生活保護くん編より(24~25巻)
不思議ちゃんまでなら個性で済むが、地雷女に関わる男は地位・財産・信用を吹き飛ばされる。
だが地雷だって男がいじくりまわさなければ爆発しない。
彼女たちが爆ぜる(はぜる)理由。
※当事者の方は読まない事をオススメします
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希々空(ののあ)という女
生活保護受給者の男たちのたまり場になっている部屋で、布団から起きる24歳の希々空(ののあ)。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「う―――だるい……
今何時?」
希々空(ののあ)も生活保護受給者で、この部屋に集まって酒やハーブでまどろんでいる。
そのダルそうな雰囲気が、男に受ける隙の多い女を演出している。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
希々空のファッションの特徴は吸血鬼のようなカラコンや痛そうな唇ピアス、ドクロ柄の服装といった悪魔崇拝者のような格好だ。
地雷女の中には希々空とは真逆に妖精を目指したり、パワーストーンを身に着ける者がいるが、共通するのは『幻想性』だ。
彼女らが不思議な力を信奉する理由は後述する。占いに騙される女
そもそも男と女が接触しないと爆発は起こらないので、地雷女の外見には魅力がある。
希々空の胸は向精神薬の影響か、大きく膨らんでいて男を引き寄せる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
男は目の前にヤレそうな女がいたら判断力が下がり、ヤバそうな雰囲気でも『地面に落ちたお菓子は3秒以内に拾えばセーフ』みたいに考えてしまう。
本人を見たら正常な判断ができないから、問題のある女を見抜くならその人間関係を見た方がいい。
希々空の胸を触っている二人は、どちらもバイトが3ヶ月と続かない生活保護受給者だ。
後一人、新参の受給者でセックスの和に入れない佐古(さこ)という男がいる。
この男は希々空の裸を目に焼き付けて、風呂場で一人でシコッている。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
部屋を持っている男と脱法ハーブを持っている男。
そんな安っぽい物と若い女の体を交換して、希々空はこのグループにいる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
同性には性的な魅力が通じないから、希々空にまともな女友達はいない。
仮にいたとしても希々空に似たオカルト趣味で、一緒にいると黒魔術集団みたいになる友達だろう。
人の個性は何でも受け入れればいいというものではなく、危険な雰囲気を持った人は8割くらい本当に危険なものだ。
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安い交友関係が意味するもの
人付き合いは、自然と同じレベルの人間同士に収束していく。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
24歳・Eカップの希々空は、男なら20代で年収600万円に相当する。
女を外見・男を年収で判断するのは下品だが、厳然たる事実として存在する。
関連:ブスの性格が悪い理由
600万円を基準として、男の容姿や将来性によって交換レートは変動する。
希々空は本来600万円の男たちといるはずなのに、年収も将来性もない男たちとつるんでいる。
その差額が、希々空の内面に問題がある事をあらわしている。
希々空の部屋
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
地雷女は病院に収容されない限り、6畳ワンルームにロフトがついたアパートみたいなところで生涯を過ごす。
敷きっぱなしの布団はカーペット代わりであり、その上で生活している。
闇金からの着信のせいか、それともシラフの状態だからか分からないが、怒り始める希々空。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「イライラが止まらん!!」
地雷女が怒るキッカケは、自分を幻想の世界から現実に引き戻す出来事だ。
現実の世界は不安に満ちていて、恐怖のストレスからイライラが止まらなくなる。
その解消法の一つが、ツメを噛む自傷行為だ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
地雷女がリストカットをしたり髪を引き抜くのは、苦痛を和らげるエンドルフィンという脳内物質が分泌されるからとも言われる。
エンドルフィンの鎮静作用により、痛みだけでなく精神も和らぐ。
普通の人が痛そうだと思う自傷行為だが、地雷女にとってはより大きな苦痛を取り除く手段になっている。
地雷女の奇行の意味
地雷女の特徴として、普通の人が絶対にやらないような奇行があげられる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
電車には妊婦や老人、ケガ人を優先する『優先席』がある。
優先されて特別な権利を得るというのが、希々空の琴線に触れるのだろう。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
優先席でバーガーなどを食べ散らかし、寝そべって煙草を吸っている。
自分が特別で、何でも許される存在と思う事で万能感が得られる。
何も出来ない自分から目を反らすために、普通の人が出来ない事をして力を感じたい。
だからわざわざシルバーシートを選んで、やってはいけない事を全てやっているのだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
他の乗客は希々空を注意しないで、見て見ぬフリをする。
これは正しい選択だ。
誰かに『ダメだよ』と言われた瞬間に、万能感を壊された地雷女は2歳児のように暴れる。
人と関わる
コミュ障と違って、地雷女は人と関わろうとする。
自傷行為で指先をかじり過ぎて頭が洗えなくなった希々空は、アパートの隣人女性にお願いに行く。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「102号室の希々空っス。髪 洗って。」
『また? 今日ちょっと用があるのよ~~
ゴメンね、希々空ちゃん。』
以前にやってもらったようだが、隣人女性はすぐに希々空が面倒な人間だと気が付いて関わらないようになった。
これは冷たいように見えて、地雷女との間に境界線を引く正しい対処法だ。
もしもズルズルと引き受けて関係性を作ってしまい、その後で拒絶をしたら地雷は爆発する。
こういったリスクがあるから、安アパートになど住むもんじゃない。アパートの隣人に土下座で金を借りる女
健全な人間関係は平等なギブ&テイクで成り立つが、地雷女は幼児のように一方的に依存をするから同性にはすぐ切られる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
希々空の人間関係は、子供の頃から扉を閉められてばかりであっただろう。
隣人女性に断られたので、たまり場の部屋で会った新参の佐古にメッセージを送る。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
[髪洗いに来て。 手ェケガして頭かゆ過ぎで笑えない。今すぐ来れない?]
こんな非常識なお願いでも女に触れる機会がない佐古は、喜んでバスに乗って希々空の部屋に向かってしまう。
男の性欲を距離に換算すると、『今日タダでセックスできる』となったら、東京から浜松くらいまでなら新幹線ですぐに駆けつける。
男は性欲でIQ3になる。
異臭のする女性器にも顔をつっこみ、舌先がピリピリしても舐めるのをやめず、ピロリ菌をペロリして胃がんになるのが男だ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん6巻」小学館
※よしのり
佐古は希々空が発する危険な女のサインを全て無視して、自分から地雷原に足を踏み入れる。
性的に誘惑する
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
女の家に初めて入る佐古は、それだけで興奮している。
地雷女の家の敷居は低く、簡単に男をあげてくれる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
そして佐古の目の前で脱ぎだす希々空。
精神薬のホルモン太りをしてそうな、生々しい肉付きの体を見る佐古。
捉えようによっては卑猥に聞こえる事を言う希々空。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「爪立てないで。優しく優しく。」
男はとりあえず女の体に触れていればモヤモヤするものだが、29歳で童貞の佐古には尚更だ。
童貞の特殊能力として、指先に男性器の神経を移動できる。
タコの足の内一本は生殖器官になっているのだが、童貞の指もそれと同じ構造をしている。
指先以外にも童貞は電車で女性に触れたら、そこに男性器の神経を移動できる。
強面の男が顔面凶器と呼ばれるみたいに、29歳の童貞は全身性器なのだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
ともあれ希々空の髪を洗う事は、佐古にとっては性行為だ。
地雷女のエピソードには、少なからず男の性欲が見え隠れしている。
希々空はボンヤリしているようで男の劣情には敏感で、佐古の気分に合わせてムードを出す。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「嘘こにで(嘘でも)いいから 愛しく愛しく……
ね。」
(ドキッ)
心が揺れ動いた佐古がごまかすために、希々空に手のケガについて聞く。
『手…ど、どうしたの?』
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「コンビニ行く時、痴漢にあった」
『え?』
この『え?』という動揺で、地雷女は依存できる男が見抜ける。
アンバランスな人というのは、知り合ってすぐの関係にはそぐわない話をする。
聞いた人の多くがドン引きして去っていくとしても、話に反応を示す男が一人でも見つけられればそれでいい。
地雷女の話に動揺するのは、同じくアンバランスな男だ。
そういう男と地雷女は、凸と凹のような共依存の関係が築ける。
性的な話や病気、家族問題などでいかに自分が可哀そうなのかを訴える。
すると男は勝手に地雷を支える決意をし、ムリなお願いをしても使命感を燃やす。
地雷女は不器用な生き方に見えて、獲物を巻きとる術だけは蜘蛛のように自然と身につけている。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
今すぐ髪を洗いに来てと言ったらホイホイ来る時点で、佐古は地雷女にコントロールされている。
地雷女は自分が乗っとれる、我が強くない男を探しているのだ。
痴漢話に対する佐古の反応を見て、ますます可哀そうな自分を演出する。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「イライラが止まらないと、手首切ったり爪噛んだりする癖なの。
どくどく血で包帯が滲んでく。
止まんないなあ 止まんないなあ。」
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「どうしよう どうしよう。辛いなぁー。」
『けっ警察に通報は?』
希々空の話にオロオロする佐古は、優しいのではなく自己というものが希薄で未熟なだけだ。
普通の大人であれば非常識な希々空とは一線を画し、その話に感情移入することはない。
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佐古に軟弱さを見た希々空は、虚実を織り交ぜた話で更なる同情を誘う。
これは佐古が希々空から逃げたいと思った時に、『弱った女を見捨てるのか?』という葛藤をさせるためだ。
罪悪感を植え付け、良心を人質に取るのも地雷女の手口の一つだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
希々空が言うには警察らが家に来たが、ニヤニヤしながら
「僕達が守ってあげる。もうちょっと早く出会ったら朝までいてあげたのに」と言われたとのこと。
性犯罪は長らく男の感覚で事件が軽く扱われ、被害者は告発後にも苦しい思いをしてきた。
だから被害者に寄り添う姿勢が必要だが、いかんせん希々空の話には矛盾点が多い。
警官がエロい事案を起こすのは、一人の時だ。
女性問題を防ぐためにペアで動いて相互監視する警官らが、路上痴漢の件で現場ではなく脱法ハーブだらけの家に来て卑猥な事を言ったというのは本当だろうか?
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「気持ち悪いなぁ… 気持ち悪い。
何言ってるのかなぁ……」
気持ち悪いというのは警官の発言に対してか、それともこんな話をする自分に対してなのかあいまいだ。
希々空がひとり言のようにつぶやくので佐古が
(?)
と戸惑うと
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「助けて」
とつぶやく。
この助けては恐らく本心だろう。
なぜなら地雷女が他人に絡むのは相手を不幸に陥れるためではなく、自分を救ってくれる人を求めているからだ。
佐古が
『え?』
と言うと希々空はすぐに地雷女の仮面をかぶり
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「なんでもない。
また明日も来てくれる?さこちん
髪洗ってよ。」
こういうお願いを男が喜ぶのは、性的な接触を期待しているからだけではない。
女に必要とされること自体が嬉しいのだ。
ともあれ希々空は自分の世話をさせる、都合のいい男を手に入れた。
そして佐古は佐古で、家に帰って希々空をネタにしっかりとシコるのであった。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
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問題を共有させられる
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
翌日も希々空と待ち合わせて、部屋へと向かう佐古。
今日は髪を洗うだけじゃなくて、もう少しエッチな事ができるかもしれない。
だが童貞が期待を膨らませると、いつもロクな事にならない。
二人が希々空の部屋の前まで来ると、大きな男が立っていた。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
『希々空。人呼び出しといて、何 留守してンだ?』
人を振り回す希々空は、よくすっぽかしや待ちぼうけを食らわせる。
佐古を家に連れてくるのと同時に、闇金のウシジマくんも家に呼び出していたのだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「すぐ戻ったじゃんか―――
イラつかないでよぉ―――」
びびる佐古。
(え? 誰? 希々空の彼氏?)
希々空は部屋で話そうとするが、散らかった部屋を見たウシジマくんが近くの公園に場所を移す。
ウシジマくんが佐古の経済状態を聞く。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
この日、希々空がウシジマくんを呼び出したのは借金の利息と延滞金の支払いのためだった。
希々空は最初から佐古に借金を肩代わりさせるつもりで呼び出したのだ。
ウシジマくんは金の無い希々空の代わりに、佐古に支払いを迫る。
『え?何で俺が? 全財産で3万だし無理っス……』
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「あさって、生活保護のお金入ったらすぐ返すから
お願い。」
『え? え?』
地雷女に少しなびいただけで、すぐに問題を共有させられる。
希々空の生活を見るとわかるが、能力的にできない事がいっぱいある。
だがこうして助けてくれる男を見つけ、自分の問題に引きずりこむ能力は発達している。
佐古の太ももに手を置き、ダメ押しをする希々空。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「髪も洗ってくれるンでしょ?
私を助けてよ、さこちん。」
そしてその場で佐古がウシジマくんに借金をする形で、希々空の利息と延滞金を支払った。
地雷女は借金や妊娠話、重い病いの話などでターゲットにくさびを打ちこむ。
そして借金が佐古と希々空をつなぐ、確固たる絆になる。
佐古は希々空から金を返してもらわないとウシジマくんに借金が返せないから、一蓮托生の関係だ。
地雷女が求めているのは母親とつながっていたへその緒のように、確かな絆を結べる相手なのだ。
関連:歌舞伎町の先輩エミリ
振り回される男
あさって金を返すと言っていた希々空だが、当日になっても当たり前のように佐古への連絡はない。
佐古は代引き商品を持ってきた配達員が自宅のドアをドンドン叩く中、切羽詰まりながら希々空に電話する。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「何? さこちん?
8万円なんてないよ―――」
焦る佐古に対して、謝りもせず余裕な希々空。
こういう事をするから人間関係が続かず、地雷女の周りには付き合いが浅い人しかいない。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
『希々空 今日中に返す約束だろ?』
「え――― ないものはないもん。」
地雷は他人が焦っているのを見ると、上手く生きられないのは自分だけではないと思えて安心する。
だから問題を作っては他人に放り投げて、右往左往させる。
そして佐古は配達員に代引きが払えず、信用を落とす。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
地雷女は意地悪をしているのではなく、ただ自分と同じ位置まで降りてきて欲しいだけなのだ。
地雷女との付き合いが深みにはまる理由
地雷女との付き合いがズルズルと長引くのは、たまに憑き物がとれたかのように可愛い時があるからだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん25巻」小学館
ごく普通のデートみたいな事が出来て、吸血鬼の眼玉みたいなカラコンもしていない。
ギャップで可愛く見えて、男はこっちが本来の彼女の姿ではないのかと希望を抱く。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん25巻」小学館
そして男は『自分が地雷を治すのだ』と変な使命感を持ち、深みにハマっていく。
地雷女が本能でやっている人心掌握術は、ヤクザが人を飼いならす方法に似ている。
立場を逆転させられる
電話ではらちが明かないので、希々空の家に行く佐古。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
『希々空さんお願いします。
残りの金返してよ。』
金を借りているのは希々空なのに、佐古の方が頭を下げている。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「しつけーなさこちん!!
ないもんはねーよ。」
自分が金を返さないのが問題なのに、佐古の『しつこさ』を主題にすり替えてしまう。
地雷女を叱る立場だと思っていたのが、逆に真っ向から叱られるので男は平衡感覚を失ってしまう。
この状況がもう少し進めば希々空は事実を歪めて周囲に拡散し、佐古がストーカーのような印象を広めるだろう。
地雷女は男の評判を落として孤立させ、自分だけの母親を求める赤ちゃんのように二者関係(ふたりだけの世界)を作ろうとする。
佐古は何度も闇金に利息を取られていて、借金の元金が一向に減らない。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
希々空に金を返してもらわないと破綻するから、佐古はすがるように希々空の所にやってくる。
男を困らせると急いでやってくるから、地雷女の行動はエスカレートして限界以上に男を追い込んでしまう。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
精魂尽きた男が自分から離れていく時、その裏切りに対して地雷女は最大限の報復をする。
共倒れ覚悟の自爆攻撃により男は職場や周囲の信用を失い、数年間は再起不能になるだろう。
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地雷女が生まれる理由
地雷女が生まれる理由は、母親との関係性が大きい。
地雷は親の育て方を再現するから、希々空の幼少期はシンママをしている姉を見る事でわかる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
『希々空ウィース。』
遊び疲れて目の下にクマを作った希々空の姉が、彼氏と会うのに邪魔な息子たちを希々空に預けに来た。
この行動は、佐古にお金の問題を押し付ける希々空と同じだ。
希々空の姉は部屋にいる佐古をチラッと見て『誰?』と聞いて、希々空にただの知り合いと言われると自分には無関係とばかりに興味が失せる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
佐古には迷惑をかけっぱなしの希々空だが、姉には迷惑をかけられる側だ。
貧困女子は家族関係も貧弱で、誰も助けてくれないどころか足を引っ張る親族ばかりだ。
部屋が何だか臭いので希々空が小さい方の子供を見ると、オムツがこんもりとしていた。
希々空に「オムツを換えたら!?」と言われると姉は
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
『大丈夫大丈夫、今のオムツって吸収率超進化系だから!
オムツ大事に使わないと、ねー。
エコよ、エコ!』
希々空が叱責する側のはずなのに、なぜか希々空が姉に諭されているみたいになる。
こういう人たちは都合が悪い事を言われると、いつもシジミのような目になってお茶を濁す。
地雷が相手と同化する能力は、こういう場面でどちらの責任かわからなくする時にも使われる。
オムツを換えてもらえない子もかわいそうだが、大きい方の子供はもっと悲惨だ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
『ター坊(小さい子)は大丈夫なンだけど
こいつがいると彼氏の機嫌が悪いのよ~~!!
預かってくんない?』
大きい方の子は自分の母親と希々空が自分の事を、『こいつ』とか『そいつ』と呼びながら押し付け合うのを目の前で聞かされる。
いつもは母親が彼氏と会っている間、大きい方の子供はゲーセンに置き去りにされている。
それが店員に注意されて母子ともに出禁になったから、今度は希々空の家に放り込もうというのだ。
底辺の家の子は、粗大ゴミのような扱いを受ける。
地雷は幼少期に作られる
地雷が他人と同化したがるのは、不完全な幼少期に原因がある。
人は上手く体を動かせない赤ん坊の頃、意をくんで世話をしてくれる母親を別の個体ではなく、自分の手足の延長と認識している。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
だが十分な世話をしてもらえない希々空の姉の子供は、不快な状態を解決できない無力感をおぼえる。
次の成長段階で普通の子は、自分と母親が別々の個体であることを学んでいく。
子供が1歳くらいで親に初めて『ダメっ』と叱られた時に驚いた顔をするのは、母親が自分とは別の意志を持っている存在だと知らされるからだ。
そのショックを乗り越えられるのは、母親が弱い自分をバックアップしてくれるからだ。
自転車の練習のように親が支えてくれて、徐々に一人立ちできるようになっていく。
だが希々空の姉の子は誰にも支えてもらえず、一人で転び続けて自信を失うだけで、いつまでも成長できない。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
その不完全な状態で小学校に放り込まれるから、周囲の人と様々な軋轢が生じる。
ホームがなくてずっとブーイングを浴びせられたら、大人のサッカー選手だって精神が参ってしまう。
そんな過酷な環境を経て地雷女が求めるのは、今度こそ自分と同化して守ってくれる母親のような存在だ。
当然そんな事ができる男はいないので、地雷女はずっと喪失感の中で生きている。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「ずっとずっと…夢を見てるみたいだよ。
24年も生きてて楽しいコトなんて何もない。」
辛いのは地雷女には男を引き寄せる肉体があって、最初は優しい男たちに中途半端に希望を抱いてしまうことだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
男との付き合いがはじまると同化して守ってくれるのかを確かめるため、地雷女は何度も何度も愛情を試そうとする。
幼少期から近しい人に何度も裏切られてきた地雷女は、不安感から試し行動を止められない。
これが地雷女が困った行動をする理由だ。
男が難題をクリアすると更に困難な問題をぶつけて、結局は男がボロボロになって逃げていく。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
そして地雷女はまた、一人で転び続ける人生に放り出される。
この絶望を、何度も繰りえしている。
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地雷女に育てられた子供
地雷女は自分の子供さえも壊してしまい、自分と同じ地雷を作ってしまう。
これが毒になる親という意味で、『毒親』と呼ばれるものだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
毒親は自分のコピーのような地雷女だけでなく、同時に地雷に振り回される子も作り出してしまう。
希々空の姉の子は、小さい頃から自分の意志に関係なくアチコチに放置されている。
そうやって自分の意志を無視され続けた無力な子は、大人になってからも意志薄弱で地雷女のエサになりやすい。
佐古の意志が弱いのも、似たような理由からだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
佐古の親は干渉が強かったため、自分の領域を侵された佐古は意志が弱くなってしまった。
親が無関心でも過干渉でも、子供は問題が生じるデリケートな生き物だ。
地雷女とは、結局何か?
実際に地雷女と関わった人は、希々空のエピソードを見て『こんなモンじゃすまない!』と思っているだろう。
そういう人は、ただ出勤しようとしただけで女が手首を切って、部屋中血まみれにしたなどの経験があるだろう。
この差は地雷によっても違う進行具合と、タイプがあるからだ。
地雷女とは不思議ちゃん~隔離入院の間の、パーソナリティ(人格)障害というものだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
えっ?!病気なの?
病気とは少し違うが、性格というには問題が多すぎる症状がある。
パーソナリティ障害は、弱さを守る手段によってタイプが分かれる。
例えば自分を大人物と思い込む事で安心感を得るのが、自己愛性パーソナリティ障害。
だがどんなに自分が優れた人間だと思っても、受験や就職で現実を突きつけられる。
そこで周囲を巻き込む問題行動をとる。
希々空の知り合いの男は、既存のNPOの代表にマウントをとり
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん25巻」小学館
『俺の考えた事業ならうまくやれるンスよ。』
と言い放つので、関係が悪くなる。
だが助成金の申請のために役所に事業計画を提出するも、ボツになってしまう。
すると自己愛で膨らませた強い自分の幻想が崩れ、本来の弱い自分がムキだしになってしまい泣き叫ぶ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん25巻」小学館
これと似たような事が学生にも起こりえる。
自己像を膨らませても、偏差値により等身大の自分を突きつけられてしまう。
この時に普通の人は挫折を受け止め、自分の得意分野に特化してスキルを磨き上げて成長をする。
だが自己愛の人は地道な成長ではなく、唐突に政治や環境活動を始めて、一気にオピニオンリーダー(影響力のある人物)になろうとする。
だが何かを創造する能力がないので、彼らの活動は常に叩く相手を必要とする。
自己像を膨らませるためにやっているので主張の辻褄が合わず、同年代のちゃんと勉強や会社勤めをしている人の賛同が得られずに終わる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん25巻」小学館
『だめじゃない。 俺はだめじゃない。』
そして活動内容がよくわからないNPOや何とか法人を設立して代表になり、自己愛の幻想の中でお茶を濁しながら中年になっていく。
他にはウソと演技で偽りの人物になり切る演技性パーソナリティや、境界性パーソナリティ・妄想性パーソナリティ等がある。
彼らは弱い素の自分を受け入れられないので、パーソナリティの仮面を引きはがそうとする相手を狂ったように攻撃する。
直接的な暴力の他、周囲を巻き込み相手の社会的信用を落とす。
希々空に見るパーソナリティ障害の特徴
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
タバコや脱法ハーブや酒などに依存をするのは、弱い自分を感じてしまう時間を減らすためだ。
健康な人が楽しみのために飲酒をするのと違い、希々空は普通の人の感覚に近づくために意識を飛ばす。
依存症にとってはシラフが異常で、酩酊した状態が正常なので、なかなか断ち切る事ができない。
不思議な力への傾倒
希々空は悪魔のような目のカラコンや、ドクロの服を着ている。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
パーソナリティ障害には黒魔術・ビジュアル系バンドなど神秘的なものに傾倒するタイプが多い。
これも弱い自分を守る術の一つで、親の代わりに不思議な力を信じる事で守られているように感じる。
希々空の手は包帯に巻かれていて見えないが、黒いマニュキュアや毒々しいつけ爪でもしているだろう。
金持ちもゲン担ぎをするが、それは油断しないよう自分を戒める確認動作みたいなものだ。
それに対して希々空は、魔の力で全てが救われるという崇拝に近い思いを抱いている。
パーソナリティ障害は悪魔以外にもパワーストーンやメルヘンなど、不思議な力への傾倒が見られる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん21巻」小学館
嘘をつく
希々空は挨拶代わりにウソをつく。
しかも周囲が激しく動揺する、反応がいいウソを選ぶ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「妊娠した。 20万円貸してくれる?」
性行為の相手でなくても、女性が妊娠したという話には人の心を動かすものがある。
他にも人の注目を集め、特別な存在になれるような題材でウソをつく。
顔見知りの性被害・DV・うつ病など、最初は男の感覚で軽く扱われていたものが、理解が進んで被害者をケアする風潮になると、それを特権と思う者がウソの題材に使うようになった。
普通の人が努力をして地位を築くように、地雷女はウソをつくことによって身分を手に入れる。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
注目を浴び、時には同情をされる経験をして、地雷女はウソが有効なコミュニケーション手段だと認識する。
だがそのウソは大胆だがムラが多く、辻褄が辻褄が合わないのでちょっと賢い相手には通用しない。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
『なめてンのか?』
ウソは特に演技性パーソナリティが使う手段で、華やかな外見も相まって一時は注目を集める。
だが注目を浴び続けなければ見捨てられると感じる彼らのウソはエスカレートしていき、結局はまともな人が離れていってしまう。
それでも自分の異常性に気がつかない彼らは、社会の方が間違っていると憤る。
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希々空の食事
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
希々空はファーストフードしか食べないが、食事にはその人間の家庭環境が反映されている。
希々空の姉は台風の日でもないのにカップ麺を家族で食べ、しかも自分で食事を作るよりも美味しいのだと言う。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
日常的に非常時みたいな食事風景で、そこからどんな毎日だったかが想像できる。
中には子供にポテトチップスを食べさせる親⇒歯が汚い女テルミ もいたり、メシでの虐待も見られる。
だが母親は虐待している自覚はなく、相手をおもんばかるプラグがスッポリと抜け落ちているだけなのだ。
幼少期に思いやりを経験していない子は、共感性をつかさどる脳に神経が通っていない。
だから希々空がファーストフードの袋を開けた時に、ウシジマくんが
『(佐古と)二人で食うところだったのか。』
と聞くと
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「え?何? 私の分だけだよ。」
と、佐古に分け与える事など全く考えてないかのように言う。
自分が経験していない事は、子供にも他人にも施せない。
だから地雷は自分の経験と同じような苦痛を他人に与えてしまう。
他にも食に注目すると、川えびというたぬきの食べ物みたいなものを好む、16歳で広島から家出してきたまいたんがいる。
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激しい怒り
地雷女は些細な事で爆発すると思われているが、彼女らなりの理由がある。
金を返してもらうために希々空の家に来ていた佐古に、希々空が頼み事をする。
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「さこちんオムツ買って来て」
『あの… 俺の金は?』
佐古が希々空のお願いを無視して自分の金について言うと、憤怒する希々空。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
「うるせェ!!バカ!!
ダッシュでオムツ買って来い!!」
佐古からすると理不尽に感じるが、希々空が怒っているのは佐古が自分と同化していない事に対してだ。
普通の人が乳幼児の頃に克服した、『母親との分離』を経験していない希々空は幼児のままだ。
だから地雷女は拒否されると2歳児のように、人目をはばからずに泣きさけんだり暴れたりする。
地雷女たちは男を困らせたいわけではない。
弱い子供の自分を見捨てないで欲しいと、必死に助けを求めているのだ。
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん24巻」小学館
地雷に関わった男はもれなく、地雷からは逃げろと言う。
だがもし逃げらずに寄り添って改善を考えるなら、パーソナリティ障害の性質を調べることで彼らの怒りの原因を知ることができる。
砂漠のサソリが猛毒をもっているように、地雷女が苛烈なのはそれだけ育った環境が過酷だったのだ。