フリーエージェントくん編より(30~32巻)
本人曰く、リーマンショックでリストラされて以来、安定した職に就けていないという竹山さん。
バイトで貯めたなけなしのお金を、一発逆転を狙ってマルチ商法なんかにかけてしまう。
結果、また騙される。
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マルチ商法とは何か
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
マルチ商法とはねずみ講とほぼ同じで、お金を使ったババ抜きだ。
ただし、99%以上の人がババを引かされる。
会員間をお金だけが移動していたねずみ講が禁止されたため、無価値なのに高額な商品を流通させるマルチ商法が出てきた。
マルチやねずみ講は新規会員からの入金を、立ち位置に応じて分配する。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
立ち位置というのは自分が親で、勧誘で誰かを引き込めば、それが子供になる。
その子が更に誰かを勧誘したら孫ができるというように、階層構造でのポジションだ。
自分より下の人数を増やした方が入ってくるお金も増えるので、誰もがどん欲に会員を増やそうとする。
ネズミのように繁殖力が強いので『ねずみ講』と呼ばれていたが、マルチも同じ構図だ。
竹山さんだってバカじゃない
ねずみ講の発展版であるマルチ商法は、時代に合わせた商材を扱っている。
何度か騙されているが、竹山さんだってバカじゃない。
同じ手にはひっかからない。
だがマルチ側もそんな心理を知っているので、常に新しい商材を出してくる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
今度はコレ。
ネット+アフィリエイト。
竹山さんみたいなドラクエ世代は、新しい道具が手に入ったら、
タケヤマはアフィリを手に入れた!
という具合に、自分の能力が上がったと思ってしまう。
努力してレベルを上げるのではなく道具に頼ろうとするから、いつも道具に振り回される。
こういう人は周囲を巻き込むヤラかしをするので、職場にいたら距離をおいた方が無難だ。:普通に働く人のための『人を見抜く方法』
マルチはよくわからない言葉を使う
マルチの元締め、天生 翔(てんじょう かける)
一千万円の価値があるというメアドのリストを、300万円で売ろうとしている。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
「わたしがオプトインページで集めたメールアドレスです。」
オプトインページとは、資料請求などでメアドを登録するページに
□メールの受け取りを承諾する
というチェックボックスがあるだけのものだ。
目新しいものに接すると、よくわからないのに都合よく自分の能力を上げてくれるアイテムだと思う竹山さんには、オプトインページで集めたアドレスが魔法の道具に見える。
竹山さんは大人なのにだらしがない
子供ダマシの広告サイトを見て、マルチの商材を買う気マンマンで、親の立ち位置にあたる村上仁に会いに来た竹山さん。
しゃべり方はボソボソとしている。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
「ど…どうも
村上さんですよね? 竹山です…」
しっかりしたものを噛む気概がないから、竹山さんの顔はしまりがない。
こういう不器用な人は無駄に荷物が多いから、ワイシャツに大きな肩掛けカバンの中学生スタイル。
彼らに行動力があるのは、動き回っているとたまにボタ餅が落ちてきた経験があるからだ。
犬がひろい食いするためにウロウロしているのと同じで、竹山さんも口をあけながらウロついている。
極めつけは、チャックが思い切り開いている所。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
竹山さんみたいに大人の感覚が発達していないと、『他人から見た自分』を意識できないから、平気でチャックが開いたままで来る。
カバン同様、スラックスにスニーカーというのも中学生のまま。
マルチの代金とはいえ、30万円の現金を持って出歩く人の恰好ではない。
竹山さんは大人ではなく中学生のままで生きているから、社会についていくのがやっとだ。
マルチにすがりつく竹山さん
竹山さんは親子ほど年下の村上仁に、会ってすぐにすがりつくような事を言う。
「村上さん。清栄ハイパーメソッド(情報商材)を購入したら、
副業感覚で月収50万円稼げるのでしょうか?」
竹山さんの頭の中で副業は預金の利息と同じ感覚で、働くという概念はない。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
会ってマシンガンのように、自分のことを一方的に話す竹山さん。
会話のキャッチボールができない。
リーマンショックからのバイト生活。そのバイトのグチを村上に訴えて、メソッドだけが救いだと言う。
「村上さんを疑ってるわけではないのですよ!?
ただ、清栄ハイパーメソッドの30万円は私にとっては大金です。」
竹山さんのなけなしの30万円は、風前の灯だ。
福沢諭吉(当時の1万円札の肖像)の一番嫌いなタイプが不勉強な竹山さんみたいな男だから、サイフからすぐに出ていってしまう。
月給100万円の者から30万円をかすめ取るのは難しいが、竹山さんから掠め取るのはたやすい。
お金を稼ぐ能力が低い人は、使い方もずさんだからだ。
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自分から騙されにいく
自分のことを一方的にクドクド話す竹山さんのような人に、友達はいない。
会話をする時に相手の事を意識できない人は、全てにおいて自分本位なものだ。
竹山さんは周囲に友達がいないから、自分の話を聞いてもらえただけで村上仁を信用する。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
「村上さんだから隠さず話します。
実は私、何度も情報商材で騙されて失敗してきました。
清栄ハイパーメソッドが最後の賭けです。
対面して販売する方は初めてだから、村上さんを本気で信じますよぉ~~」
哀願の表情で訴える、情けない竹山さん。
これが彼の処世術だが、誰にも通用しない。
子猫というのは顔のつくりが守りたい欲求を抱かせるようになっているが、おじさんの哀願は不幸がうつりそうだから避けられる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
「お金は用意してきました。
村上さんにわたしの全財産と未来を託しますよ!?
これがダメなら母と二人
一家心中もんです…」
会って少し話をしただけの村上仁に全財産と未来を託して、更にダメ押しで年老いた母親の命までのっける。
会ってすぐに距離を詰めて、自分の重荷を他人に被せようとするのが竹山さんだ。
竹山さんは下出に出ているようで、村上仁は絶対に自分を儲けさせないといけない存在だと、傲慢な考えを持っている。
そこを突かれて、何度も騙されている。
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どうやったらこれで月収100万円稼げるんだよ?
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん31巻」小学館
全財産をはたいて買った情報商材(儲ける方法)のDVDを、布団の上に寝っ転がりながら観る竹山さん。
寝転がって観られるようディスプレイを横に倒している事から、堕落した生活の長さがうかがえる。
「清栄ハハイパーメソッドもありきたりで
イマイチぴんと来ねぇな…
どうやったらこれで月収100万円稼げるんだよ?」
片手間で確実に月収100万円稼げる方法などないのだから、DVDがぴんと来ないのは当たり前だ。
情報商材は儲かる空気だけを売っているのだから、中身などない。
一度騙されていても少しフォーマットが変わると、竹山さんの中では同じ損をする構図だと認識できない。
勉強する態度も頭も、全て悪い。
そんな竹山さんを騙すのは簡単だ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん31巻」小学館
「でも村上さんが最近、フェラーリ買ったのは事実なんだよなぁー。」
誰かが高い車を買うと、自分も買える気になる。
彼らは頭に隙間がある分、他人のイベントが自分に起こった事のように、スッポリと頭に入りやすい。
だからペテン師は高級車やレストランの写真を、SNSにアップする。
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「あなたに騙されてませんよね?」と聞いちゃう
考えるより行動型の竹山さんは、単刀直入に村上仁に聞く。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん31巻」小学館
「全然稼げる気がしません。
私、あなたに騙されてませんよね?」
こんな聞き方で、誰が
『はい、騙しています』
なんて言うだろうか?
こういうところも、想定問答ができない竹山さんらしい。
30万円の商材で稼げない相談に行ったのに、まんまと100万円の上位プランを買わされる。
竹山さんが動けば動くほど、被害額は拡大していく。
このプランで作られた、竹山さんのホームページ
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん31巻」小学館
貸衣装を着せられて、メガネと蝶ネクタイをつけた竹山さんは、うさん臭い事この上ない。
全て他人任せなのに、竹山さんは一人前の成功者ぶっている。
こんな広告作成に、100万円をつぎこむ竹山さん。
マルチはこんな風にズボラで欲深い人に、無価値なものを高値で売って成り立っている。
当然、竹山さんのホームページも無価値だから、そこから売り上げなんて上がらない。
再びノコノコと村上に相談すると、今度はメールリストを100万円で売りつけられた。
上位プラン100万円
メールリスト100万円
最初の30万円を払う時に全財産と言っていたのに、100万円がポンポン出てくる。
お金が無い人というのは、土間に銭でも埋めているのだろうか?
どこからか、かき集めては持ってくる。
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弱者は弱者を虐げる
出資の回収が進まず、またも村上仁を頼り、そそのかされる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん31巻」小学館
「竹山さんの知り合いに経済的に困っている人はいませんか?
生活に追われる者は情報が遮断され
考える余裕がない。
村上ウルトラメソッド(情報商材)は、
情弱や貧困層を救済する最後のライフラインです。」
考える余裕がないとは、まさに竹山さんのような人のことだ。
だが自分を省みない竹山さんは、それに気がつかない。
村上のアドバイス通り竹山さんは、生活に追われている行きつけのスナックのママに目をつける。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん31巻」小学館
ママと言っても昼職のバイトを掛け持ちするような、金に困ったシンママだ。
風呂を節約して、頭にフケが浮き出ている。
竹山さんは自分より困った女を売り込む相手に選んだのだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん31巻」小学館
「もっと割のいい副業があるんだ!
多少、先行投資がかかるけど。」
竹山さんは、すっかり悪い顔になっている。
竹山さんに魔がさしたのではなく、これが本来の姿。
自堕落で欲深な小悪党気質が、マルチによって表に出たに過ぎない。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん32巻」小学館
弱者は弱者を助けたりなんかしない。
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竹山さんが悪いんじゃない
彼のような人間は、マルチが破綻した時に
「竹山さんが悪いんじゃない、社会が悪いんだ」
と言ってくれる人に付き従うだろう。
反省した事がない竹山さんは、ここでも自分に都合の良いウソに惹かれる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん30巻」小学館
『秒速20万円をかせぐ』
みたいなわかりやすい題目を使うと、竹山さんみたいな人は簡単に騙せる。
だから政党でも宗教でも、
『あなたは悪くない・社会が悪い』
の単純な標語の繰り返しで、自分で考えない層を取り込む。
ここでも弱者は自分のことを他人に委ねてしまい、使役やカンパでかすめ取られていく。
自分の不勉強を恥じて努力しない限り、竹山さんはいつまでも騙され続ける。
▼若者がマルチにハマっていく様
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