ギャル汚くん編より(4~5巻)
ウキウキの気分が一転して、萎え萎えになる美人局という犯罪。
物陰から男が出てきて
「俺の女に何してんだ?!」
というのは古い。
今は「未成年に何をしてんだ?!」というスタイル。
そんな定番のコント型犯罪をする連中とは。
女一人に男二人くらいのチーム
女は、田舎から家出した10代の少女、まいたん。
ウソか本当か知らないが、避妊薬を飲んでいる影響で、身体に変な脂肪がついて硬いのだとか。
確かに避妊薬を飲むと体重が増加する事もあるが、まいたんの主食は甘い菓子パンなどで、そのせいかも知れない。
親にちゃんと育てられていないので、ちゃんとした食事のとり方を知らない。
だからこういう少女は太っていたり、ガリガリだったりする。
まいたんは単純に太っているとも違う、パンパンに詰まったイモ虫みたいな体型をしている。
強面でヒゲを生やした脅し役の男がネッシー。
ヤンキーだが地元にいられない状況になって、渋谷で暮らしている。
その場、その瞬間の範囲内だけで弁が立つ。
警察をチラつかせながら被害者を脅す。
だが、その場しのぎの頭しかないので、その日暮らしから抜け出せない。
もう一人は、色々と小ズルい小川純。
美人局は、男一人だと圧迫感が足りないので、もう一人男がいるのが定番。
男二人が社会の代弁者のように、被害者の買春を責める。
被害者の前で、男二人が大問題だとしらじらしく会話をする。
被害者は、風俗店より安く・若い娘を求めた後ろめたさがある。
しかも、この被害者は実際にまいたんを抱いている。
まいたんは普段、普通にしゃべれないんじゃないかと思うほど、口数が少なく何を考えているのかわからない所がある。
だが、この時は絶妙のテンポで
ネッシー「何したの?」
被害者「え?何も・・・」
まいたん「援交。」
被害者にとってみたら、余計な事を言いやがってという気持ち。
被害者の社会的地位を調べてむしり取る
場所を変えて、本格的に被害者を恐喝していく。
まずは被害者の素性を調べる。
ここで社会的地位や収入を調べて、いくら金を取れるか調べる。
被害者は警察に知られたくないのは無論だが、会社に知られて解雇となれば、経済的損失も大きい。
特に教師や公務員などの職だったら、長期に渡って金を引き出せるカモになる。
名前を知られて、何歳も年下のネッシー達に呼び捨てにされる被害者のマスダ。
こうして、立場の違いを明確にして、責めは続く。
言葉だけじゃなく、被害者を床に座らせる事で、徹底して立場の違いを教え込む。
こうする事で、被害者は自分が悪い事をしたのだという気持ちが強くなる。
そうすると、美人局という恐喝がスムーズに進む。
美人局というのは、人の後ろめたい気持ちを利用して、被害者が加害意識を持つように仕向けている。
だから、一方的な恐喝より訴えられる可能性が低い。
美人局として捕まるのは、性行為に至る前の待ち合わせの段階で、脅し役が出てきてしまうパターンだ。
女と脅し役の男がデキていると、女を抱かせない内にネタ晴らししてしまう。
被害者は事に及んでいないので、後ろめたい気持ちが少ない。
だから警察に訴えでてしまう。
犯罪の仕込みが足りないのだ。
まいたんを抱いたマスダは、朝一から消費者金融のATM巡りで借金させられ、200万円を取り上げられる。
ネッシー達は、自分からは金をよこせとは言わない。
ひたすら誠意を見せろとかそういう事を言う。
もし捕まっても、罪を軽くしたいからだ。
だったら犯罪のように割に合わない事などしなければいいのだが。
美人局側も金が不足しているので、犯罪をしてでも目先の金を求める。
マスダも、節約して暮らしているが貯金は6万円しかない。
違法でも安く性欲を満たそうという気持ちは、美人局側のマインドとよく似ている。
結局は同じような連中が、被害者と加害者に分かれてやっているコント劇。