フーゾクくん編より(4~6巻)
大学くらいから、卑劣でゲスな事をする男子大学生が出てくる。
女子に酒を飲ませて乱暴や、金銭を盗む。
まだ人生に負債を追っていない男子大学生が、卑劣な犯罪をするのは何故か?
高校までの、親や学校のタガが外れて、その人間の本性が出始めるのが大学の頃。
若気の至りと違って、卑劣は性格なので一生治らない。
朝倉もその一人。
後輩をしつこく口説く先輩大学生
後輩の葉山陽子を、しつこく口説く先輩大学生の朝倉。
自信満々なのだが、葉山はうっとおしいと感じている。
葉山の同級生は朝倉が好きで、彼女曰く朝倉は
チョー歌が上手い
バカさ加減がチョー楽しい
だそう。
葉山は迷惑をしていて、一度告白を断っているのに強気のメールが何通も来ている。
『葉山へ
今から来い。
お前は絶対オレが好きになる自信がある。』
同級生と葉山の言を合わせると、朝倉はティーンエイジャーの行動性を残しながら、横柄で自己中心的な嫌な自我ができている。
ヤンチャがモテるのは高校くらいまで。
それ以降もやっている者は愚か。
朝倉は、自信満々な態度の割に外見は大した事がない。
朝倉本人は、外見が劣る事に気が付かないようにしているかのよう。
動きやすく攻撃的なファッションがそれを物語っている。
あまり偏差値の高くない大学で、UMA(未確認生物)研究会というサークルに入っている。
本当にUMAに興味があるのではなく、そういう場所でなら自分が上位に立てるという計算のもと、入っている。
サークル活動の多くは飲み会などで、UMAはそんなに好きではない。
朝倉が自分が上位に立てる場所を探し求めている時点で、実力のある男子大学生に比べて劣等感を持っている。
頭がそんなに良くないし、カラオケがうまいといっても歌で食べていけるほどでもない。
顔もさほど良くない。
大学生くらいになると、他人との差がしっかりと生まれる。
朝倉は劣等感を発奮材料にして努力するのではなく、虚勢を張るルートを選んでいる。
他人に危害を加える大学生は、諦めに入っている。
自分が向上しないから、他人を攻撃して引きずり降ろして劣等感を紛らわす。
こういう小悪党が、今日もどこかで女子に酒を飲ませている。
卑劣さは性格だから治らない
よく人間観察する葉山は、朝倉がガラスに映る自分をチラチラ見ているのに気が付き、余計嫌いになる。
それなのに、しつこく何度も誘っては断られる。
朝倉みたいな人間は社会人になって真の競争に晒されたら、虚勢など粉々に粉砕される。
朝倉とつるむような程度の同級生に、葉山が風俗をやっている情報を得る。
普通だったら葉山の事を忘れようとするが、朝倉のように腐った大学生は違う。
葉山が働く店に客として行って、自分を袖にした恨みをぶつける。
そこで、大学で言いふらすと脅す。
この選択をした時点で、朝倉はどこの世界でも主人公になれない側のゲス人間になる。
暴走族が更生する話はあっても、ゲスな精神性の人間が治る事はない。
葉山の家の前で、入ろうとする朝倉。
泊めないとバラすぞと脅す。
パワハラとかセクハラとかあらゆるものが入っている。
葉山に1万円を渡されて、この日は引き下がる。
後輩を脅していても、その卑怯さに気が付かない。むしろ快感。
しつこく言い寄って、性の対象に見た次は金を引っ張り出そうとする。
Fランク大学の乱立で、大学生という名のプー太郎が世の中に増えた。
朝倉に対して、風俗でたくましさを得た葉山は強くなった。
バカな息子に大学生の肩書をつけて教育をした気になる親。
そんな親の子供だから、卑怯な人間に育っていく。
若気の至りでグレるのとは違って、卑劣さは性格だから治る事はない。
人間に成りそこなった姿がそこにはある。