フリーエージェントくん編より(30~32巻)
刈部こと刈ベー。
村上仁やマサルと同じ地元。
小学生からグレていて、常識が全くない。
頭が悪すぎて話が通じない
村上仁がマルチの商材を売ろうとするが、刈ベーはバカすぎて話にならない。
マルチ商法というのは色々な理屈をつけて売るのだが、単語もあまり知らない。
「清栄ハイパーメソッド?
30万?
新しいスクーターかなんか?仁くん」
商材が清栄ハイパーメソッドで30万円という価格から、新しいスクーターかと思う。
刈ベーにとってお金を出す価値があるのはスクーターという価値観。
この程度なので、住んでいるのはボロいアパートでお金も持っていない。
仁がマルチの勧誘の常套句を並べるが、ズルズルと鼻をすするだけ。
狭いアパートで父親と暮らし、先輩にせびられているからヒッタクリをし、底辺を這いずり回る生活から抜け出せずにいる。
こんな生活、バカにならないとやっていられない。
常にお金がない
仁の商材を断る時の
「30万円なんて金、一生払えないもんよう。」
というのが切なくなる。
子供の頃から悪い事をさせられ、その金も周囲にむしり取られる。
バカだからいつも行動は短絡的で、反省をしないから失敗を繰り返す。
そんな生き方しか知らないので、30万円を持つ事すら想像がつかないのだ。
彼の世界には、お金を貯めるような堅実な人間はいない。
そういう地域に生まれてしまったのだ。
彼女っぽいモエコ
彼女というほど大切にしていないが、地元のモエコという少女と関係がある。
このモエコも刈ベーに劣らず、頭がポーッとしている。
モエコと居る時は、刈ベーが少しだけマシに思える。
大体、同じような頭脳レベルの男女が一緒になるのが自然だ。
同じくらいのレベルなら、想像を超えるような出来事がそんなに起こらないので、安心感があるからだ。
このモエコに清栄ハイパーメソッドを売りつける。
刈ベー自身も、カウカウファイナンスから借金をして清栄ハイパーメソッドを買ってしまっている。
刈ベーに言わせると、清栄ハイテンションというものすごく元気な人の事なのだが。
調子にのって、刈ベー激アツメソッドというのを立ち上げ、恐喝まがいの方法で人に売りつける。
激アツメソッドの中身は、ただカプセルに一言書いた紙を入れて、高値で売りつけているだけ。
だが案外と、無価値の物というマルチの商材の特徴は捉えている。
何も考えない人は、意外と鋭く核心を突く事がある。
刈ベー激アツメソッドで儲けた金で借金を返すのではなく、キャバクラで散財してしまう。
お金を計画的に使うという事はできない。
借金が膨らんだら犯罪行為
借金が膨らんでどうにもならなくなったら、刈ベーみたいな人種はどうやって解決するのか?
彼の知っている世界では、手っ取り早く暴力で解決する方法しかない。
仲間と連れ立って村上仁らを襲う。
後先考えない行動をとるのだが、刈ベーの頭では物事の後と先を想像することはできない。
今現在、目の前で起こっている事しか認識できないのだ。
それはあたかも、昆虫の反射行動に似ている。
だが、後先考えずにやって、たまたまうまくいくこともある。
常識的に考えたら誰もやらないという事は、他人もそんな事は起こるまいと油断している。
非常識な方法で、刈ベーは村上仁らから3000万円を手に入れた。
これで気が大きくなって、カウカウファイナンスのマサルも襲って、借金もチャラにしようと考える。
限度を知らないで、破滅するまで突っ走ってしまうのが刈ベー。
結局、マサルたちにボコボコにされてしまう。
ボコボコにされたものの、何だかんだで借金は無くなる。
明日からまた、今日までと同じような底辺生活が始まる。
自分のしっぽを追いかける犬のように、その場をグルグル走り回る人生だ。