中年会社員くん編より
真面目に生きてきたが、いつも貧乏くじを引かされる中年会社員。
ヒゲが青々としている。
濃い体質なのだろうが、無精ひげと思われがちで損をする。
不器用な彼が救われるような事はあるのだろうか?
真面目なだけでは生き残れない
同期の中年社員の加茂と同じ、一流メーカーに勤めている。
しかし、加茂が部長に曾我部についてある事ない事を吹き込んで評判を落とした。
更に人事考課ファイルも改ざんし、曾我部を追い出し部屋に追いやった。

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん29巻」小学館
曾我部がもう少し器用に立ち回ったり、部長に気に入られる人懐こさがあれば、追い出し部屋は回避できたかもしれない。
真面目で実直というのは、堅苦しくて人から煙たがられる場面が多い。
追い出し部屋の陰湿さ
通称追い出し部屋だが、まさか会社で大っぴらにそんなものは設置できない。
だからキャリア開拓部というそれらしい部署名がついている。
やっている業務は一日中、ネットで職探し。
そんな作業でも一流メーカーだけあって、年収は1千万円。
減給にもそれなりの理由が必要だから、ひたすら不毛な作業をさせ続ける。
解雇も一方的にはできない。
そういう歪みが追い出し部屋という陰湿な空間を生む事になったのだ。
これに耐えられるのは並大抵の精神ではない。
毎日毎日、自分の人生の時間が無意味だと思わされるのだ。
真面目で我慢強い曾我部は耐えている。
会社に居場所がないのは、昼食の風景を見てもわかる。

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん29巻」小学館
雨が降る公園で傘を被りながら弁当を食べる。
食べ終わってもまだ昼休みで、針のムシロの会社には戻れない。
子供の遊具の並ぶ公園で、雲梯にしがみついている。

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん29巻」小学館
「むんばっ!!」という異様な掛け声は、耐え忍んで会社にしがみつくという決意の声に聞こえる。
責任感から退職できない

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん29巻」小学館
自宅で一人、壊れかけている曾我部。
ここまで曾我部が会社にしがみつくのも、家庭を持っているからである。
こういう真面目な人は責任感も強いので、自分が壊れても責任を果たそうとする。
奥さんも曾我部に敬語を使うような人だ。
嫁選びでも真面目な曾我部の性格が出ている。
子供は不幸にも、出産時に亡くなってしまったようだ。

真面目な人は救われるのか?
そんな曾我部に救いの手が差しだされる。
年下で早期退職した、元同僚の服部が起業した会社に曾我部を誘った。
曾我部は家も売り、服部の会社に移る事にした。

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん29巻」小学館
気分も晴れやかに、加茂に退職を伝える曾我部。
だが、真面目にやっていれば救われるという理想は、リアルなウシジマくんの世界では通用しない。
服部の会社は小さなレンタルオフィスに開いた会社に過ぎない。
ゆとりのない脱サラ起業者らしく、服部はワンマン経営で会社はブラック企業。

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん29巻」小学館
曾我部が救われる日は、まだ先になりそうだ。
社員側に問題がある場合も▼
