ダメな母親を野生動物として見る理由

おばさん
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

出会いカフェくん編より(13巻)

 

パチンコで借金を作って、男を定期的にかえるダメな母親の典型。

高校を卒業したばかりの鈴木美來(みこ)が、友人に母親の事を愚痴る。

 

「ママ、借金すごい事になってるみたい…

消費者金融とか親戚のおじさんとかから

借金の催促すごくってね…」

 

だが、そんな娘も高校を卒業して無職のままで、ダメな母親の人生をなぞりかけている。

ダメな母親にとって、子供は担保

美來が家に帰ると、消費者金融どころか闇金のウシジマくんが催促の為に待っていた。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「よォ!あんた鈴木美來だろ? 母親はどこ行った?」

 

闇金業者は若い女を金に換えるルートを持っているから、美來は担保のようなものだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「え!? つーか…… 誰!?」

 

平屋建ての住宅が並んだ貧しい地域にある自宅前で、見知らぬ男にフルネームで呼ばれて困惑する美來。

そんなのはおかまいなしに、ウシジマくんは母親に電話をする。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「おう。おう。分かった……」

 

不安げに電話の内容を聞く美來にウシジマくんは

 

「お前の母親から伝言だ……

利息分の3万円は美來が払うってよ。」

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「なんで!?」

 

「親子だから」

 

美來に選択権はなく、ダメな母親と闇金の間で話が決まって3万円を持っていかれる。

ダメな家では比較的早い段階で、育てた恩というのを回収される。

他の家庭に比べて手厚く育てられたわけでもないのに、強制的に取り立てられていく。

 

ダメな母親は十代で子供を産んで、そこで精神年齢が止まるので子供に追い抜かれて、保護者の立場が入れ替わる。

母親のせいで急にお金が必要になり、美來は即金が入る出会いカフェに行かざるを得なくなる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

ダメな母親のツケは子供が払う。

 

関連:弱者の世界は子供に厳しい

 

娘にキャバ・風俗を勧める母親

パチンコで負けて帰ってきた母親が、美來に雑誌を渡す。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「美來ちゃん見て見て ほらぁーっ!!」

 

「え!?」

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「高収入の仕事いっぱい載ってるよ!!」

 

「ママ、どうしたの急に!? うわーキャバとか風俗ばっかし!!」

 

娘にフーゾク・キャバを勧める母親がどこにいるのだろうか?

⇒底辺にいる。

 

母親は高収入の対価として娘が失うものを考えられず、ただ目の前の高収入しか頭にない。

道端に落ちてるものをとりあえず食べちゃう犬みたいに、ナイトワークの雑誌を持ってきてしまう母親。

 

「ママの勤めてるスナックが来月潰れるンだわ……」

母親も短絡的にスナックに勤めてしまっていたのだ。5分先の事しか考えられない彼女たちに、キャリア形成の概念はない。

 

しかも彼女が務めているのは、潰れるようなシケたスナックだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「美來ちゃん、あんた仕事したら?

若いうちに女を売らないと損するよ?」

 

こういう女は常に生き急いでいて、刹那的な考えをしている。

だが、生存戦略としては間違っていない。

 

若い内にさっさと男を見つけて子供を産むのは、他の同年代の女子も人間として未熟で、若い内ならダメ人間のアラが目立たないからだ。

 

社会に出て働くようになると、能力の低さがバレてしまう。

彼らは動物的な直感で、自分たちが若い時にしか価値がない事を知っている。

 

彼らは普通の人のように積み重ねの人生ではなく、瞬発力で勝負しないと勝ち目がない事を本能的に悟っている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「今まで私が美來ちゃんのコト育てたからさー

今度は美來ちゃんがママの面倒見る番だね♡」

 

底辺の家では、子供はすぐに一人前扱いされて庇護してもらえなくなる。

野生動物並みに、一人立ちさせられるのが早い。

 

動物が生きる目的は、自分の遺伝子を次代に引き継ぐ事だ。

恐らくこの母親も美來と同じように育てられて、将来を考える時間が与えられなかったから現在がある。

 

だがこんな動物みたいな生き方でも、遺伝子を継げるということは生存戦略として間違っていない。

ただ人間とは異なる、獣の生き様だから悲惨に見えるだけだ。

 

こういう家に父親の影は見当たらない。

一応、美來にとって何人目かわからない義父がいるが

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「え? 義父(パパ)は?」

 

「知らねー

あんなバカ どーせ駅前のキャバじゃね?」

 

大体、こういう男女は15回くらいまぐわいたいと思う相手とすぐに結婚してしまう。

だから15回を過ぎるとどうでもよくなる。

 

この辺も野生動物と一緒だから、人の生き様を扱うノンフィクション番組ではなく、野生動物の番組で扱うべきなのだ。

ライオンに襲われるインパラの次に、子供に

 

「てめぇこのヤロー!」

 

と言う底辺親が出てても何ら違和感がないし、むしろシックリくる。

 

たまに彼らの行動にギョッとさせられるのは人だと思うからで、街中に出てきてしまうイノシシみたいな認識が妥当だ。

人じゃないんだと思って遠巻きに見れば、心がザワつかずに済む。

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娘に金を借りるダメな母親

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

「またお金貸してくれない?

5万円……

おねーがーい!!」

 

大人の言葉使いではないのは、美來を産んだ時点で目的が達成できて、人間的に成長する理由がなくなったため。

 

そして子供を産んだ後の人生は消化試合のようなものなので、娘よりも低い立場になっている。

娘に怒られた時も

 

「美來ちゃんグゥオメン ゴメン♡」

 

と、子供のように謝る。

子供なのか、老人が起こす子供返りなのか不明だが、彼らの人生に大人の期間が無い事は確かだ。

 

ダメな女は成熟も早いがピークも早く、30代で既に人生下り坂の老境に達しているかのようだ。

彼らはネズミ類のヌートリアくらいの速度感で生きている。

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チャットレディをするダメな母親

美來の友人の冬美の母親。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん13巻」小学館

 

36歳でこの風貌。

髪を変な風に染めているのも、かぶき者のように髪を上げているのも、一般的な感覚がなくてズレているためだ。

 

職業はチャットレディをしている。

この母親は18で冬美を生み、冬美曰く

 

「ママとは仲よし友達っぽい。」

 

と言っている。

つまり精神年齢が娘と変わらず、教育ができないから娘が出会いカフェでウリをしていても放置している。

 

こんな親に育てられた子も、動物のような刹那的な生き方しか知らずに育っていく。

こうして代々、命をつないできた。

ただ、この家庭に生まれる子供は誕生ガチャでハズレを引いたようなものだ。

 

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