テレクラくん編より(15巻)
吉永美代子はホテル代込み1万円で客をとっているが、ホテル代が惜しいので団地の自宅の一室を使っている
スーパーにネギや大根を買いにいくのに使っている自転車を、買春客の送迎にも使っている。
生活と性が密接に絡みすぎていて、若者には堪えられない感性だ。
裸の女性に刺身を乗っける女体盛りみたいな性と食の融合も、性感覚がおかしくなった中年の発想だ。
若者の性に結婚や誕生といった輝かしい可能性を感じるとしたら、中年は愛ではなく『しがらみ』で性関係を築いているから気持ち悪い。
そんな、目も当てられない『腐肉の饗宴』中年の性とは。
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ドブ板を引っぺがすと中年が性交している
団地の一室に住む高齢女性のもとに、子と孫が遊びにくる。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館
古い公団によくある、畳敷きの部屋がメインに据えられた作り。
この隣室の住人の吉永美代子は、まさに性向の真っ最中。
団地の囲いのドブ板を引っぺがすと、日中なのはお構いなしに、中年が交尾をしている光景が広がっている。
その喘ぎ声は

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館
「おぐっ。 おぐえ。 ぐえっ!!」
という、すりこ木棒で内臓を突かれて、えずいているかのような声を出す。
何の発展性もない中年の性交は汚い野良犬の交尾みたいなものだが、吉永美代子は野良犬に相応しくドギースタイルでつながって
『ぐえ ぐえ』
と、えずいている。
読者はまるでションベンの掛け合いを見せられているようで、思わず眉をひそめてしまう。
そして愛情からスタートしたわけではない中年の男女の関係は、大抵は揉め事に発展する。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館
「むんば」
「ぎゃあああああああああああ!」
濁点が多い言葉使いでもわかる通り、心にもササクレが多いから身近な人に優しくなんてできない。
似たような男女で寄り添ってはイガミ合いをしている。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん15巻」小学館
そしてお決まりの、『(わたしを)殺せー』『死ね』の応酬。
ちゃんと成長した大人なら、そんな関係は作らない方がマシだと考えるが、未成熟な男女は一人では生きられない。

中年の性は笑うしかない
洗脳くん編より(26~28巻)
おじさんだかおばさんだかわからないくらいの女性で、喘ぎ声は
「ぁあっ・・・!」
という艶めいたものではなく

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん27巻」小学館
「らあぁ」
という、雄たけびのような声を出す。
動物園でカバの交尾を見せられたら笑うしかないように、中年の性は見てて興奮するものではなく、お笑いコンテンツだ。

スナックは中年のリサイクルセンター
ウシジマくん編より(39~46巻)
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真鍋昌平著「闇金ウシジマくん39巻」小学館
人生の終盤まで、女を売り物にして生きるおばさん。
だが歳をとると男性ホルモンが優位になってきてしまうので、闘争心を掻き立てるヒョウ柄(ヒョウ顔)の服を好むようになる。
男性ホルモンにより好戦的になったのに、身体能力は上がっていないので強くはならない。
見かけだけでも強くなるため、威嚇するようなヒョウの顔の服を好むようになる。
こんなのを誰が抱きたいのか?
と思うが、女にあぶれた男はヒョウでもガマガエルでも抱き着く。関連:底辺の性欲が強い理由
そんな男女が集ってつるむための箱が、スナックという中年のリサイクルセンターだ。
型落ち・壊れ物・返品など、あらゆる不具合を抱えた男女が集まる。
おじさんとおばさんはそこでツガイになる。
これもまたドブ板のようなボロアパートの一室に、おじさんが転がりこんでいる。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん39巻」小学館
中年の性は生活と密接で、醤油・みりん・コンドームが並んで置かれていても違和感がないような部屋で行為をする。
しかもおばさんの家には年頃の息子も住んでいる。
貧乏を代々受け継ぐ家の家族関係はあいまいで、よくわからない立ち位置の大人が紛れ込んでいる。
世間一般では
スナック + 内縁の夫
の組み合わせは保険金殺人でしか見た事がない構図だ。
事件化しないまでも、程度の低い生活をするおじさんとおばさん。
お互いの人生のウミを擦り付け合いながら、肥溜め生活をするのが中年の男女の性愛だ。
息子がいる前で、行為を始めるおじさん。

真鍋昌平著「闇金ウシジマくん39巻」小学館
息子は耳をふさぐしかない。
若者の性の激しさを暴力的と例えるなら、中年の性はネチネチとした嫌がらせだ。
明確な終わりがなく、ズルズルと惰性で続いていく・・・