職場の女が派閥を作る理由

派閥 おばさん

サラリーマンくん編より(10~12巻)

 

若い派遣社員「すみません、この伝票どうやって入力するンでしたっけ?」

 

正社員のおばさん「前に一度教えたでしょ?派遣の人と違って私、忙しいンだからーー!! もう知らないわよ!!」

 

社員と派遣は派閥が違う。

派閥同士は、常に小さな衝突を繰り返す必要がある

職場の女は対立する

サラリーマンの小堀の友人、町田は生命保険会社の課長だ。

かなり疲れている。

 

町田が30人の女をまとめる立場であるのを知ると、小堀が励ます意味も込めて

 

「へー 女に囲まれて楽しそーじゃん。」

 

と言うと、町田の態度が変わった。

 

女なんてみたくもねーよ

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

「女なんて見たくもねーよ!」

町田の感情があふれ出す。

 

「正社員と派遣がそれぞれ派閥作ってよォ。

俺に好き勝手なコトばっか言ってくンだよ!!」

 

職場の女は派閥を作る

こういう話題が出ると一般的に

 

『男だって派閥をつくる! キィィィーッ』

 

という金切り意見が出て、考察は深まらない。

 

男も派閥を作る時があるが、目的は明確だ。

会社の利益に対して自分のやり方が正しいと思う時、その方向性に持っていくために派閥を作る。

 

男の集団行動は、マンモスを狩っていた頃に起源を持つ。

共に命がけの狩りをし、それゆえに方法を巡ってぶつかりもする。

 

どちらか一方が生き残って、凄惨な派閥抗争は終わりを迎える

しかし女は、派閥を作ること自体が目的になっている

 

男が狩りに行く間、女たちは輪になって相互を守っていた。

そこでは協調性が必要で、常に『私たちは仲間ね』という確認作業をしている。

 

外部に敵がいると一致団結するが、いない時には内部に敵を作る。

個人ターゲットや他の派閥を敵にして、味方の派閥内の結束を確かめ合う。

 

女はひくことを知らない

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「女どもに、

言ってるコトが間違ってるって指摘してもよ、

女は自己主張強くって聞く耳持たねーし、引くコト知らねーだろ?

タチが悪ーンだよ!!」

 

女が相手を味方かどうか確認する方法は、自分の言う事に同調するか否か

町田の正論など、どうでもいい。

無条件で賛同を求める。

 

特に他人の悪口という後ろめたい事に同調してくれると、仲間意識が強まる

だから女同士の派閥間の抗争は、陰湿で終わりが見えないものになる。

 

女とランチに行かされる

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

「毎日それぞれの派閥から

ランチ誘われて、くっだらねー話に

付き合ってンだぜ!?」

 

女は話の内容など、どうでもいい。

くだらない話であっても、それに迎合するかどうかで仲間意識を確認する、儀式を行っているのだ。

 

長時間、中身のない会話でも途中退出は仲間意識に水を差すので、抜けた人間の悪口が始まる。

派閥を維持するために、常に仲間意識の確認を必要としている。

 

女の派閥争いの中で、男一人の町田はビーチフラッグのように翻弄される存在だ。

手中に収める事で、派閥内の皆で協力した成果と感じたい。

もし町田が、両方の派閥に厳格な態度で臨んだらどうなるか?

 

両派閥は休戦し、全ての女の敵である町田一人に敵意を向ける。

保険会社の管理職の町田が全員を敵にしたら、会社から管理能力不足と処分される。

 

職場の女同士の関係がこじれていたら距離を置くのが正解だが、仕事では逃げようがない。

終わりのない不毛な環境に追いつめられ、町田の精神は壊れている。

通行人の若い女が

 

キャハハと笑う女

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん10巻」小学館

 

「キャハハ。」

 

と笑っただけで、ビクッとする町田。

 

「あいつらマジで死んで欲しい…」

 

完全に女がトラウマになっている。

普通はショックな出来事があってトラウマになるが、毎日ジワジワと追い詰められた町田はトラウマを抱えた。

 

ジワジワと練り込まれたトラウマは、恐らく一生ものだ。

 

関連:女同士のめんどくさい付き合い

 

男の威を借りる女

獅子谷甲児と那奈

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん43巻」小学館

ウシジマくん編より(39~46巻)

 

チンピラの肩に隠れて

「あいつヤッちゃいなよ」

と言う女は昔から居た。

 

男の威を借りる女にも、派閥に似た一体化の構図が見えてくる。

境界性人格障害というものがある。

 

自分と他人の境界を感じられない人の事だ。

女の割合は、男の3~4倍と言われている。

自分と他人の線引きができず、相手の全てが自分のものだと思う。

 

例えば高収入の男と結婚したら、その男の能力が自分のものだと一体化して考えてしまう女。

そういう一体化の度合いが病的なまでに高まったのが、境界性人格障害だ。

 

そこまでいかずとも気質的に、他人の威を借りる体質の者が多い。

半グレの獅子谷甲児とその情婦、那奈(なな)。

 

ウシジマくんが届けてくれたスマホケースが違うと、その場で文句を言う。

 

文句を言う那奈

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん43巻」小学館

 

「これ違ーう。

私が頼んでたのコラボのやつだよ。」

「期間限定ショップにあるから

並んで買ってきて。」

 

お礼を言う前に、開口一番で文句を言う。

男の威を借りる時、女のワガママは増長する。

 

男の力を自分が拝借して使えるかどうかで、男と一体化できたか確認をしている。

女は常に、味方かどうかの確認をして生きている。

 

男はどちらかが倒れる激しい衝突を起こすが、女は決定的な衝突は回避して生き延びる。

生存本能は女の方が強い。