電話の緊張感は独特だ。
呼び出し音が鳴っている間、相手が出るかどうか、少しの期待と不安が入り混じる。
だが世の中、自分が電話をしたら100%相手が出ないと激怒する人たちがいる。
![]() |
![]() |
箸が転がっても激怒する肉蝮さん
路地裏に立って、カウカウファイナンスの加賀マサルに電話をしている肉蝮さん。
プルルルル・・・
![電話を発信する肉蝮](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/01/35-61-300x300.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん35巻」小学館
電話をかける行為の時点で、ちょっとイラついている。
肉蝮さんのような人は、人と直接会ってやり取りがしたい人だ。
目の前に人がいないと寂しいから、電話という無機質な道具を挟みたくない。
その電話がマサルに無視される。
![怒る肉蝮](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/01/35-62-300x300.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん35巻」小学館
この表情。
顔のシワというか、表情筋の盛り上がりが怒りの度合いを示している。
電話はただでさえ寂しいのに、それを無視される事は悲しみを通り越して怒りになる。
すかさずメッセージを送る。
『なんで電話に出ないんだ?
聞く耳持たねーなら
両耳ちぎって後ろ向きにつけて
顔のデザイン変えてやる!
両耳の穴にボンド詰めて本格的に
聞こえなくしてやる!
覚えておけよ! マイフレンド』
メッセージを書いている内に、どんどん怒りが増幅していったようだ。
耳をちぎるで十分なのに、ボンドまで詰めるのだと言う。
締めの言葉の『マイフレンド』は、どこから持ってきたのだろうか?
肉蝮さんがラブソングを聞いている所など、不気味すぎて想像したくない。
闇ビジネスで忙しい飯匙倩(ハブ)さん
原宿界隈を取り仕切っている、藪蛇組の飯匙倩(ハブ)さんは忙しい。
薬物の小売り問屋のような事から、服屋に出資して上がりを抜くビジネスだ。
さらに脱税の手引きまでして、闇のコンサルタントとしても多忙だ。
どれも飯匙倩(ハブ)さんが動かないと回らない。
たまに自ら身体を動かし(暴力)、トラブルの処理もしなければならない。
そんな飯匙倩(ハブ)さんにとって、相手が電話に出ないという事は、業務(犯罪)のストップにつながる。
ヤクザとして事務所番をしていた時は、ワンコール以内に出るのが原則だった。
だから他人が電話に出ない事はありえない。
飯匙倩(ハブ)さんが店の回転資金を融資した一人、センターT(中田)が電話に出られなかった。
こういう場合はメールを送る、丁寧な仕事のビジネスマン。
![ハブのメール](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/01/17-148-300x300.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん17巻」小学館
そこはヤクザ。言葉は汚い。
中田が慌てて電話をかける。
その話の中でも、自分の言う事が通らないと憤怒する。
![憤怒のハブさん](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2018/10/17kan163-300x300.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん17巻」小学館
自分の思い通りに進まないと、毛を逆立てて怒る。
それだけ人一倍働いていいるのだが、犯罪を頑張られても困る。
人格障害?滑皮さんの場合
凶悪ヤクザの滑皮さん。
腕力だけでは、ヤクザとして出世できる位置は限られている。
滑皮さんは人を支配する天性の素質を持っている。
自分がかける電話は、相手の都合などおかまいなく、すぐに繋がる事を前提にしている。
![車の中から電話をかける滑皮](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/01/33-170-300x300.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん33巻」小学館
「おう!丑嶋ァ!
電話にすぐ出ろって
何回 言わす気だコラァ!?」
ウシジマくんは、滑皮の電話が大抵ロクなものじゃないとわかっている。
その度にすぐ出ろと注意されているようだ。
ウシジマくんの電話で、着信の際に表示される登録名は
![腐れ外道滑皮秀信](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/01/33-43-300x300.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん33巻」小学館
本人に見られたらどうするのだろう?
滑皮の電話に出た相手は、一方的に要求を聞かされる。
実行できてもできなくても、どんどん取り込まれていく。
なぜ、こんな風に人を支配できるのか?
滑川はただ凶悪なだけでなく、人格障害の疑いがある。
人格障害だと、様々な抑えが利かなく、一般社会では困難な事が多い。
しかし、その特性はヤクザの世界で活かすことができる。
人格障害者は人の負の感情に敏感で、それを使った駆け引きが非常にうまい。
知らぬ間に負い目を感じたり、罪悪感を植え付けられて、従わされてしまう。
そうやって相手が破滅するまで追い込むので、一般社会では人間関係が長続きしない。
だが、絞り取るヤクザスタイルには、その方が合っている。
人への不信感しかないので、人を見抜く方法を自然と身に着けている。
他にも滑皮の凶暴性と関係があるのか、頭部の異常な形状が目につく。
![頭部が異常な滑皮](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/01/33-68-300x300.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん33巻」小学館
脳の前頭葉がある部分がつぶれていて、ナメック星人のように頭が後ろに伸びている。
前頭葉は、人の攻撃行動にブレーキをかける部分だ。
これが壊れている場合、普通の社会生活は送れない。
生来の犯罪者、滑皮は天職に就いている。
彼からの電話は、着信音をサイレンに変えて、いつでも出られるようにしなければならない。