トレンディーくん編より(20~21巻)
汚いアパートに子供3人と住んでいるシングルマザー。
父親の代わりに、柄の悪い彼氏がいる。
歯の汚さが物語る家庭環境
親が子供を育てる過程で、食後のハミガキは初めの方に教育する。
その歯が汚いという事は、放置されて育ったことを物語る。
テルミの歯はギザギザとした上に、色も汚い。
まるで悪鬼のようだ。
歯だけでなく、性格も悪鬼に近い。
テルミが育った家では、歯など抜けても永遠に生え変わるサメの歯と同じくらいの感覚で、肉さえ噛み千切れればそれでいいのだ。
大切に育てられずに親になったテルミは、わが子にも同じように接する。
野良犬みたいに生きる人たちは、食事とエサの区別がつかない。
子供たちを「お前ら」と呼び、夕飯にポテチの袋を与える。
子供の事を「お前ら」呼ばわりするのは、母親の精神年齢が子に近いことをあらわしている。
こういう母子は、まるで9歳児が6歳児を育てているかのような家庭を築く。
お決まりの民度が低い彼氏
テルミはウシジマくんの借金を踏み倒すため、小悪党か何かをしている彼氏の雅を呼ぶ。
雅はウシジマくんに
「お前ケツモチどこだ!?」
と、自分がどこかに属しているかのように言う。
こういうのはヤクザ組織の下積みにも耐えられず、街でウロつく半端者になっている。
こういう手合いは「揉めたるぞぉ」という、あいまいな匂わせ言葉も好きだ。
なんとなく面倒くさい事になりそうな雰囲気だけど、具体的に何かはよくわからない半端な言葉。
こういう言葉のハッタリで、自分のペースに持ち込もうとする。
だが、そこはウシジマくん。
「テメェこそ誰だよ?懇親会で見た事ねェーぞ!?」
とハッタリで返す。
テルミも雅も、他力本願で実力がないから、逆にハッタリ一つで自信を無くす。
「えっ!? あ!? なンだと!?」
勝手にヤクザの懇親会か何かだと思って、テルミもビビッて真っ青になる。
テルミ「雅ちゃん 変なコト頼んでゴメンね~~」
雅「テルミがいいっつーならいいけどよォ・・・」
スゴスゴとウシジマくんから退散する。
歯が汚い女は、ロクな男と付き合わない。
中途半端な悪気取りの男。
こういう自身のない男は、自分より弱い一般人相手にだけキバをむく。
正確に言うと一般人が弱いというより、常識のカセがあるので小悪党と同じ事が出来ないだけだ。
長い目で見れば一般人の方が社会的には強者だ。
自分が弱いから自尊心を失う事が多く、その分を一般人にぶつけてバランスを保とうとする。
こんな男を彼氏に選ぶテルミ。
こんな選択しかできないから、テルミも子供も幸せになる未来はない。
人に感謝しない
テルミは、ルミナという名前で自宅で客を取っている。
こういう女の家は、いつも空き巣に入られたかのように荒れている。
幼稚園前に覚える『歯を磨く』さえ教わっていないから、整理整頓も躾けられていない。
子供の食事がポテチなのに同情した鈴木斗馬が、ピザをとってやる。
果たして、テルミはこの優しさに感謝するだろうか?
とったピザを皆で地べたでむさぼり食う。
この辺りも汚い歯と同じく、食卓の教育がないゆえだ。
客にお茶の一杯も出すべきところが、獣のようにむさぼり食う。
これは民度が低いというより、生き物が違う。
常識がないことで現代社会に否定され続けた結果、
テルミの腕にはリストカットの跡が沢山ついている。
もうすでに、精神は壊れてしまっているのだ。
ピザをとってくれた鈴木斗馬に対して、雅と一緒に美人局をする。
土下座する斗馬を見下ろしながら、心底楽しそうに
「ヒヒヒ・・・」
と笑う。
小鬼のような顔に汚い歯がピッタリだ。
テルミのように悪意の中で育った女は、他人に恩は感じない。
ただただ、自分に向けられた悪意の報復を社会にするのだ。
他人の不幸が心底楽しい。
他人を自分の位置まで引きずり下ろすことで、自分が普通だと感じられる。