまま・感情的といった特徴が出る。

だが板橋で特に問題なのが社会的成功を得るのに重要な、『厳格な父性』が低いことだ。

 

『厳格な父性』は責任感・リーダーシップ・向上心・規律に関係していて、板橋の無責任さは『厳格な父性』の低さをあらわしている。

 

借金取りが苦労するのは、『厳格な父性が低い』者は自堕落でよく金を借りてくれるが、約束の概念が薄いので返済もまじめにやらないところだ。

 

気質の高低の組み合わせにより、板橋の行動が予測できる。

例えば板橋はどうしても期日をオーバーする上、言い訳が口をついてでてしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「え? もう月末ですか?

自分の体内時計では

まだ先の話だったので。」

 

こんな無責任な事を怖いウシジマくんに言うのだから、課長にはもっとふざけた事を言っていただろう。

特に時間と金にルーズだから、わたしなら板橋に経理や工程管理の仕事はさせない。

 

もっというと責任の概念が薄いので、役職を引き上げる事も難しい。

余りに適当だから周囲は板橋に強くあたるが、その場面だけを切り取られるとパワハラのように映るので、それも板橋との付き合いが損をする理由だ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

本人も責任が増す出世に興味はなく、いつまでもプレイヤーしかやらないので、歳をとり体力が低下する分だけ仕事ができなくなっていく。

 

自由な子供性だけを頼りにしている人は、体力の低下と共に強みが失われていく。

 

この分岐点は大体35歳くらいだが、不摂生で老いが速い板橋は33歳でリストラされかけている。

父性の低さに関しても色々あるが、長くなるので別のページを参照してほしい。

 

ダメな人を見抜く方法
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板橋の論理性に関しては小堀と同じ会社に入れたので、中程度の私大あたりだろう。

偏差値35というわけではないが、それほど高くないのは独りに耐えられない所から読み取れる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

エゴグラムでは論理性は、大人性という気質に属する。

高いほど一人の時間を楽しめるし、思索をしたり情報収集を好む。

 

ただ高すぎると他人に無機質で冷たい印象を与える。

 

あなたが身の回りの人を見抜く時、その人がどういう行動選択をするのかチェックしてみてほしい。

どの気質を使っているのかを見る事で、本人さえ知らない本性が浮き彫りになっていく。

 

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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

脳汁の誘惑に弱い人

 

脳汁とは気持ちがいい時に出る脳内物質ドーパミンのことだが、これは性的なことやギャンブル・酒などで分泌され、常態化すると依存症になる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

子供性により好奇心が強い人は、こういう脳汁が出る遊びに首を突っ込みやすい。

その時にギャンブルで大勝ちしたり、ストレスが吹っ飛ぶ経験をすると脳汁中毒の板橋のようになる。

 

▼痴漢も脳汁中毒だからやめられない

 

経験を重ねる前の人間の気質は、遺伝と家庭環境で形成される。

では、板橋の親はどういう気質だろう?

 

板橋が父親について語っている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「俺の親父は、土建屋の社長だったんですよ。

親父は俺にサラリーマンにはなるな。

事業主になれって言いました。

サラリーマンは搾取される一方で、金にならねェ。

搾取する側になれって……」

 

土建屋は現場仕事や属人的な折衝など、気質としては自由な子供性を使う場面が多い。

社長という事もあって一定の『厳格な父性』があるだろう。

 

だが子供に『搾取する側になれ』と言うのは、正義感にも関係している『厳格な父性』がそこまで高くない事をあらわしている。

 

板橋の父親は、恐らく儲けた分をキャバクラで遊んで浪費してしまうような父親だったのだろう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

そういう経営だから、バブル崩壊と共にあっけなく倒産してしまう。

母親については出てこないが、両親ともに既に他界している。

 

両親が年老いて背が丸くなるのを見たら、板橋の子供性に変化があったかもしれない。

だが親も妻子もいない板橋は、中学の林間学校の延長のような生活を送っている。

 

金を盗む板橋

 

父性の低い男は、金銭に困ると葛藤もなく犯罪に走りやすい。

整形狂いの援交女がシャワーを浴びている間に、女のサイフから金を抜き出す板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「テメェはもうこれ以上 改造してもムダだ。

あとは崩れていくだけの人生だ。

この金は俺がもっと有効利用してやるぜ!」

 

板橋の盗みはエスカレートしていき、プレイを装って女に目隠しと緊縛をして金を奪う。

店に所属している女だからヤヤこしい事になるかも知れないのに、女を放置してホテルを出てしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

「バカ女め! 売春婦がどうなろうが

誰もなんにもしてくれねーっつーの!」

 

以前までのどこか憎めない板橋とは違い、救いようのない小悪党になっていく。

付き合う相手も会社や小堀から、怪しい人間に変わっていく。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

『板橋、ちょっと小遣い稼ぎしてみるか?』

 

闇金のウシジマくんは、金貸し以外にも色々な案件を持っている。

そのどれもが10万円を得ると、後に70万円分くらいの災厄が降りかかるようなものばかりだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

『いいですか? あなた方も、非常に面倒なコトになりますからね。』

 

 

信用できない板橋

 

以前の板橋の身勝手さは子供のワガママだったが、だんだん擁護できない自己中心性を帯びてくる。

小堀の不在中に家に行き、嫁の結子と話した帰りの板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

(結子の奴、俺に気があるな!

小堀とはご無沙汰みてーだし、今度、俺様がGスポットと究極の性感帯ポルチオをせめまくって失神させてやる!)

 

友人でもあり金を借りている恩がありながら、小堀の嫁にこんな欲望を抱いている。

これは妄想ではなく、板橋の気質の組み合わせなら8割以上本気でやろうとしている。

 

犯罪は魔がさしてやるのではなく、気質による必然性がある。

 

 

新しく作った仲間

 

板橋はセコい悪事をする仲間を探して、闇スロット店で蛭谷(ひるたに)をスカウトした。

知り合う人間のランクは、知り合った場所のランクに比例する。

 

蛭谷は板橋よりやっかいな男で、5万円のギャラが足りないと言い出す。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

『あと50万円よこせ!!』

 

「え!?」

 

『「え!?」じゃねェぞ、コラ!! 払えンだろ?

断ったらお前が一番困るコトしてやる!』ニヤニヤ

 

右肩下がりが止まらない板橋の人生。

 

いじめられる板橋

 

何度も蛭谷に金をせびられ、鍵でコメカミをグリグリされる板橋。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん12巻」小学館

 

『おいっ!! コラッ!! イタバシッ!!』

 

「イタタタタタタタ……」

 

板橋は会社で課長に嫌味を言われるだけだったのが、付き合う相手が不良や闇金ばかりになって、小突かれたりカツアゲされるようになっていった。

 

そして家では、ウシジマくんにそそのかされて別の闇金から借り逃げした分の追い込みに怯える日々。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん12巻」小学館

 

そんな環境でも一つだけ板橋に感心する事がある。

電気もガスも止まった部屋で、即席めんをかじって水で流し込み

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん12巻」小学館

 

「冷やしラーメン。」

 

と言って食べてしまうたくましさ。

林間学校でハメを外す中学生みたいな、デタラメな生活。

 

食事が終わると電気が止まっているので天井を眺め、ウシジマくんを振り切って沖縄に飛んで、可愛い娘と泡盛を飲む事を夢想している

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん12巻」小学館

 

「フフフ。 なんとかなる!

なんとかなるぞ。」

 

だが板橋はたくましいのではない。

行動の結果が予測できないから怖さを感じないだけで、人生が詰む選択をして爆弾を抱えている。

 

そして、その爆弾を近くの保護者に回す。

板橋が転落した理由

 

板橋は転落人生のキッカケを、営業で出入りしていた病院のドクターに勧められた株で大損したからだと言う。

 

ドクターに気に入られようとして株を買って損をして、借金返済に追われて仕事でミスを連発して干されたのだと。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

テレビしか見ない者は、本当にこういうキッカケで誰もが転落人生を歩むと思っている。

だが株は引き金に過ぎず、本人が引き金を引かない限り転落などしない。

 

板橋の人格気質では『投資は自己責任』などと考えず、都合よく自分が儲かる事を想像したはずだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

『大丈夫大丈夫、やってみろよ。金がいるんだろ?』ニッ

 

「ヒヒ・・」

 

板橋が30代で転落した原因は、子供性だけが突出している事にある。

この気質は運動や芸術関係の人間が優位な事が多い。

 

だからアメリカで引退したスポーツ選手は半数以上が5年以内に破産するし、歳をとったシンガーソングライターはヒット曲が出せなくなる。

小堀が持っている写真の中に、10年前の板橋が写っている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん12巻」小学館

 

この頃の板橋は行動力と体力のバランスが取れていた。

何をやっても結果を出しやすかったから、ここで生き方をシフトしていけばよかった。

 

だが板橋は責任を避け、子供性の気質だけを頼りに行き当たりばったりの人生を選んだ。

楽な選択肢を選び続けた結果、30代で必須の大人の気質が全く育たなかった。

 

人物を細かく観察していれば、いつどのような形で終わっていくのかが見えてくる。

子供の板橋は破滅する時、必ず誰かを道ずれにしようとする。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

『連帯保証人は誰にするンだ?』

 

都合よく生きている人間は、『一度知り合ったら最後まで面倒を見るべき』というのを正しい事のように喧伝する。

良心がある人間ほど、ダメ人間との関係を絶ち切れずに悩む。

 

だが付き合う相手は、自分のライフステージによって変えるのが自然だ。

友達は一生ものではない。

 

現実の大人子供

 

板橋は写真を撮る時に、つい変なポーズをとってしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん12巻」小学館

 

実在の人物で文部省の事務次官でありながら、出会いカフェに多い時は週3で通っていたおじさんがいる。

そのおじさんはアイコンに使う写真で、まるで子猫のように首をかしげている。

 

 

彼らはつい、こういうポーズをとってしまう性質なのだ。

 

文部省でありながら出会いカフェはけしからんと社会にツッコまれると、毅然として

『女性の貧困調査のために通った』

と言い放った。

 

だが結局は辞任する事になる。

言い訳も板橋そっくりだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん11巻」小学館

 

ウシジマくんに登場する人物がいかにリアルで、人格的に矛盾がないかがよくわかる。

ウシジマくんの洞察力
▼ ▼ ▼

人を見抜く方法

おじさん
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