ヤクザくん編より(33巻~36巻)
コンビニ前にタムロする、ガラの悪い連中の正体と目的。
中途半端な小悪党は、本物の悪に食われる。
一般人にちょっかいを出す理由
小悪党は必ず群れでコンビニの前にタムロする。
入り口付近に陣取って、他の客をジロジロ見る。
何でコンビニかと言うと、居酒屋より安いから。
稼ぎは少ないが仲間と一緒に居たいとなると、コンビニ前に集うしかない。
仲間というか、社会から落伍した同士で一緒に居ると、同病相哀れむのと一緒で安心する。
コンビニに来るカップルにタバコを投げつける。
相手がやり返さないのを見越して、一方的におちょくる。
社会から落伍した人間にとって、社会に踏みとどまって頑張っている人は嫉妬の対象だ。
ちょっかいをだしてバカにする。
いつも社会に劣等感を抱いているから、社会人たちをバカにして自分より下と思う事で、自尊心を満たそうとする。
自分が向上するのではなく、他人を引きずり落とす生産性のなさ。
だから底辺域に生息したままになる。
たまに食ってかかられたら、お決まりのヤクザの知り合いをチラつかせる。
「今から事務所に電話して、知り合いのヤクザ呼ぶからよ。
テメェ逃げンじゃねーゾォ!!?
ウリャッ!!」
学校の授業についていけなかったので、語彙が少ない。
だから「ウリャッ」とか「コラァッ」といったかけ声が多いのも特徴。
ヤクザにしてみれば、タムロする連中は街に仕掛けたセンサーみたいなもの。
小遣い稼ぎの道具になる。
そういえば、石塚ミノルもすぐに
「ヤクザの先輩に会う用事を思い出した」とか言う(笑)
自尊心の満たし方も他人に依存しているし、実力行使もヤクザ頼みという他力本願。
自分で何かをやる能力はない。
彼らがチラつかせるヤクザの知り合いも、潰れかかっている組の、更に下っ端の最上という者。
お金もない・実力もない。
だけど人並み以上と思いたいからコンビニ前にタムロして、一般人にちょっかいを出す。
そんな中途半端な悪党は、本物の闇の住人に食われる。
強い者には弱い
小悪党がコンビニ前にタムロしていると、その筋の人から恐れられている肉蝮さんが現れる。
ヤクザさえ食い物にしている肉蝮さんに一撃で粉砕されて、ATMで有り金を巻き上げられる。
一撃と言っても、ここで書くのもはばかられるバイオレンスさ。
小悪党のレベルでは想像もつかない事を肉蝮さんは即やる。
ケガをしているのに、そのまま肉蝮さんにゲーセンに連れていかれてしまう。
真面目に生きても社会の底辺。
中途半端に悪党をしても、本物の悪党に食い物にされる。
彼らは実は、どちらの世界でも弱者なのだ。
立て板に水のように
「さらうぞ くらぁっ!」
とか、そういう言葉が出るのは、どこかで見聞きしたから出てくるに過ぎない。
自分から悪夢を生み出す、肉蝮さんのようなクリエイティブさは持っていない。
ウシジマくんを見ると、街をフラつく小悪党がいかに弱い存在かがわかる。
底辺にいて、歳をとるごとにステップダウンしていく。
這い上がりたかったら、コンビニ前でヤカラにタバコを投げつけられても我慢する一般人のような強さが必要なのだ。
他人に嫌な思いをさせて、相対的に自分が気持ちよくなるような思考では、いつまでも向上はできない。