フーゾクくん編より(5~7巻)
Fランク大学に通っている男子大学生の中山。
一人一人、個性のある大切な子供として社会に扱われていたのが、大学生くらいになると箸にも棒にもかからない人間が出てくる。
明日いなくなっても、誰も困らない系男子の生態。
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世の中にいても・いなくても問題ない大学生、中山
中山は八の字眉毛に吊り上がった目。
潰れた不格好な鼻に、ゴリラ口という顔をした男子大学生。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
道化師みたいなふざけたニット帽のチョイスにも、他人との共感性の無さが出ている。
お腹を痛くする雑菌を擬人化したみたいな恰好など、普通の人が
(何か嫌だな)
と思うルックスを自然とやるので、誰からも好かれていない。
いつも大学の中では、後輩女子にしつこい粗野な同級生の朝倉について回っている。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
中山が人を正面からではなく、斜めから観察したりするのは非力で度胸がないからだ。
中山が人を見る時は、弱点を探すような狡猾な目をしている。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
人を『ジッ』と見ているが、ウシジマくんのように人を見抜くような目ではなく、風呂場を覗き見るような視線を送る。
頭が足りないのでFランク大学に通い、スポーツをする意欲もないのでUMA(未確認生物)同好会に入っている。
サークルの活動内容は、ヒバゴン談義兼飲み会とか冴えない内容。
しょうもないものでも、形だけでも華やかな大学生活にしたいのだろう。
Fランク大学は勉強が退屈な分、人間関係がめんどくさい。
卑劣だから生き残れた中山の先祖
人間が野生で生きていた時代、非力な者は生命を脅かされていた。
そういう非力な人間が生き残る術は、肉食獣に追われたら自分より弱い者を犠牲にする事だった。
中山のような闘う力がない人間が生き残るには、身代わりで犠牲になる他者が必要なので、群れにすがりつく生き方をする。
こうやって生き残った卑怯者の遺伝子が、中山に受け継がれている。
そんな彼は前面に出ず、強い者の陰に隠れるようにして大学生活を送っている。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
「中山、メシ行くべ。」
「うん。」
同級生のはずなのに朝倉より下にいる事に不満を抱かないのは、下についていた方が生存の可能性が高いと知っているからだ。
肉食動物が出たら対峙するのは朝倉で、その陰に隠れれば生存の可能性が高い。
中山のように卑劣な者は、自分が生存できるポジション取りに心を砕く。


自分の代わりに生贄をだす

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
「学食賭けて腕相撲やるべ。
カツカレー大盛りな。」
朝倉に恐喝同様の腕相撲をさせられそうになるが、自分の意見を言う度胸も頭もない中山は
「えー!? えー!?」
としか言えない。
卑劣な弱者はこういう時どういう行動をとるのか?
自分より弱い人間を生贄に捧げる。
朝倉がしつこく迫っている後輩の女子、葉山(モコ)の事を朝倉に報告する。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
「あの…
朝倉くん。葉山のコトでちょっと気になるコトがあるんだけど……」
この下卑た顔つきは、1代や2代では仕上がらない。
先祖代々、ゲスで生き残ってきた家系なのだろう。
もっと詳しく:『人を見抜く方法』第五章 男女の人間学
中山の家系は男女が惹かれ合う正当な魅力で交配できなかったためか、美醜だけでは語れない嫌な顔立ちをしている。
葉山(モコ)が働いているヘルスの画像を朝倉に見せる中山。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
「コレ……」

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
「葉山に似てません?」

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
「僕のダチで風俗好きがいて、歌舞伎町で遊んでたら、
葉山がおっさんと歩いてるの目撃したんだって……」
同級生の朝倉に対して『僕』と言ってへりくだっている。
しかし情報を出した時の朝倉の反応が良かったので、気が大きくなり

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
「オレ、気になってさ、ネットで調べまくったら、このHPに辿り着いたんだ。」
一人称を『オレ』に変えて、言葉使いも対等に近づく。
卑劣な弱者は空気の変化に敏感で、自分が少し優位に立つと謙虚さはなくなる。
こういう弱者が困っていても助ける気がしないのは、この打算的な性質のためだ。
本人は共感性がないので、自分がどうして嫌われるのか気付かず、理不尽だとさえ感じている。
女子の弱みを強い男に耳打ちするという卑劣な行為も、本人は賢いリサーチ能力だと思っている。


頭も性格も悪い人間の末路

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん5巻」小学館
ヘルスで働く男性従業員の宇野。
中山が社会に出て数年経つと、こんな風になる。
シャツもネクタイもサイズが合わず、パンツも上着もバラバラな組み合わせだ。
中山も道化のような恰好をしていて、卑劣な者に特有の、社会との感性のズレが出ている。
「シシシ」
という愛想笑いも、愛想笑いなのに人をイラつかせる。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん5巻」小学館
外見・不潔感・不快感といった、人に嫌われる要素を全て備えていて、人を寄せ付けない。
宇野は路上生活をしていたのをヘルスの店長に拾われてきて、従業員寮に暮らしている。
ここでも嫌われていて、店長に

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん5巻」小学館
「おい、宇野!
ちゃんと仕事しねーと追い出すぞ!
杏奈さんも怒ってたぞ!」
と、路上に戻る瀬戸際の暮らしをしている。
原始時代に適応して生き残った卑劣な遺伝子は、現代社会で役割を終えているので嫌悪され、交配できずに宇野や中山の代で淘汰されるだろう。
だが自分より弱いものを犠牲にする精神は、最後まで改心することはない。
彼らが40・50になって生活が苦しくなると、いとも簡単に弱い者に手をかけて犯罪行為を行う。
犯罪者に不快な不細工が多いのはこのためだ。
