元ホストくん編より(23巻)
芸人だったけど笑うのが嫌いで、普段は不機嫌なおじさん。
時代の気まぐれで脚光を浴びてたが、すぐに飽きられた後の人生。
腕に数珠をまくおじさん
おじさんになると、でっかい数珠を腕に巻く人がいる。
特に芸人みたいに明日の仕事もわからない人は、何かにすがりたがる。
芸人は、来年も売れているという保証はどこにもない。
それに笑う気分ではない時でも、大勢の前で明るく振舞わなければならない。
楽しそうなイメージに反して、実にストレスが多い職種だ。
ピース尖閣のもちネタが、
「毒づく♪毒づく♪ピース尖閣」
というものだが、普段は滅多にやらない。
だが投資(詐欺)の配当金をもらうと、お金で動くカラクリ人形のように速攻でやる。
そんなもったいぶるようなモンでもないでしょうに。
安直でリズム頼りのネタ。
リズムネタは思い切りシラけるのが殆どだが、時流にのってヒットする事がある。
だが、元々面白くないものなので必ず飽きられてしまう宿命。
ブームが去ると、芸人にダサいイメージがついてしまう。
リズムネタは安易に手を出すべきではない。
笑いを売る芸人が普段がムッツリしている事ほど、ギャップを感じるものはない。
ピース尖閣は基本しかめツラをしている。
それに基本、他人に対して偉そうだ。
芸は小手先で、まぐれ当たり。
謙虚さもないから、裏方にも嫌われて長続きしないタイプだ。
そもそもお笑いが好きとは思えない
広告では爽やかな笑顔でインタビューに答えているピース。
昔はある程度、知名度のあるお笑いタレントだった事を伺わせる。
時代にハマッてそこそこは売れたのだろうが、やはりお笑いの地肩がなかったのだろう。
金銭的に行き詰ってきて、行き着いたのがマルチ商法の広告塔。
ヨゴレ芸人というやつだ。
食べ方はクチャクチャ汚いし、顔も態度も人に好かれない。
最初は勢いで大衆をごまかせても、徐々に嫌われる要素が勝ってくる。
そんなだから、社会を騙しても痛むような良心は持ち合わせていない。
彼の中では、社会が先に彼を見捨てたのだから。
この人は何でお笑い芸人を目指したのだろうか。
話の組み立てとかで笑わせる芸人は、子供時代からクラスで一番面白かったと思われるが、、ピースにはそれを感じない。
そもそも人を笑わせるのが好きだとは思えない彼が、お笑い芸人を選んだ事が間違いなのだ。
お笑いが下火になってくると不動産投資をしたが、これもうまくいかない。
お笑いでまぐれ当たりを経験しているので、不動産も勉強しないで一発当たるだろうという甘い考えだった。
ピース尖閣の場合は成功体験が悪い方に働いてしまっていて、その後も一発を期待する人生になってしまったのだ。
不動産に行き詰まったので、詐欺の広告塔をやりはじめる。
努力をしない一発狙いの人に、二度と一発はやってこない。
詐欺の広告塔になっているが、ピース尖閣自身も騙されている。
騙されている事に気が付いた彼は色々と動くが、結局彼が得た報酬はぶん殴られるだけだった。
実際の詐欺事件でも、芸能人が騙されている事が結構ある。
芸能の仕事で一発当てたから、自分はツイていると思い込んでしまう。
広告塔に祭り上げられる頃には、自身もガッツリと出資してしまっている。
詐欺と判明した時には広告塔として加害者のように扱われる上に、自分の出資金は返ってこない。
一発が当たるのは一回限りなのに、何発も狙うので騙される。