ホームレス狩りをする凶悪な少年たち

荒れた少年たち 若い男
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

フリーターくん編(7~9巻) 他より

凶悪な少年たちの犯罪は、理解がしがたい。

 

彼らは単なる頭の悪さでは説明がつかない行動をとる。

 

だが凶悪な少年たちが、実は現代人ではなく原始人であったとしたら、全て合点がいくのではないだろうか?

凶悪な少年の正体

 

同じ人間なのに、なぜ現代人の脳ではない者が出るのであろうか?

 

彼らの生い立ちから、原因を探ってみたい。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

凶悪な少年の群れというのは、歩き方からおかしい。

 

股を広げたり、上体をゆすって存在を誇示するように歩く。

彼らの動作がうるさいのは、猿のように言語よりボディーランゲージの方が発達しているからだ。

 

彼らの会話風景を録画し、ミュートにして再生してもどんな会話か想像がつくだろう。

それに服や髪も奇抜なものが多く、不必要なまでに主張が激しい。

 

一目で不良とわかる少年が街に多いのは、彼らの家では10代も半ばを過ぎれば成人とされ、家に居づらくされているからだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

「もうすぐババァ(母親)と店長(愛人)が仕事から帰ってくるから、外、行かね?

俺、店長のおっさんキライなンだよ…… どっか行くべーよ。」

 

不良の家庭環境が複雑なのは親も原始人で、子供を産んでは相手を変える習性があるからだ。

幼児は家庭の経験で、現代人の脳の基礎が作られるが、不良少年の家庭にはそれがない。

 

医療少年院の子らにケーキを3等分させようとすると、思いもよらない切り方をするのだという。

経験が無いからできないのではなく、現代人にあるはずの認知能力がないからできないのだ。

認知ができないので学校教育に適応する能力がなく、他の生徒の妨害をする。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

学校がつまらないからと辞めてしまうが、私生活もつまらないから後悔する。

自分たちで何かを作りだす文化がないから、学校を辞めると現代社会でやる事が何もない。

 

彼らが代々、貧困を抜け出せないのは格差社会のせいではない。

他者から奪う原始人型の生存戦略が、法治国家ではペナルティが大きいためだ。

 

農耕を始める前の人類だから、実るまで時間のかかる勉強に価値を感じない。

例え教育費の高い学校に無償で入れたとしても、同級生をぶん殴ってメガネを割るのが関の山だ。

 

彼らには学校教育ではなく、家庭でやらなかった認知能力を補う治療が必要なのだ

彼らの原始性は個性として放置され、生涯にわたって犯罪を繰り返す人格に固まってしまうだろう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

彼らが街を徘徊しても、母親が気にしないのはメスだからだ。

すでに興味は勤め先の店長の男に移っていて、家に連れ込んでいる。

 

男の子は実の父親であっても、成長の通過儀礼として敵視をする年頃がある。

ましてや、母親の彼氏となるとなおさらだ。

 

その彼氏が家に帰ってくるので、居場所はない。

野生の熊のオスは母子の熊を見つけると、自分の子供を産ませるために小熊を殺す。

 

シンママの彼氏が連れ子を殺す事件がままあるのは、人より動物に近い男とくっつくからだ。

 

関連:ダメな母親を野生動物として見る理由

 

なぜ彼らは原始的なのか

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん20巻」小学館

 

母親からして原始性が強く、子供を早く多く産んで、後は自然の摂理に任せる。

 

原始人の女の好みは、自分と同じく原始人のような男で、他者から強奪する”男らしさ”に惹かれて結婚する。

 

結婚の概念が薄いのですぐに離婚し、

野生動物と同じく彼らは、母親だけで子を育てる。

 

そこに似たような性質の野良のオスがやってきては、一時的につがいになる。

原始人のモテの基準は”イカつい”がキーワードになっていて、それを形にしたのが不良の有様だ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん20巻」小学館

 

母子家庭の母親と付き合う男は、その子供とも信頼関係を築かなければならない。

 

普通の男よりも、求められるものは多い。

だが実際は、独り身の女性に相手にされないからシンママに手を出すような、普通より劣る男が多い。

 

こういうオスが入ってきて居場所を失った少年は、家庭環境で共感性や協調性を経験せずに成長する。

 

彼らの家庭は親が原始人だから、地べたで食事をしたり、文明が届かないホラ穴暮らしのような生活をしている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん20巻」小学館

 

これが現代人の脳が育たない理由だ。

 

脳の大脳辺縁系という部位は、本能や情動など誰に教わるでもなく備わっている、動物的な脳だ。

 

その上に、進化の過程で発達した大脳新皮質があり、知性や理性や認知能力を担い、大脳辺縁系(本能・情動)を抑制している。

 

狂暴な子というのは、大脳新皮質(知性・理性)が発達しておらず、原始人のままなのである。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん20巻」小学館

 

・お金が欲しければ奪い取る
・腹が立ったら暴力
・女がいれば襲う

 

これらの犯罪はいずれも、

 

『街に原始人が出た!』

と思えば、腑に落ちるのではないだろうか?

 

ずさんでマヌケな犯罪をして逮捕される原始人を見ると、猿回しの猿のようで現代人は笑ってしまう。

 

関連:シンママルミナの子供たち

 

弱い人間は狩りの獲物

原始人は現代の脳がが欠けているから、社会に適応できない。

 

だから似たような連中とつるんで別の社会をつくる。

その群れ以外は獲物になる

 

家に居場所がなくて街にでるが、街の全ては金がかかる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

「金がなきゃ…‥ ナニも出来ねェ……」

 

そこに通りかかったのが、荷物をガラガラと引くホームレスのおじさん。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

悪党たちは『獲物』の後をつける。

 

彼らはバカだが、人目につかない場所まで後をつける知恵はある。

人間が猿に近かった頃から、集団での狩りでは獲物の追跡をしていた。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

人けのない河原は、いつも犯罪者たちにとって格好の狩場だ。

 

現代人は困っている人に手を差し伸べるが、原始人にとって弱い者は何をしてもいい相手だ。

 

金がない⇒他者から奪う

というのを、ごく自然な行いだと思っている。

 

だから罪悪感というものがない。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

「ねェ!! 金ちょーだい!!」

 

グレた少年の声が大きいのは、言葉が発達していなかった頃の脳に近いから、猿のように語気で威嚇をするためだ。

 

お金を持っていないというおじさんに

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

「嘘つくな サイフ出せ!」

 

「サイフも持ってない!! …俺、今、200円くらいしかないよ…」

 

悪党らは勝手におじさんの荷物を探り、免許証で名前と歳を確認する。

イイ歳したおっさんなら、金持っているだろとしつこく絡む。

 

言葉をうまく使えないから、同じことを繰り返すのも原始人の特徴だ。

 

『関係ねぇ・うぜぇ・ゴラァ』

こんな単語だけで延々と会話できる。

 

悪党の内の一人が、なかなか金を出さないおじさんに対し、毛を逆立てて興奮状態になる。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

大脳辺縁系(本能・情動)が優位で、新皮質(知性・理性)が発達していないから、自分の欲求がかなえられないと、すぐに憤怒する。

 

集団の高揚感と群れでの序列意識も加わり、原始人は狂暴化する。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

突然なぐる少年A。

 

言葉で伝えられない代わりに、すぐに手が出る。

人の痛みが想像できるほど、脳にバッファ(空き)がない。

 

小さい脳は自分の事でいっぱいなので、こういう連中は極度にわがままなのも特徴だ。

だが、それでいい。

 

原始時代に生き残るのは、他を押しのけて奪い取る利己的な人間だからだ。

 

ホームレスにナイフを向けて

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

「クツ脱げ!! コノヤロウ!!」

 

過去のカツアゲ(狩り)で、弱い者がどこにお金を隠しているのか学習している。

完全な獣ではなく、多少なりとも学習能力がある所が小賢しい。

被害者をいたぶる理由

 

凶悪な少年らは、隠していたホームレスの全財産を抜き取るが、解放はしない。

 

ホームレスをゴールポストの前に立たせて、自分たちが投げる石からゴールを守れと命令する。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

手加減なしで石を投げるから、おじさんの額から血が流れる。

 

それを見て悪党たちは

 

「ぎゃははははははははは…」

と、猿のような笑い声を上げて喜ぶ。

 

他人が痛い目にあうのは、彼らにとって最高の娯楽だ。

抑制が効かないから行動がエスカレートして、こぶし大の石をおじさんの頭にぶつけてしまう。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

動かなくなったおじさんを蹴って確認し、壊れたおもちゃのように、その場に捨てる。

 

彼らはなぜ、お金だけをとって解放しなかったのだろうか?

それは強盗は二次的なもので、一番は原始的な欲求を満たす狩りが目的だからだ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

河原から、

「ぎゃはははははははは…」

 

と笑いながら去っていく凶悪な少年たち。

彼らは、罪悪感が生まれる前の人類の姿だ。

もっと詳しく知る:『人を見抜く方法』第十章 不良少年の人間学

 

暴走族くずれの生態

 

暴走族くずれの夫が、深夜に子分を引き連れてアパートに帰ってきた。

 

髪を染めた若い母親は激怒し

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん2巻」小学館

 

「こんな夜中に何言ってンだテメェ――ッ。

外(おもて)行ってこい!!」

 

と啖呵を切る。

ヤンママはよく、言いたい事を言う、まっすぐな性格と言われる。

 

だが、そうではない。

相手との妥協点を考えられない原始人は、喚いて我を通すことしか知らないのだ。

 

だから女であっても、うるさくてガラが悪い。

原始人のコミュニケーションは単純だ。

 

言葉が通じなければ

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん2巻」小学館

 

女の顔面であろうとぶん殴る。

 

女をグーで殴ってはいけないという理性は、原始人の脳にはない。

彼らの世界ではDVではなく、暴力さえもコミュニケーションの一つになっている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん2巻」小学館

 

ぶん殴られて、アパートから出る母子。

 

あと何回かこんな事を繰り返し、離婚をしていくお決まりのパターン。

結婚・出産・母子家庭までがルーティーン化している。

 

現代社会の人は学習を重視して、少しでも給料が多くもらえる戦略をとる男女が多い。

だが不良らは本能に突き動かされて、原始時代同様に若い体で子供を産む事を選ぶ。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん2巻」小学館

 

後先は考えられないので経済的には成り立たず、ホラ穴暮らしをしている。

そんな暮らしを格差のせいであるとし、自分の行動を省みない。

 

彼らは弱者に対し慈悲の心がないのに、自分たちは現代人に対し、弱者であるから保護をしろとアピールする。

 

関連:汚い言葉遣いの愛沢の嫁

 

社会に恨みを抱き凶悪化

 

元暴走族の男は、幼少期から恨みがましかった。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん2巻」小学館

 

自分の家が貧乏で、みんなが持ってるおもちゃを持っていなかった。

 

当然のように他の子から奪い取ると、子供の親たちに

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん2巻」小学館

 

「あのコと遊んじゃダメでしょ」

 

と言われるようになった。

 

ちゃんと理由があって社会に拒絶されているのに、彼らは被害者意識を持つ。

 

『日本は同調圧力が強い』

と言うの者の多くは、自分が他人に嫌なことをした自覚がないから、周囲の人の心が狭くてハブられたと思っている。

 

認知能力の歪みで彼らの目には、常に周囲が悪に映っている。

こうして、コミュニティに敵愾心を抱くようになる。

 

元暴走族の男は通勤する人達を見ながら、こんな事を考えている。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん3巻」小学館

 

(普通が幸せか? 平和が一番か?)

 

普通に働く人の努力も考えず、彼らが得たものを自分が持っていない事を恨む。

自分の取り分を、社会に奪い取られたとさえ思っている。

 

そういった恨みがましい人間は、学歴・転居歴・職歴を見れば浮かび上がってくる。

『人を見抜く方法』第四章 経歴によって人を見抜く

 

原始人は狩りをする

 

社会の表で生きにくい彼らは深夜に行動し、見かけたカップルを襲う。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん2巻」小学館

 

「車はカンベンしてください。」

 

「絶対カンベンしねェ! 俺の絶望を分けてやる」

 

原始人は自分が受けた苦痛を、他人にも味合わせないと気が済まない。

満たされた相手を見ると、原始人たちが腹を立てるのは何故か?

 

それは資源の乏しい原始時代、誰かの悦びは自分の損失であったから、他人の幸福を妬む脳になっているのだ。

 

単に金品を奪うだけではなく、女性には絶望を与える。

そのまま女性を拉致し、ホテルに運び込む。

 

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん3巻」小学館

 

こういう連中がやるのは、ただの性行為ではない。

 

前述のホームレス狩りと同じく、集団で女性を襲う事は狩りなのだ。

全員で肉をむさぼり、なぶる事を目的にしている。

 

被害を受ける現代人の女性は、その知性で何度も事件の事を考えてしまい、トラウマとなって脳に焼きついてしまう。

 

だが狩りを楽しんだだけの犯人たちは、罪悪感にさいなまれる事はない。

 

凶悪な少年が存在する理由

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん9巻」小学館

 

知性がなく極めてわがままだから、経済力がない。

 

顔も原始的でブサイク。

こんな人間が存在する理由は何であろう?

 

それは、世界が災害や核戦争で荒廃した時、最も生き延びるのが原始人だからだ。

種というのは、生命が途切れないよう多様性を持たせる。

 

過酷な環境では他人から奪う事を好み、弱者を食い物にしても良心が痛まない、凶悪な原始人が生き残る。

 

これが世の中に、悪党がいなくならない理由だ。

彼らはその時に備え、公団やアパートで繁殖して一定数を維持している。

 

今は文明が抑えつけているが、社会がひっくり返ったら、現代人は狩られる側になる。