肉まんまさんに見る、境界で生きる人々

肉まんまの顔 おばさん
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

テレクラくん編より(15巻)

 

保護されるほど低いIQではなく、かといって人並みに考える事ができない境界の人。

こういう人たちは学校を卒業すると、どうなってしまうのか?

 

その答えが肉まんまさん。

肉まんまは食べたいものをすきなだけ食べて、朝からパチンコをする。

 

ブクブクに太って歯が無いけど、そんな容姿で客をとって日銭を稼いでいる。

全部がデタラメで見ていて笑えるけど、その背景を知ると切なくなる。

おバカキャラでは済まない人生

おバカキャラはマスコットのように扱われ、面白がられる。

肉まんまさんは見た目だけでなく、生活も全てがデタラメだ。

 

ポテトチップスにマヨネーズをぼとぼと垂らして、ムシャムシャと食べる。

子供だったら親に怒られている。

 

ポテチにマヨネーズ

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

肉まんまさんは素手で食べ散らかして、汚れた指は服でフキフキ。

歯は磨くのが面倒くさいから、何本も抜けていてキャラクター感が強い。

 

風呂も入らないので髪が油でギットギトで、頭にベタッとついている。

ブクブク太っていて歯が無い外見だが、お客を取って金を稼いでいる。

 

服で手を拭く

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

 

彼女はその上、ホスト遊びもやっている。

ホストにキモイ客扱いされていて、店前同伴(店が終わった後だとホストは金にならない)しかしてもらえない。

 

彼女はパチンコの影響を受けやすく、パチンコのフィーバーを見たまんまに再現する。

 

パチンコを再現する肉まんま

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館

「ぶわぁー 連チャン 連チャン ドゥルルルー!!」

 

これらは全て、IQが境界にある人の特徴だ。

お金の使い方がわからず、美味しいとか楽しいと思う事に歯止めが利かない。

幼児と同じ思考なのだが、大人の姿をしているので止めてくれる人がいない。

 

ホストはそういうのを知っていても、肉まんまの事を心配したりしない。

ホストクラブの被害者たち
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だが彼女は底抜け過ぎていて、ツケでホストクラブに通っていてもふいに飛んでしまう。

図らずも何人かのホストには復讐している。

 

肉まんまみたいな人と信頼関係を築くのは難しい。

何度やってはいけない事を教えても、裏切られるだろう。

 

誰もが彼女を遠巻きに見て、あざけ笑っている。

こういう境界上にある人を助ける機関はない。

 

男の場合

フーゾクくん編より

神奈川県で行われていたアチーブメントテストという、中学生の学力試験で学校で二番目に悪かった丸山の場合。

関連:風俗の客がキモい理由

 

風俗嬢に色恋営業をかけられると、すぐに本気にして結婚したがる。

瑞樹の客の丸山

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん5巻」小学館

 

他の男に触らせたくないからと、丸一日、風俗嬢の瑞樹を指名し続ける。

当然、ものすごくお金がかかるのだが、そのお金の計算ができない。

賢くない人がワリと幸せに生きられる理由
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丸山も肉まんまと同じように太っていて、ファッションも道化のような恰好をしている。

それを客観視できないのも、幼児の知能を表している。

客観性というのは、自分の人格から離れて自己を見る事で、大人でなければできない。

 

大人ではないので、お金を稼ぐ仕事もできない。

資産家だったら良かったのだが、ボロボロの家に寝たきりの父親と暮らしている。

その父親の預金を使い込んでしまっている。

 

介護ヘルパーが見かねて、自分の職域の範疇を超えて指摘してくれた。

だが丸山には、お金が減っていったら生活必需品が買えなくなるという忠告も難しすぎる。

 

時系列が未来の事で、かつ、お金の残と必需品の額の調整などわからない。

わからない事があるとどうするのか?

 

逃げる丸山

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん5巻」小学館

その場から逃走する。

 

こういう人が一般社会の片隅に居て暮らしている。

皆がダンプカーを支給されて走る国道に、原付スクーターしか与えられなかったかのように、押しつぶされかけて生きている。