病的に性格が悪いおばさん、ギャル代(よ)

ハデな服装のおばさん おばさん
出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

テレクラくん編(15巻)より

 

テレクラというのは、ネットが未発達の時代に電話で男女をつないでいたサービスだ。

新しい産業はいつも、性をベースに広がっていく。

テレクラは自由恋愛の場所だったはずが、質的にも値段的にも最底辺の素人売春の温床になった。

 

そんなテレクラで自分を売っているギャル代こと、吉永美代子(42歳)。

ギャル代の日常

テレクラのシステムは女性が電話をすると、テレクラ店にいる男性客が早い者順で受話器を取り、女性と会話ができるというものだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

女性が電話をかけると入れ食い状態で、ギャル代の売春の条件に男がすぐにのり、駅前で待ち合わせる話がまとまる。

最底辺の売春婦を買う男もまた、大して女の選択肢が無い男たちなのだ。

関連:風俗の客がキモい理由 

 

竹ノ塚駅前のオブジェの前に立つギャル代は、粗大ごみ置き場に捨てられた古い冷蔵庫に見える。

別に足立区に不要な大人を捨てる場所があるわけではなく、待ち合わせ場所に使っているだけだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

だが、ギャル代がいつまで待っても男が来ない。

「クソッ!!

また客にスッポかされた!!」

 

テレクラは男にとって『聞いて極楽、見て地獄』の標語通り、電話では女性に期待が膨らむが、実際に待ち合わせ場所に来るのは8割がオバケだ。

 

男たちは待ち合わせ場所に来た女性を遠くから見て、許容範囲を超えるオバケなら素通りする。

ギャル代は男に1万5千円(別途ホテル代が必要)の価値はないと思われたのだろう。

 

確かに彼女は1万5千円くらいの型落ちスマホより役に立たない存在だが、その現実をあからさまに突き付けられると面白くない。

売春が空振りだったギャル代は、消費者金融の無人機のボックスに入るが、そこでもイラついて出てくる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「クソッ!! やっぱ借りれねェーか!!

150万ぽっちで自己破産なんてしなきゃ良かったなァ……」

 

一度自己破産をすると10年くらいはブラックリストに載って、新たな借金ができない。

だがこういう人たちはダメとわかっていても、ばかみたいに何度も押しかけたりする。

 

これはたまに押しの弱い人がいて、自分の無理強いが通った成功体験があるからだ。

しかしそんなしつこさも、データベースで弾かれる消費者金融には通じなかった。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

将来にツケを回して生きてきた者は、担保となる将来性がなくなる中年で詰む。

人はいきなり貧窮するわけではなく、過去からの積み重ねで貧乏になる。

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人の心に糞尿をまき散らす

消費者金融で金を借りられなかったギャル代は、再びテレクラに電話をする。

彼女の行動は行ったり来たり無駄が多く、その積み重ねである人生も右往左往している。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「もしもし。ホテル代込みで1万円でイイよ。

どお?」

 

さっきはホテル代別で1万5千円でだったのに、今はホテル代込で1万円。

わずか30分でギャル代の値段は、手取り6千円まで下がってしまった。

42歳の女の価値は、サバの鮮度と同じくらい分速で落ちていく。

 

サービスエリアのトイレで小用を足すくらい、ササッとホテルでセックスを済ませるギャル代。

最底辺の男女のセックスは、排泄行為と変わらない。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

男のベッドの座り方の浅さに、欲望に負けて変な女を抱いてしまった後悔がにじみ出ている。

社会性がない彼らは相手の気持ちを汲めないので、女ならダイソンの掃除機くらい睾丸を吸引して、男なら削岩機のように突きまくるだけだ。

 

そんなAVのダイジェスト版みたいなセックスが終わって1万円を受け取ったギャル代は、礼を言わない上にこんな顔をする。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

人間の顔の表情は筋肉で動かしているから、いつも不機嫌な顔をしていれば、その表情が定着してしまう。

中年ならアンチエイジングで顔を整えるものだが、彼女は年々クソみたいな顔になるウンチエイジングをしている。

 

ギャル代は顔だけでなく、行動までも目が当てられない。

部屋の精算機にお金を入れたが、ドアが開くまでのタイムラグが気に食わない。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「とろい!! とろい!!

早く精算しやがれっつーの!!」

 

彼女は駅前でウロウロと無駄が多い行動をしているのに、他人に待たされると秒で我慢ができなくなる。

そんな光景を見せられて、足立区らしい粗雑な顔の作りをした客の男もこの表情。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

いたたまれなくなった男が間を埋めようとしてギャル代に話しかけるが、ピシャッと拒否される。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「客とダラダラしゃべってるヒマないンだわ――

ゴメンね――!!」

 

ドアが開くと一人でさっさと出て、怒っているかのようにドアをバタンと閉めてしまう。

こんな風にギャル代は、接した人の心に糞尿をまき散らすことしかできない。

 

パチンコ屋に急ぐ

ギャル代が街を走り回って金策をしていた理由は、ケータイを置いて場所取りしているパチンコ台でプレイを再開するためだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「朝から4万円も突っ込んでるンだ!!

この台は誰にも渡さんぞい!!」

 

パチンコは表向き、決まった確率で大当たりが出ることになっている。

だからパチンコ狂は金をつぎ込み続ければ、それまで投じた分が戻ってくると信じている。

 

ギャル代は朝イチから打ち始めて、金が尽きては売春で稼いで戻ってくるという、自転車操業(?)で打ち続けていた。

ガムシャラに鬼武者みたいな形相で打つギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「返せ!! 返せ!! 返せ!!

私の4万円返せェ~~!!!」

 

体を売って短時間で6千円を用意したギャル代だが、それ以上の早さで全額吸い込まれる。

貧乏な人はお金が稼げたとしても、それ以上に使い方が下手なのだ。

関連:お金の使い方がわからない人たち

 

パチンコ屋には”肉まんま”と”熟嬢”(じゅくじょう)という、ギャル代の顔なじみがいる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

歯がボロボロの肉まんまと、初老の域の熟嬢も体で稼いでいる。

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ニックネームで呼び合うグループ内で、いつもギャルの格好をしている吉永美代子は、ギャル代と呼ばれるようになった。

 

闇金から金を借りる

資金が尽きたギャル代は、休憩場所にいる肉まんまと熟嬢に金を借りようとするが断られる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

『友達での貸し借りはやめようって言ったじゃん。』

 

彼らは”友達”と言うが、この二人もギャル代と同じような人間だから、つるんでいても可能性は広がらない。

むしろ誰かが足を引っ張るから、一緒に居ても貧乏からは抜け出せない。

 

それでも弱者同士でつるむ習性があるのは、助け合いのためではない。

ライオンに襲われた草食動物の群れが、弱い個体を犠牲にして生き残ろうとするのと同じ理由で一緒にいるだけだ。

関連:女同士のめんどくさい付き合い

 

肉まんまらに借金を断られても、執拗に食い下がるギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「今回だけお願い!!

あと1万円でぜったいに出るのよォ‥‥‥」

 

そんな押し問答をしている所に、肉まんまと熟嬢に金を貸している闇金が来た。

あと1万円で大当たりが出ると信じているギャル代は、何のちゅうちょもなくお金を借りてしまう。

 

1万円で出るという根拠は不明だが、バカな人というのは、どの方程式を使ったのか見当もつかない答えを持ってくるものだ。

案の定、闇金で借りた1万円もすぐに吸い取られ、うなだれるギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

関連:投資に向かない人の特徴

 

再び売春で稼ぐギャル代

今日だけで何度目になるのか、またも駅前に行ってテレクラで客をとるギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

こういう人はあちこちを駆けずり回るので一生懸命生きているように見えるが、単に同じ失敗ルートを何度も行き来しているだけだ。

彼らは恐らく、バグって迷走して階段から落ちて壊れた、ロボット掃除機の生まれ変わりだろう。

 

今回も売春の条件はホテル代込みで1万円だが、ギャル代はホテル代の4千円を節約するために、自宅を使うことを思いついた。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「ほら、乗って!! 早く!!」

 

彼女は客の男を自転車の後ろに乗せて、団地にある自分の家まで運んだ。

デリヘルとも違うこのサービスは、ウーばばぁイーツとでもいうのだろうか?

 

電気もガスも止まった部屋でコトを終え、1万円を手にしたギャル代は、急いで場所取りしてるパチンコ台に戻った。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

だが席を外していた時間が長かったために場所取りは無効にされて、別の客が座って大当たりを出していた。

血の涙が出そうなくらい泣き叫ぶギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「どあ――っ!! どろぼ――っ!!!

どろぼ――っ!!! うわ――っ!!!」

 

制止する店員に子供みたいに喚きながら自分の場所だと訴えるが、キチガイ客の対応に慣れたパチンコ店員には通用しなかった。

損失を取り戻すためにギャル代ができる事は、自宅で客をとることしかなかった。

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パートに行くギャル代

いつも通りテレクラに電話をするギャル代だが、この日は変なおじさんに調子を狂わされる。

ギャル代が売春の交渉をしてもおじさんはノリが悪く、もうちょっと話がしたいと言う。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

おじさんは孤独な境遇をグチグチとギャル代に聞かせて、ギャル代が電話を切ろうとしても寂しいと言ってすがりついてくる。

精神年齢が十代で止まっているギャル代は、自分が面倒をみてもらう側だと思っているから、精神的なケアを求めてくる人が煩わしい。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「そんな話聞きたくねェ!!」

 

それに孤独についてはギャル代も考えないようにしているから、おじさんに孤独を意識させられると不機嫌になる。

この日のギャル代はもうテレクラに電話する気にならず、かと言ってこのまま家に帰りたくもない。

だから消去法でパートに行くことにした。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「気分悪っ!!

今日はマジメにパートに行くか‥‥‥」

 

ギャル代はレジ打ちのパートをやっているが、シフトは午後とか深夜~早朝だったりと不規則だ。

他に本業がないのにシフトの時間が不規則なのは、規則正しい生活ができないからだ。

 

シフトを遅くしてもなお、連絡なしで1時間遅刻して店長に怒られるギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

『吉永さん、ちょっと前に無断欠勤したばかりでしょ?』

 

ギャル代みたいなタイプが出勤予定をことごとく破るのは、単なるだらしなさよりもっと根深い、十代の頃から始まった反社会性によるものだ。

彼らは中学生くらいになると、テストで自分の出来の悪さを思い知らされ、勉強をやめてしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

皆と同じように授業を受けても遺伝や家庭環境の差により、どうしても理解できない子はいる。

自分の学力が上がらない彼らは、他の子の学力を引き下げれば良いと考え、嫌がらせや授業妨害をする。

これが周りと引きずり下ろして、相対的に自分が上になろうという反社会的な思考の目覚めだ。

 

皆と同じ社会性の中ではビリになる彼らは、真逆の世界でなら上位になれると思っているから、社会性の基本であるルールや時間を意地でも破る。

そして男子なら特殊詐欺や半グレに走り、女子ならギャル代のように素人売春をするようになる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

平気でパパ活をする女子に感じる薄ら寒さは、その根っこに我々とは真逆の精神構造をした、反社会性を感じるからだ。

彼らはお金にキレイも汚いもないと言うが、お金は稼ぎ方によって脳の報酬系がバグる。

 

いくらパパ活で稼いだ金で外見を整えようとしても、壊れた脳が醜い存在に変化させてしまう。

関連:ギャラ飲みする女、紗理奈の末路

 

彼らがゴミを散らかす理由

公園でギャル代がタバコをポイ捨てする場面が出てくる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

小さい事だと思うかも知れないが、そういうところほど人間性があらわれる。詳しく:第三章 観察をして人格の断片を拾っていく

 

一般的にゴミを拾う人の方が社会的地位が高く、ポイ捨てをするのは卑しい身分の者が多い。

自分だけがゴミにまみれた人生だと思いたくない者が、公共の場所を汚す。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

自分で幸せを作り出せない彼らは、汚して他人を嫌な気持ちにさせることで、相対的に幸福を感じる。

だから反社会的な人間は、積極的に他人に絡む。関連:コンビニ前でトラブルを起こす理由

 

逆に他人が幸せだと、相対的に自分の幸福度が下がるから不機嫌になる。

ギャル代の隣家の子供が一家団欒の中、雪を見て楽しそうな声を上げる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

するとギャル代は幸福な空気を打ち消すように悪態をつく。

 

「雪ぐれーでハシャぎやがって!

うるせーガキどもだ!!」

 

ヤンキーが祭りや式典を台無しにするのも、自分を置いて皆が幸福になっていくのが不愉快だからだ。

 

反社会性人間の日常

反社会的な脳のギャル代は、店長に遅刻を注意されても反省なんてしない。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

(ケッ!! 年下のガキのくせに、エラそーにしやがって。)

 

社会から落ちこぼれた人間は、悪態をつくことによって自分を守っている。

認知が歪んでいるから人並みにできない事が多すぎて、注意される度に反省していたら身が持たないのだ。

 

反社会的な思考の人間はズルをすることで人並みになろうとするから、勤務中にもいろいろと悪さをする。

ギャル代は食べたい弁当を選ぶと、防犯カメラから見えないよう荷物の下に隠して持ち去った。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

ゴキブリは逃げる時にIQが跳ね上がるそうだが、普段はバカなギャル代も弁当を盗む時には知恵が回る。

ギャル代くらいの年齢になると反社会的な脳は仕上がっているので、盗むことに罪悪感はないどころか、快感をおぼえている。

 

勤務が終わって盗んだ弁当を持ち帰りながら、時給が安いから盗んだという屁理屈をこねるギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「私の計算だと1日2千円分足らないから

”物”で回収してなにが悪い!?」

 

どういう計算をして2千円足らないのか、さっぱりわからない。

我々が反社の都合の良い考えを理解できないように、彼らも我々の常識が理解できず、両者は相容れない。

 

社会の底辺でくすぶっている彼らは、他人に注意されると千年恨み続ける

遅刻を注意した店長を逆恨みして、公衆電話から客を装ってスーパーのお客様相談センターにクレームを言う。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「客を客と思ってねェー最悪な接客態度だよ!!

どんな社員教育してるンだ、コラ――ッ!!」

 

帰宅途中にわざわざ電話ボックスに立ち寄って電話をする執念深さ。

自分が嫌な気分にされたら、相手にそれ以上の嫌がらせをしないと気が済まない。

ギャル代みたいな人間は、負の感情の増幅器としてこの世に存在している。

 

大声を出してスッキリして再び自転車に乗るギャル代だが、ビールを盗み忘れた事を思い出して腹を立てる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「ビール盗ってくるの忘れた!!

くそっ!! 自腹で買わなきゃなんねェーじゃん!!」

 

ギャル代は給料が少ない事を不公平に感じていて、盗む行為で帳尻を合わせるのは当然の権利だと思っている。

だが年収はその人の信用が数値化されたものだから、消費者金融の無人機にさえ信用されていないギャル代の年収が低いのは当たり前だ。

 

犯罪者を擁護する者は、『貧しいから犯罪を起こした』と言う。

だがそうではなく、貧しい時に奮起できず、短絡的に犯罪に走る頭だから貧しくなるのだ。

関連:脳の報酬系

 

家に帰りたくない

ギャル代はたまにパチンコで勝つことがあるが、そういう時ほど家に帰りたくない。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

家に帰れば否応なく自分自身と向き合うほかなく、無間地獄のごとき苦痛の時間だ。

ハニワのように中身が空っぽな彼らは、内面を掘り進めても虚無しか出てこない

そこでギャル代は一人でカラオケ屋に入り、夜通し過ごす事にした。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

机に酒や食事をいっぱい並べて爆音を浴びると、少しは気持ちが和らぐ。

内側から行動の動機がわいてこない彼らは、酒やパチンコなど外側からの刺激でしか人生を回せない。

言葉遣いが悪いギャル代

ここでヤンキーの定義の話になるが、昔ながらの喧嘩上等型ばかりではない。

例えば自堕落で高校を辞めてしまうような者も、反社会的な思考という意味でヤンキーに含まれる。

 

いずれにせよ、彼らの口が悪いのには理由がある。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

人は誰かを罵倒した時に、相手を下位に落とした喜びで脳内に幸福ホルモンが分泌される

一般人は社会的地位を上げることで幸福ホルモンを得るが、それが出来ない反社は罵倒ばかりする。

 

ヤンキー気質の人間が至る所で他人につっかかるのは、幸福ホルモンに中毒性があるからだ。

だが脳は同時に、自分が発した言葉でも汚い言葉に反応して、ストレスホルモンも分泌してしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

幸福ホルモンは習慣化された行動では殆ど出なくなるので、罵倒が癖になるとストレスホルモンばかり浴びることになる。

そのせいで脳の機能が衰え、ますます社会生活が上手くいかなくなる。

 

この現象はヤンキー以外にも見られる。

残念な人ほど、社会に手厳しい理由
バイトくん編(1巻)ほか 残念な人ほどすぐに 「人として最低」 などと、他人を全否定する言葉を使う。 自分の社会的地位が低い場合は、自分ではなく社会が悪いことにする。 彼らは自分のダメさをごまか...

 

性格が悪いギャル代

パート中にギャル代の近所の住人が万引きをして、スーパーのバックヤードに連れてこられた。

日頃から近所の誰とも仲が良くないギャル代は、ここぞとばかりに警察沙汰にすると脅す。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

ご近所さんは土下座をして許しを請うが、ギャル代みたいな人間は相手が土下座をすると、スイッチが入ってますます意地悪をしたくなる。

弱った者をさらに叩くのが、社会性とは真逆の思考回路をした反社会の特徴だ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「知らねぇ~よ。

言い訳はケーサツでしてくれる?」

 

人間の脳は他人の痛みに共感するようになっているが、ギャル代のようにヤンキーが腐った人間は、人が傷つくと喜びを感じる異常な脳をしている。

詳しく:第十章 不良少年の人間学『弱い人間を狩る』

 

その歪みが出るから、彼女の笑顔は邪悪なのだ。

ギャル代は自分だってスーパーから色々と盗んでいるのに、他人の万引きは全力で責める。

底辺の人間は自分が上位に立てるシチュエーションがあると、小躍りするほど嬉しくなる。

 

必死で土下座をする近所の女性に、同席した社員は注意だけで許そうとした。

しかし、ギャル代は社員を無視して勝手に通報してしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「もしもし— 110番ですか——

万引きの現行犯です。今すぐ来てくれますか。」

 

いつもは警察に悪態をつく側なのに、意地悪をする時はドミノピザを頼むくらい気軽に110通報できるギャル代。

卑劣関連:世の中にいても・いなくても問題ない大学生、中山

 

恐喝をするギャル代

売春相手の中から、買春を公にされたら困る客を脅すギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「とりあえず10万くれれば

買春のコトは黙っててあげるわ。」

 

体を売る側も犯罪だが、地位も名誉もないギャル代は逮捕を恐れる理由がない。

ギャル代が悪事を働くのは実利もあるが、他人が困っているのを見ると、自分は劣っていないと思えて心が満たされるからだ。

 

欠けた心を満たす行動は、アルコール依存症と同じでやめられない。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「私は平気。

失うものが無い人間は気が楽よォ~。」

 

この嫌な顔つき。

歳をとると歯並びが変わったり筋力が衰えて顔が変化していくが、ギャル代の場合はそれだけではない。

 

反社特有の人を威圧する顔のし過ぎで、表情筋にクセがついてしまったのだ。

このように中年の顔にはそれまでの人生が出るから、何とも嫌な顔つきの人間は、性格も嫌なものである。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

人の情念は時代が違っても大差はなく、ギャル代は江戸時代の幽霊画そっくりだ。

呪いなどのオカルトではなく、関わると命や財産を失う疫病神のような者は実在する。

 

他人を搾取してほくそ笑む習慣が、人を苦しめることで幸せな気持ちになる脳を作ってしまい、周りの人をみな不幸にする疫病神となる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

だが人間は相互扶助で豊かになっていくので、周囲の人を弱らせれば自分も貧しくなってしまう。

こういう人物は中年になる頃には、周囲の人間関係を焼き畑のように消耗し尽くしている。

 

関連:寂しい老後 金子のババア

 

娘も不幸にする

極度に社会性が低い人間は、社会の最小単位である家族関係も上手くいかない。

ギャル代は当たり前のように離婚をしているし、親子関係さえ上手くいかないから、18歳の娘の美奈は家を出て彼氏の家に転がりこんだ。

 

だが娘も社会性の無い家で育ったため、彼氏との生活がうまくいかずに家を叩きだされ、援助交際をしながら漫画喫茶で暮らしている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

こういう家に生まれた子は、閉じ込められた動物が暴れ回って助かろうとするように、家出をして活路を見出そうとする。

だが安全な住処をもたない女子は、すぐに性的に利用される。関連:まいたん【少女が家出をする理由】

 

娘の美奈が漫画喫茶で暮らしている事を言っても、ギャル代は

「だからなに?」

と、冷たくあしらうだけだった。

 

ギャル代みたいなシンママは子供を産んでもすぐに興味を失い、十代の自己中心性に戻る。

娘の近況を聞かず、自分が話したいことばかりしゃべるギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

ようやく娘の話を聞いても、こういう親子は会話のラリーの2ターン目には口論になる。

娘が自室のポスターを勝手に剥がされた時の話をすると、ギャル代はこんなオカルトめいた反論をする。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「ポスターと壁の間に悪い”気”が入るから、剥がしてやったのよ!!」

 

ヤンキー崩れの女にしばしば見られるのが、こういったオカルト思考だ。

他人との揉め事で得をする経験を繰り返すと、自分の人生の選択でも無意識の内にトラブルを引き寄せる方を選んでしまう。

 

本人は普通に生きてるつもりなのにトラブルばかり起こるので、何か不思議な力が働いていると考えるようになる。

これがヤンキー崩れがオカルトに走るメカニズムだ。

関連:占いに騙される女

 

人生の黄金期を捨ててしまう

ギャル代が貧しい理由は、若い頃に遡る。

勉強嫌いの女が確実に経済力を得るなら、水商売よりも有望な男との結婚だ。

 

男を魅了するなら卵子が多い若い時ほど有利で、ギャル代はこの黄金期に人生の基礎を固めれば、中年になっても安泰だった。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

だがギャル代みたいな女は強い初婚のカードを、遊戯王(カードゲーム)の初心者のごとく無駄に使い捨ててしまう。

そして唯一の拠り所であるセックスに飽きると、一緒にいる理由がないから離婚をしてしまう。

詳しく:第五章 男女の人間学『愛し合って結婚したのに、憎み合って離婚する理由』

 

時間を捨てる

ギャル代は人生の黄金期を無駄使いしたように、現在の時間も有効に使わない。

彼女いわく、残りの人生を考えたくないからパチンコで頭を真っ白にしているのだという。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「パチンコはいいわよ♡

なにも考えないで済むから」

 

彼女たちが考えられる未来のことは、カップ麺が出来あがる3分後までが限度だ。

そこから先の未来への備えは無く、その場しのぎで人生を進めていく。

安易な生き方関連:ギャル汚(男)の小川純【渋谷の若者】

 

男選びの目

反社会的な脳をしているギャル代は、同じように反社会的な男をイイと思ってしまう。

例えば今の情夫は、腐った目をした妻帯者の野村だ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

ギャル代はコミュニティに所属できるほどの社会性はないが、一人でいられるほど自立もしていない。

だから自分に寄ってくる男と、すぐにくっついてしまう。

中年は外見が衰えた分、精神性が自分とそっくりな相手と付き合う。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

つまりギャル代と同様に、野村もロクな人間ではないのだ。

ギャル代みたいな女はいつも「男運が悪い」と嘆くが、男選びの思考回路の問題なので、100回繰り返してもダメな男としか付き合えない。

 

案の定、ギャル代を抱いた後で借金を申し込む野村。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

『3万円貸してくれ!!』

 

前妻の子に必要という事だが、この話が本当だったとしても、ギャル代が助けるべきは自分の娘のはずだ。

 

だがこのテのシンママはいつも、自分を構ってくれる男を優先する。

ベランダから野村の後ろ姿を見つつ、ギャル代がつぶやく。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「やっぱ私は

男なしじゃいられない女だわ‥‥‥」

 

ギャル代は更年期の応援歌、竹内まりやの歌の主人公にでもなったつもりだろうか?

竹内まりやを聴けるのは、フラワーアレンジメントなど毒にも薬にもならない趣味を持った、余裕がある婦人だけである。

関連:歌の好みに出るパーソナリティ

 

女のデメリット

ギャル代の性根がひん曲がったまま、更生不可能な中年の年齢になったのは性別のせいでもある。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

セックスをさせてくれそうな雰囲気の若い女には、性格など関係なく男が寄ってきて媚びへつらう。

汚い言葉使いをするほど男が喜ぶのは、頭が悪くて簡単にヤレそうな女に見えるからなのだが、若い女はウケていると勘違いする。

 

娘の容姿から察するに、若い頃は外見が良かったと思われるギャル代は、他の女子に比べてアドバンテージがあったはずだ。

いろいろな男にアプローチされる自分の性格が悪いとは思わず、彼女はそのまま性格が改善しなくなる中年まで進んでしまった。

 

そこで男たちからひどい言葉を浴びせられるようになって、初めて外見だけで評価されていた事を思い知らされる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「テレクラで待ち合わせした人?」

 

『あ? 人違いだろ!!

気持ち悪ィババァだな。』

 

本当に人違いか品定めされて逃げられたのかわからないが、今のギャル代に媚びへつらう男はいない。

 

サバを読む女の心理

異性関係において、男は経済力を上げることで付加価値を付けられるが、女は外見ばかり比較される。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

女が貧乏な男を避ける時は、オブラートに包んでやんわりと素通りする。

だが男が女を避ける時は、これでも食らえと言わんばかりに平気でババァと言い放つ。

 

言葉の石つぶてで追い立てられるギャル代が、テレクラで10歳サバを読むのも仕方がない。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

(私なら

まだ30代でいけるな!!)

 

怪しげな生業をしている者は、年齢や名前といったアイデンティティ(自分は何者か)を、いとも簡単に捨て去る習性がある。

彼らは養子縁組などで名前を変えたり、偽りの年齢をプロフィールに書く事に抵抗が無い。

これは深層心理で、無価値な自分を捨て去りたいと思っているからだろう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

こういった年齢不相応な服装にも、アンバランスな人格があらわれる。

もっと詳しく:第四章 経歴によって人を見抜く(犯罪者とFC)

 

イライラが収まらない

ギャル代は基本的にイライラしている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

10代でグレてしまった子が、常にイライラしていて短気なのと似ている。

そういう子にとって複雑な家庭環境は常に不快だし、幼児教育がちゃんと行われていないから成長できず、2歳児と同じようにかんしゃくが抑えられない。

 

ギャル代が育った家庭も、そんなようなものだったのだろう。

中年の彼女の場合、月日を重ねてかんしゃくがエスカレートしている。

電車の踏切で待たされているギャル代。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

カンカンという音を聞いている内に、小刻みに震えだす。

そして、ひきつけをおこしたように目がイッて、特大のかんしゃくを起こす。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「ギョォオエエェェェェエ―――

キィイィウァアアァァァ―――」

 

電車にとっとと行けと言いながら、ガンガンと遮断機にケリを入れるギャル代。

彼女が自制の利かないバケモノになってしまった原因は、生まれながらの性質に加え、適応障害の可能性がある。

 

適応障害とは、ストレスに晒され続けることで情緒が不安定になる事で、メソメソ泣いたり不安に怯えたかと思えば、オラオラと攻撃的になったりする。

だが原因となるストレスに満ちた日々は、全て本人の選択の結果だ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

反社会的な脳で他人を陥れることに夢中になっている内に、自分が掘った穴に落っこちるのが彼らだ。

因果応報とは誰かに復讐されるのではなく、自分の頭が破滅を選ばせるようになるから起こる。

非行少年・少女が生涯にわたって不幸になるのは、幸福を選べない脳の病気のせいだ。