洗脳くん編より(26~28巻)
受身の女は文句を言わないし、扱いは楽だ。
しかし表に出さないだけで、しっかりと恨みを溜めている。
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受身の女は恨みを溜める 上原まゆみ
土曜日に会社で仕事をしていると、母親から電話がかかってくる。
![上原まゆみの母](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-25.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「あんた今年で28歳でしょ?
妹に先こされて~
早くいい人 見つけなさいよ。」
と電話をする。
こういう電話は、まゆみのためを思ってのものではない。
まゆみのためなら、妹を引き合いに出して比較はしない。
『早くいい人 見つけなさいよ』と言うだけで、別に具体的なアドバイスはしない。
専業主婦で社会とのかかわりが薄い母親は、上段から説教できる相手に飢えている。
電話の中で父親も引き合いに出す母親。
![上原まゆみの父](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-26.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「お父さんも心配してるのよ。」
「お父さんの心配は私じゃなくて世間体でしょ?」
「え?」
「なんでもない。」
なんでもないと言って、意見を引っ込めるまゆみ。
最初の子だから、親が過剰な期待をかけて抑圧したので、受け身になってしまう。
その分、妹の上原みゆきへの圧力がなかったので、こんな風に育つ。
![上原みゆき](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-27.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
だらしないだけでなく、隠れてガールズバーで働くなど、行動力があって倫理観が乏しい。
だから無自覚にトラブルを起こしては、しっかり者のまゆみに依存をする。
職場の上司である、結婚できない37歳の女性編集長の存在もまゆみを追い込む。
同僚は言う。
![まゆみの同僚](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-27-2.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「林編集長は年収と学歴にこだわらないで
47歳くらいの男 探さなきゃダメでしょ。
現実見なきゃ。」
生活力のない彼氏ハシくん
まゆみにも彼氏がいるが、付き合う理由も主体性が乏しく、『何となく見た目が良い』という理由に過ぎない。
受身の女は、他人の世話になる事が怖くてできない。
だから無意識の内に、自分を世話してくれないような男を選んでしまう。
つまり、ダメ男だ。
![まゆみの彼氏](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-28.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「明日のバイト休みてぇ。つーか辞めてえ。」
まゆみの彼氏は、20代後半でバイトを辞めるかどうか言うような男。
わずか数百円の食事も、まゆみに奢ってとねだる。
![ハシくん](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-29.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「だって俺の倍
稼いでるじゃんかァー」
![真顔のまゆみ](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-29-2.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
それでこの表情。何も言わない。
無意識の内にダメ男を選んでしまうが、納得はしていないので葛藤が生まれる。
その葛藤を彼氏に伝えれば、しっかり就職してもらうとか建設的な関係になれる。
だがまゆみは抑圧されて、自分の意見を言えないように育ってしまった。
仕事は雑誌の編集者だが、これも情報を発信しているようで、その実は読者の顔色を窺って形にしている受身の仕事だ。
趣味はスケボーのハシくん
生活力のないハシくんは、いい歳をしてまだスケボーをしている。
まゆみと一緒にいるのに、自分の遊びを優先する。
![スケボーをするハシくん](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-113.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「俺はもう少し滑ってたいンだけど。」
スケボーをされる側の置いてけぼり感などお構いなしだ。
階段の手すりを滑り下りるハシくん。
![](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-114.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
この『ズジャーッ』『ザザッ』というのは、スケボーをやらない人にとって何が面白いのかわからない。
それを繰り返し見せられるまゆみさん。
ハシくんにとって、まゆみさんは都合がいい女でしかない。
受身の女の口癖はすみません
受身の女は、身近な人に思い切って相談をする事ができない。
自分よりも相手を優先するので、相談された側の負担を気にして頼る事ができない。
結果、占い師(スピリクチュアル)の先生という、お金が必要な相手に薄暗い部屋から電話で話す。
![](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-65-1.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「自分が選んできたものが
本当に心から望んだものか自信がないんです・・・」
常に周囲の目を意識して、自分の意志より他人の考えを優先した結果、溜まったモヤモヤが顕在化してくる。
まゆみは相談で話す度に
「すみません こんな話…」
とつける。
恐らく人にぶつかられても、まゆみから謝るだろう。
まゆみにはデキの悪い妹、みゆきがいるのだが、そんなダメな妹にも劣等感を抱く。
![](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-66.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「妹はこんな私を冷ややかに見てたかも…
ふわふわしてるコだけど決断力は私よりあるし。」
妹みゆきは決断力があるのではなくて、考えられないので行き当たりばったりの行動しかとれないのだが。
劣等感から身の回りの人を避けてしまい、どんどん占い師に傾倒していく。
占い師はすかさず、まゆみに数珠を売りつける。
![](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-99.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「これ、新しい数珠。
まゆみさんの為に作ってきたわ。」
占い師たちが扱う商品は、原価がわかりにくくて売値が高額なものばかりだ。
大抵は『売る』とは言わないで、『わける』とか、『作ってきた』と言って商売感をごまかす。
腕に巻く数珠が増えて、満たされた表情のまゆみ。
![](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-100.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
災難はいつも他人から
常に他人の意思を尊重するまゆみは、我慢をするからトラブルを起こすことなく生きている。
節制して生きているのに、
トラブルがない=気楽に生きている
と思われて、他人が依存してくる。
短絡的な妹のみゆきが電話をかけてくる。
![](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-117.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「旦那のカズヤくんが私の知り合いを突き飛ばしちゃったのォ~~!!」
間延びした喋り方がバカっぽいみゆきらしい。
トラブルの原因もみゆきで、結婚しているのに働いているガールズバーの客に、旦那が手を出したのだ。
客の男が警察沙汰にすると言っている面倒な状況を、まゆみに押し付けようとする。
![](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-118.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館
「警察行くのやめるように
おねェーちゃん説得してよ!!」
「無理無理。
私が行ってなんになるのよ?」
「お願い!!
お姉ちゃん頭いいし、法律とかにも詳しそーじゃん!!
助けてよ!!」
勉強して努力をして、自己完結できる人ほど、他人の重荷を背負いこまされる。
妹のみゆきは楽して楽しんで、好き勝手に行動をして発生する問題を、他人に背負わせる。
こんな理不尽な状況が、まゆみを占い師に傾倒させて、奇行に走らせていく。
![](https://usijimakunnoningengaku.com/wp-content/uploads/2019/05/26-119.png)
真鍋昌平著「闇金ウシジマくん26巻」小学館