人材派遣で不安定な日々を送っている村上仁

売り込む村上 若い男
出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館

フリーエージェントくん編

主要キャラクターのマサルの幼馴染の村上仁。

明日の保証もない人材派遣で、精神を摺りつぶされている。

そんな風に弱っている時、人はうさん臭い話に惑わされる。

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人材派遣はケガで休んだら生活が破綻する

派遣の仕事

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館

人材派遣では、明日の仕事の保証は誰もしてくれない。

かつての人材派遣は急に人材が必要となり、スキル・経験を持った人が求められて職場に派遣されるものだった。

当然、経験に見合う給与が支払われた。

だが今の人材派遣は、昔の日雇い労働と変わりがない。

一日仕事が終わったら、そこで解散。その繰り返し。

働いても時給900円で、若者の欲を満たしてくれるような額ではない。

それなのに彼の目に映る渋谷の街には、欲しい物が溢れている。

目の前に欲しいものがあるのに、手に入らないもどかしさ。

このギャップを埋める手段は色々とある。

その手段の選択に、人間性が表れる。

村上仁はどういう手段をとるのか?

不安で膝を抱える

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館

将来の不安に押しつぶされそうになる村上仁。

若い時間を摺りつぶされて、労働力として利用されるだけだ

昭和の家族的な雰囲気と違って、現代の会社は人の人生を考えたりはしてくれない。

互いに距離感を置いたドライな関係だ。

人材派遣は、人の使い捨てと言ってもいい。誰も守ってはくれない。

マサル達が闇金に手を染める中、村上仁は派遣とは言え一般社会に踏みとどまっている。

中途半端に真面目だから、布団の中で身もだえするほど将来を不安に思っている。

マサル達の月収が50万・80万と聞き、その差に仁はやきもきとする。

カップ焼きそばと納豆

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館

マサル達が寿司・焼肉を食べるのに比べ、仁の食事は昔と変わらない。

天生の怪しげなビジネスに出会う

マルチの看板

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館

看板を貼る仕事で、天生翔の怪しげなビジネスの看板に出会う。

要はマルチ商法・ネズミ講の現代版なのだが、それをITとか現代風にしてカモフラージュしている。

最初はうさん臭いと思う村上仁だが、派遣の仕事が急に途絶えて天生の動画を観てしまう。

いつの間にか心に隙間が空いていたのか、すっかり見入ってしまう。

天生のようなマルチのカモは、こういう心に隙間や不安を抱えた人なのだ。

それに、どこか一生懸命に情熱を捧げる対象を持たずに生きてきた人が多い

こういう条件が合わさって、天生が掲げる月収1億円という甘い言葉に騙されて、のめりこんでいく。

スポーツカーに乗る村上

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館

天生とその一派は、子供だましの理論を展開する。

だがその理論は、人生をどうにかしたいと思い始めた人にとっては、甘美な響きに聞こえるものばかりだ。

天生のビジネスの授業料100万円に尻込みする人には、勝ち組と負け組の違いは、リスクを先にとる事だと言う

お金は後からついてくるだとか、もっともらしい事を並べて村上仁をその気にさせる。

お金は後からついてくるというのに、自分たちは授業料を先にもらうのは矛盾している。

それでも人は、自分にとって都合のいい事を信じてしまうので騙される。

村上仁の育った環境

物であふれた実家

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館

貧乏性の家は物を捨てられないから、無駄なものが溜まっていく

村上仁の父親は仕立屋だが、時代の流れで仕事が減り、家兼仕事場の家に居ることが多かった。

思春期の子供にはそれが嫌で、外でマサル達と連れ立つ事になった。

母親はパートで家計を支えている。

村上仁のために1万円とか2万円とか、コツコツつみたてた通帳をセミナー代に渡す。

父親は自分の起ち上げた商売がダメになったので、起業をするという村上仁を心配した。

その心配の気持ちの表し方が不器用で、村上仁には伝わらない。

両親ともに、息子の事を思ってくれているのだ。

そのあたりがマサル達と違って、村上仁が一般社会に踏みとどまっている理由だろう。

ハミガキ粉の節約

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館

ハミガキ粉を洗濯バサミで詰めて、最後まで使い切る。

こうして貯めたお金を仁に渡したのだ。泣ける。

目をそむけたくなるほどリアルな生活感もウシジマくんの魅力だ。

村上仁は新たな商材を買うために借金を重ねる。

天生たちに競争心を煽られ、借金を重ねてさらなる情報商材を買ってしまう。

お金を出したのは、今まで息子とギクシャクしていた父親だ。

こういう、悪いタイミングでお金を出してしまうのは、やっぱり不器用な父親だなと思う。

商売も不器用で、時代に合わせた形に変えられなかったのが失敗の原因だ。

父親の金だけでは足りず、仁は勝手に実家の貯金通帳を持ち出してしまう。

村上仁が騙す側にまわる

悪い顔をした村上仁

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん31巻」小学館

なかなか生活が変わらず、引き下がれない状況の村上仁は、ついに騙す側に回ってしまう。

村上仁にはまだ騙している感覚がないのが、マルチ商法の怖いところだ。

いつの間にか歯車の一部になってしまい、自分で考える事ができなくなっている。

被害者であり加害者

地元の最底辺の人間、刈ベー達に売りつけていく内に、いつの間にか説得力が出てくる村上仁。

刈ベー達は最底辺過ぎて話の内容を理解していないのだが、村上仁の勢いと

「一生、後悔するぞ」

といった単純な言葉に圧されて買うものが出てくる。

こういう人は、先々の払いなんて事は頭にない。

今現在、目の前にある事のみに反応して、行き当たりばったりに生きている。

村上仁は、何かにとりつかれたようになってすっかり悪人ヅラになる。

売り上げがあがってきて、仁の生活は少し上向いてきた。

豪華なお風呂

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん31巻」小学館

それでもまだ、親から借りた900万円は返せていない。

ちょっとの成功で気が大きくなっている時が、一番危ない。

人生の一発屋は、大体この時に失敗の種をまいている。

そして村上仁は

額に汗して働く仁

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん32巻」小学館

仁はマルチの世界で、何も生み出さずにお金だけ回すという経験をした。

虚無の中で金を稼いでも心が満たされる事はない。

仁は不器用な父と、それに付き合う苦労人の母の姿を見ている。

だから本来、額に汗して働く価値観を持っている。

人は色々な経験をして、自分に合った道を選択していく。

土下座をするシンママ

出典 真鍋昌平著「闇金ウシジマくん32巻」小学館

仁がどちらの道を選択するにしても、被害者を生み出した事実は変わらない。

何かを悔い改めれば、それで全てがチャラになるほどウシジマくんの世界は甘くない

仁によって損をした人が過去からの亡霊のように現れる。

誰かにババを掴ませる事によって成り立つ金の稼ぎ方は、必ず犠牲者が出る。

そして村上仁は、自分のためではない働き方を模索しはじめる・・・

貧しかっただけで、堅実な良心に育てられた仁は、根っこの部分では実直な人間だ。

ウシジマくんの洞察力
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人を見抜く方法

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漫画闇金ウシジマくんの人間学