トレンディーくん編より(20~21巻)
ママチャリの限界まで詰め込まれている、ルミナの子供たち。
野生動物に近い環境で育っている子供は、どうなっていくのだろう?
狭いアパートにシンママと3人の子供
子供たちは汚くて狭いアパートに母親のルミナと暮らしている。
本名はテルミだが、客をとるルミナの方が合っている。
シンママのルミナは、家でお客をとったりもしている。
その間、子供たちは外に追い出されている。
邪魔もの扱いをされるこの時間、子供たちには辛い。
やる事がないから、セミの抜け殻を集めてザクザクつぶす遊びをしている。
それに首のないキューピー人形を棒に刺したものを持っている。
文化的な遊びを知らない原始人みたいです。
子供というのは残酷な遊びをするものだが、それをたしなめる大人が居てまともに育っていく。
その大人のルミナが、自宅で客をとっているのだから子供がまともになるチャンスはない。
幼いながらも母親が何をしているのかわかっているので、家に近づく客の男をにらみつける。
この目つきはもう、人間不信が固まってしまっている。
他人に恩を感じない子供
客として家に訪れた鈴木斗馬が、子供たちがポテチを夕飯にしているのを見て哀れに思い、ピザを頼んであげる。
テーブルが埋まっているので、薄暗いキッチンの床でむさぼり食う描写。
現代社会とは思えない汚い食事風景。
食べ方の汚さは、こういう家庭環境から生まれる。
一人の子供は威嚇なのか
「シャアーッ!!シャアーッ!!」
まるで洞穴で暮らす野生動物のようだ。
恐らく子供たちのためにピザを頼んでくれるような大人はいなかったでしょう。
鈴木斗馬の優しさは、子供たちに響いて変わっていくでしょうか?
否、人間はそんなに単純じゃない。
身近の大人から、長い時間をかけて人間たるものを学んでいく。
ほんのちょっとの出来事では人間は変わらない。
シンママのルミナもその彼氏も、子供と同レベルなので教育はできない。
人間社会に向いていない、似たような連中が群れて暮らしているだけだ。
子供たちに、人に感謝する気持ちは存在せず、ピザにありついたのは自分がラッキーだからという認識だ。
後日、鈴木斗馬がルミナらに美人局をされて土下座していると、子供たちは
「ピザ注文しろよ!鈴木ィ!!」
と笑っています。
弱肉強食の野生動物の世界で楽しい事は、弱った生き物をみつける事。
困った人に全然優しくない。
ヤンキー・DQNの類は、野生動物に近い価値観を持っている。
それは子供の頃から作られているので、矯正は困難。