ギャル汚くん編より
光に集まる蛾の如く、渋谷に吸い寄せられる若い女性たち。
渋谷はその名の通り、駅を中心にした谷になっている。
ちょっと前は、雨が降れば坂道に川の流れが出来上がる。
道はゴチャゴチャしていて、街全体がド〇キの店内のようだ。
それが、人生の先行きがわからない若者を引き付ける。
ワールドカップがあれば、渋谷に集まって暴れる。
ハロウィーンになれば、渋谷に集まって暴徒化する。
自分の地元でやるのではなく、渋谷でやる。
ウシジマくんでは、そういう人種を的確に描き上げている。
彼女たちの異常な発言

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん5巻」小学館
「夕焼けうける」
「ってかマジうける」
彼女たちにとって、夕焼けは何かの始まりなのだろうか。
雑多な渋谷の街は、昼から夜に趣を変える。
一般的な人生のルートから外れた人にとって、劣等感を抱く日中の姿を覆い隠してくれはじめる夕方はテンションが上がる。
その後も異常な発言は続く。
ウシジマくんの世界観は、モブキャラもぬかりがない
「待ち時間ムカツク」
「ってか待ち時間マジムカツク!」

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん5巻」小学館
「雨、マジ殺す」
「ってかマジ、ぶっ殺す!」

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん5巻」小学館
雨を殺すという感性はどこからくるのでしょう。
ストレートな感情表現などというものではなく、動物に近い。
いや、動物だって雨空に向かって吠えたりしないでしょう。
小鬼にしか見えないですが、心無いイベントサークルに群がる集団として、空ろな世界を表現しています。
虚無なイベントに集まる若い女性
どんな顔をしているのか見てみると、こういう顔をしている。

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん5巻」小学館
イケメン集団バンプスのイベントで熱狂している。
カラコンを入れる前に、もっと何かする事あるだろうに・・・
この顔の感じが非常にリアル。
どこか不潔感の漂う顔をしている。渋谷に無目的に集まる若い女性に多い。
顔が横に広くて、なんかパンパンで頬肉がせり出している。
油分も多そう。
そんな彼女たちが集まる事で、イベントがどんなものかを表している。
イベントサークルの代表には「ジュンくん」という声援を送るのに、雨にはぶっ殺す。
この対比。
彼女たちはこの感性ゆえに一般社会についていけないのか、それとも社会についていけなかったから敵意をぶつけているのか。
虚無なイベントに浸る事で現実を忘れているが、いずれは一般社会に戻らなければならなくなる。
彼女たちは果たしてこのイベントを3年後にもおぼえているのだろうか?
