ギャル汚くん編より(4~5巻)
中身がない人ほど、人脈を広げようとする。
有名な知り合いがいると、まるで自分がその有名人と同じステータスにいるかのように自慢する。
自分に何もないから、他人に乗っかろうとする。
すぐに
「〇〇さんと友達で」
と言ったりするが、相手は友達と思っていない。
電話帳のメモリがパンパンになるくらい知り合いがいても、困った時に助けてくれる人はいない。
そんな虚しい人の話。
イベント屋の中西さん
ジュンがイベントを開く際に、会場等を手配するイベント屋の中西。
ライブ会場側と打ち合わせをしたりするのだが、仕事の方法は明確に決まっていない。
中西はイベントサークル界隈によくいる、胡散臭い雰囲気を持った人。
ジュンがお金に困っていると、やたらと「信用」という言葉を使って説教をする。
信用がない人に限って、信用という単語を使いたがる。
まるでコンプレックスがあるかのようだ。
ジュンのイベントが盛況に終わると、次月の会場を売り込んでくる。
この売り文句が実に胡散臭い。
「キミの能力を見せてくれ」
「僕の周りの連中からもキミの評価がさらに高くなるぞ!!」
周りの連中だとか評価だとか、実体のない話をする。
胡散臭い人っていつも雲とかカスミのように、実体のない物を売り物にしている。
乗せられたジュンがやると言うと、大げさに
「キミと同じ時代に生きてるコトに感謝したい気分だ!!」
と言う。時代って。
こんなウソ臭い人物が、ジュンの人脈の一人。
広告代理店の上原先輩
ジュンの先輩で、広告代理店に勤める小太りの上原。
一応、イベントの協賛金を企業から集めるのだが、半分も取り上げてしまう。
ジュンのために動いているというより、ジュンのイベントをダシに私腹を肥やしている。
自分でもイベントを主催する。
そこでジュンに、若手の社長を色々と紹介してやると言う。
「人脈を広げろ」
と面倒見がいいように見せて、若い娘20人用意しろと要求する。
「俺に能力見せとけ」
と言って電話を切る。
結局は上原もジュンを女と金のタネとして利用しているのだ。
イベントが盛況に終わると、
「これからいろんな人脈紹介してやっから、上を目指せよな!」
こういう人が良く言うのが、上を目指せという言葉。
煽って焚きつけるんだけど、ジュンみたいな浮ついて空回りしている人間には、地に足をつけろというアドバイスが必要。
人脈を広げるとクズも集まる
人脈を広げていくと、とんでもないクズも集まる。
年齢不詳の男と、攻撃的不細工の二人。
年齢不詳の男は
「カワイイ娘 紹介してくれよな!」
と言う。
老けた顔をしているのに、恰好は若作りをしている。
いつまで渋谷という街にしがみつき、若い時と同じ生活にしがみつくつもりなのだろうか?
もう一人の攻撃的不細工は
「女とやれンでしょ?無理ウチしてェ!!」
と言う。
無理ウチというのは、酒に酔わせて無理矢理する性交のことだ。
不細工で、着ている服のファッションが似合わない。
雑誌の服をそのまま着ているかのような似合わなさ。
自分の顔に合った服を着ようとせず、カッコいい男が着るような服を着て同化しようとしている。
これだとトータルバランスが悪いので、顔の異常さが余計に目立つ。
だからモテないので無理うちしてェなどと言うのだ。
こんな人脈を作っても何ら意味がない。
むしろ知り合いと思われたらデメリットだ。
このクズ二人の顔のアップ。
年齢不詳の方は
「んんんん。」
という言葉が漏れている。
こういうダメなギャップがある人って、壊れた機械みたいに異音が発生している。
その音が「んんんん。」なのだ。
人脈だけ広げても意味がない
ジュンは気が付いている。
いくら知り合いが多く、ケータイのメモリーがパンパンになるくらい電話番号を知っていても、本当に困った時に助けてくれる人が居ない事を。
ただの知り合いでしかないのだ。
こういう薄い交友関係しか築けない人がいる。
知り合い程度であっても友達と称して、自分には友達が多いと思っている人がいる。
だから
「友達にすすめられてクスリをやるようになった」
とか、わけのわからない事を言ったりする。
友達というのは、そんなものを勧めたりはしない。
ジュンの広げた人脈も、ただジュンを利用するだけだった。
実力がある人物が、更に広い世界に乗り出そうとする時に人脈が広がる。
その人脈をコントロールして、自分のやり方を広げるのが本来の姿だ。
ジュンは逆にコントロールされて、皆の使い走りをさせられているに過ぎない。
便利な道具程度の扱いなので、お金はむしり取られるし、本当に困った時は皆が無視する。