フリーターくん編(7~9巻) 他より
女性の方が臭いに敏感だし、自らの匂いにも気をつける。
男が気にしないレベルの臭いにも敏感に反応する。
特に汗・体臭・加齢臭など人体から発生する臭いに敏感で、嗅ぎ続けていると具合が悪くなってくる。
だから臭い人の事を
『わたしを攻撃している人』
と捉えて、敵意を向ける。
臭いに対する男女の違いは何故なのか?
電車の中で「臭っ」と感じる女性たち
フリーターくん編より(7~9巻)
所持金が尽きてゲストハウスから出て放浪しているおじさん、宇津井。
電車に乗ると隣の席の女性が
(臭っ…)
顔をそむける。
前に立っている女性たちも
(臭っ…)
(臭っ……)
っと後ずさる。
宇津井の周りに空間が出来る。
路上で生活すると、アンモニア臭がキツくなる。
排尿の際にズボンに付着する残尿の他、汗にもアンモニアが含まれる。
それらが濃縮して、強烈な臭いになる。
特に女性が敏感なのは、太古から子供の世話は主に母親がやっていたからだ。
子供の異変に気づくためには、排泄物の臭いに敏感でなければならない。
この女性特有の敏感さが、女性を悩ませる。
男女の敏感さの違いによって、日常生活の臭いで男性が女性に迷惑をかける場面が多い。
異性に好かれたいなら、生物としての違いを知っておいた方がいい。⇒『人を見抜く方法』第五章 男女の人間学
部屋が臭い
若い女くん編より(1巻)
女性は臭いから危機を感じ取り、センサーのようにして危機回避に使っている。
女性は逃げる足も遅く、危険な生物が迫ってきたら力で勝つことが難しい。
そのため、必然的に危険を早く察知する能力が高まる。
割とハードなデリヘルに勤めだした、元OLの若い女性。
客の家に行くと、生ゴミから這い出した肉塊のような男が出てきた。
「あの…」
『ああ… 入って! 入って!』
男はノリ気だが、女性は
(うわっ! 汚ったねー部屋! なんのニオイ!!? こりゃ耐えられん!!)
「ちょっとゴメンなさい。」
と言って、送りドライバーに電話をかける。
「すみません。この客 無理です。
部屋汚くてシャワーもない場合、キャンセルしていいンですよね…
ビョーキになっちゃいますよォ……」
女性は日常生活の臭いの中から、危険を嗅ぎ取って避ける事で安全を確保しようとする。
だが送りドライバーの筋者(ヤクザ関係)は
「ナニ言ってンの?
テメェーが客選べる立場か!? コラ!!」
恫喝して客の相手をさせる。
せっかく危機を察知しても、男に力でねじ伏せられる。
だから女性は男たちの臭いに、暴力すら感じる。
ハラスメントとは、力の強いものが弱い者に対して行う事だが、臭いに関しても
スメルハラスメント(スメハラ)
という言葉が使われるのは、女性の感性が影響している。
臭いは男のメッセージ
・臭い
・汚い
・気持ち悪い
この3Kはセットになっているから、臭い人間は気持ちが悪い事になっている。
気持ちが悪い人と接触して、美的な競争力の低い子供ができてしまったら一大事だ。
女性がくさい事に騒ぐのは、小型犬が吠えるように
「こっちに来るな」
というメッセージを出しているからだ。
「くさっ」という男
出会いカフェくん編より(13巻)
男たちにも
「くさっ」
と言うシチュエーションがあるが、女性とは若干異なる。
ブスの冬美とコンテナに閉じ込められた若い男。
冬美が小便をする時、弾みで大まで出してしまい、たまらず男は
「うっ くさっ!!」
と言うが、狭いコンテナでブツが出た後の状況でどうしようもない。
未然に防止するのではなく、起こった事に対処しようとするのが男だ。
未然に防ごうとすると常に多くの事に意識が必要だが、起こった事だけに対処するなら普段は気楽に過ごせる。
男は事が起こっても力で何とかなると思っているから、臭いに関しても反応が鈍い。
臭いにひるまない男
ヤミ金くん編より(18~20巻)
貧困ビジネスの汚い寮、誠愛の家の冷蔵庫。
腹を減らして他の入所者の食べ物をパクるため、男が冷蔵庫を開けると
「うわっぷ!! やっぱ臭ェ!! だが背に腹は代えらンねェ!!」
と言って、ひるまずに漁る。
男は臭いが発する警告を無視する。
食べてアタらなければ儲けものという精神で、このあたりが安全を第一に考える女とは違う。
この男女差は、子育てが関係している。
殆どの野生動物はメスが子供を育てる。
オスは種付けしたら、また別のメスを求めて放浪する。
メスが死んだら、それは子供も生きられない事を意味する。
だからメスは何としても生き延びようとするので、臭いで危険を避ける。
この生存に対する本能によって、女性の方が平均寿命が長い。
女性は匂いにも反応する
フーゾクくん編より(5~7巻)
女性はいい匂いから物語を想像する、情感が豊かな性質もある。
風俗嬢の杏奈は、
「どーせホストの営業だろ」
と警戒していたのに抱きしめられると
「あ・・・ ふわぁ。」
(いい におい…)
と、ポーッとなってしまう。
いい匂いの先にある、男との生活に思いを馳せてしまう。
匂いで油断するおばさん
フリーターくん編より(7~9巻)
兜町の裏にある、怪しげな金融ブローカーの事務所に連れていかれているのに、途中のお茶屋の前で
(お茶を煎った匂い…… 香ばしい……)
と、お茶の間感覚でのんきな感慨にふける。
お金を持っていて家庭的なおばさんなど、金融業界ではカモでしかない。