ヤンキーくん編より(2~3巻)
家族も趣味もなく、老い先短い時間をパチンコで浪費するおばあさん。
お刺身は食べたいけど、パチンコもしたい。
両方やるお金はない。
服装に出る人間性
ド派手で大きな花柄があしらわれた服を着たおばあさん。
おばあさんなのに、なんとも派手で落ち着きがない服装。
ただ大分、擦り切れたダメージ感がある。
老人になっても派手というのは、若々しくて良い事とされることがあるが、やはり矛盾している。
それを象徴するかのように、水道代は払えないのにパチンコを辞めたら退屈で死ぬという。
パチンコはやめたくないけど、お刺身は食べたい。
こういう矛盾が服装にも表れている。
闇金ウシジマくんのキャラクターは、このように人間の矛盾がちゃんと服にまで出ているので、生活感のあるリアルな漫画になっている。
パチンコは自業自得で同情しにくい老婆
このおばあさんは一軒家に独りで済んでいるようで、コマの隅にはスーパーかコンビニのゴミ袋が転がっている。
玄関に出てくるが、サンダルを踏み潰すだけで履いていない。
ここにも、このおばあさんのだらしなさが出ている。
水道代が払えなくなるまでパチンコをやり、周囲に助けてくれる人も居なさそうなこの老婆は、この先どうやって生きていくのであろうか。
このおばあさんが更生したとして、その先に何か希望があるのだろうか?
簡単に同情させてくれない闇金ウシジマくん。気持ちが弱っている時には読めない、そんなズッシリとした漫画である。
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